237: 弥次郎 :2018/11/27(火) 18:30:12 HOST:p2729046-ipngn201308tokaisakaetozai.aichi.ocn.ne.jp
大陸SRW IF GATE 自衛隊(ry編 「エクソダスの前に」


 依頼内容を説明する。
 依頼主は大洋連合及び特地最大国家の「帝国」。
 内容は、帝国の首都「帝都」からの避難民の輸送だ。

 すでに情報が流れていると思うが、異世界において確認された邪神「ヴォルクルス」が突如として特地に出現。
帝都目指して侵攻を開始した。大洋連合の部隊が遅滞戦闘に努めているが、何処まで持つか分からん。
 そこで帝国首脳部は帝都の放棄を決定、自国民を避難させることを決定した。
 だが、その住人の避難がヴォルクルスの到着予想時間に到底間に合わないとの試算が出ている。なにしろ最低でも100万人はいる上に、この世界の主な移動手段が徒歩か馬だからな、加えて街道の整備などもそんな大移動を計算に入れているわけじゃない。
このままでは半数以上が集団的で統制のとれた避難が出来ないままに帝都ごと消し飛ばされかねない。

 そこで、大洋連合に依頼が出たというわけだ。
 大洋連合所有の輸送ヘリや陸上輸送車両などを動員し、大規模な避難を行う計画だそうだ。
 とはいえ、大洋連合だけでどうにかなる人数ではないし、元の世界でも人員が必要とされている頃だからな。
それを補うためにPMC各社も有する輸送手段の提供を呼びかけが行われることになった。提供したヘリや輸送機、あるいはそれのパイロットの人数分だけ報酬が上乗せされる形らしい。
 また、パイロットだけでなく誘導員や警備員、避難民の仮説の住居を設営する人員も募集しているそうだ。
 とにかく人手が足りない。少しでも出してくれればありがたいと大洋連合は言っているそうだ、この非常時であるし、協力を頼む。無論報酬も弾むそうだから、安心してほしい。

 説明は以上だ。
 この特地の住人を見殺しには出来ないと依頼主も言っている、参加をどうか頼む。


      • 特地 大洋連合側ゲート付近 PMC「シュネーヴァイス・レギオン」特地支店

「えらいことになったもんだな、炎龍を退治したと思ったら、今度は異世界からの邪神様と来たもんだ。
 まったく、ここにきてから本当に退屈しないぜ…」

 シュネーヴァイス・レギオンの仮の事務所というか特地支店である拠点の会議室で、マエストロは深くため息をつきながら、大洋連合からの新たなる依頼の詳細を記した依頼書と、本社から届けられた指示書を前にしていた。
 本社からの指示は大洋連合からの依頼について、現地戦力を含め、追加戦力を以て全面的に協力せよとのこと。
歩兵や警備兵も含みでの大規模な追加戦力が到着することになっており、大型の輸送機やSTROKに陸上輸送車もかなり送られてくる見込みだ。
本社の方も報酬や余りがちな人員を活かせるということもあってかなり乗り気だ。自分たち以外のPMCも積極参加するという話を聞くし、当然特地にまで出張所まで設けているシュネーヴァイス・レギオンも受けることはほぼ決まりだ。
 人員をフルで動かすことを考えると、自分もまた陣頭指揮にあたることになるだろう。ACパイロット達はACやMTでの住居設営か、あるいは避難先であるイタリカ周辺での受け入れ設備の建設に協力することになる。

「しかし、100万人規模か…」

 特地支店の支店長といえる立場のジョセフ・レイナードは同じくため息をつき、その膨大な人数を頭に浮かべる。
帝都という広大な都市での100万人規模というからには、実際の行政が把握しきれていない、浮浪者やホームレス、あるいは届け出の無い住人なども考慮しなくてはいけない。特に中世で止まっているようなこの世界は、そこまで厳密な管理などしていないだろう。
そうすると避難民の数はさらに膨れあがる可能性が高い。実質一つの都市を空にするつもりでやる必要がある。

238: 弥次郎 :2018/11/27(火) 18:31:06 HOST:p2729046-ipngn201308tokaisakaetozai.aichi.ocn.ne.jp


「マエストロ、大洋連合の情報ではどれほどの猶予期間があると言っていたかな?」

「猶予期間は最低でも5日、最長で10日。ヴォルクルスの放つ眷属どもの到着はもう少し早いかもしれんと。
 もうイタリカでは大洋連合が受け入れの施設の建設を開始し、一部住人は既に退避が始まっているそうだ」

「となると、かなりぎりぎりまでかかる可能性があるな……」

 指折り数えても、一日で10万人以上は輸送しなくてはならない。
 しかも物資でなくて、生きている人間を運ばなくてはならないのが、これまた厄介な事情だ
 AC輸送用の輸送機や地上用車両などを使うとしても、スペースはあっても人がのるようには設計されていないので、それに合わせて内装に手を入れる必要があるだろう。送られれてくるであろう追加戦力の内装換装作業に最低でも2日はかかる。
最悪詰め込んででも、となるだろうがそれはそれで搭乗者が相応に負担になるだろう。
 さらにな、とマエストロは大洋連合から仕入れた情報を明かす。

「さらに悪いことに、ヴォルクルスの現在位置と帝都を結ぶライン上の村や町からの避難民も回収しなくちゃならないそうでな。
 100万人単位どころかそれ以上の集団ととらえた方がいいだろうと」

「……そいつはまずいな」

「ああ、とんでもなくマズイ」

 100万人単位の人間を、しかも訓練も受けていない一般市民を移動させるのは困難を極める。
 しかも帝都を中心として広い範囲に分散しているし、取りこぼしがあれば末路は悲惨なことになる。
 それに、道中はもちろんのこと、移動開始の時点ですでにトラブルが付きまとってしまいそうだ。だからこそ大洋連合はPMCも動員しているのだろう。
事情は分かるし報酬についても心配はしていないが、決して楽な仕事ではない。
 中世の価値観であるならば、盗難や人攫いなども下手をすると起きかねないし、未知の乗り物への恐怖もあるだろう。
実際にシュネーヴァイス・レギオンが炎龍退治に赴いた際にはダークエルフの御客を乗せていたが、乗り物酔いがひどかった。
そのケアも行う必要があることを考えると、酔い止めの薬などを必要とするかもしれないし、ケアをする人間も必要だろう。

「まったく、楽にはいきそうにないな…」

「同じく。だが、やらなければならんことは百も承知だ。無茶を強いているとの認識も大洋連合にはあるそうだし、ここはぐっと堪えていくしかないだろう。上も、相当悩んだらしいが、これも訓練と割り切ることにしたそうだしな」

「訓練?」

「他のPMCとの合同で大都市の住人の大規模な避難を行うっていうな。元の世界でこういうことが起きないとは限らない。
 今回の依頼はそれに備えた訓練と思えば、かなり安いもんだ」

「前向きだねぇ」

「そうじゃなきゃやってられんよ」

「だな。俺はこの拠点からの指揮を行う。マエストロ、最前線での陣頭指揮は任せたぞ」

「任せておけ」

 気の置けない仲の二人は、しばらく大洋連合の依頼について話し合いを続けた。

239: 弥次郎 :2018/11/27(火) 18:31:58 HOST:p2729046-ipngn201308tokaisakaetozai.aichi.ocn.ne.jp
        • 特地 シュネーヴァイス・レギオン 屋外ガレージ


 屋外ガレージというが、実質ヘリが着陸しやすいように整地して誘導灯などを設置しただけの簡易なヘリパッドと、ACが輸送車両の駐車スペース、さらに武器弾薬と予備パーツを格納しているコンテナで作られた空間は、整備士たちが忙しく歩き回って仕事をこなしているために油と鉄の臭いと喧騒で満ちていた。
シュネーヴァイス・レギオンはこの特地にVACを16機、ノーマルACを12機、それに付随するSTROKを指揮官機含めて30機、さらにAC輸送用の陸上車両を何台か派遣していたが、ヴォルクルス出現の報とそれに合わせた大洋連合からの依頼に対応するため、倍以上の輸送機を中心とした戦力が現地に到着し、屋外ガレージをさらににぎやかにしていた。
 何しろ人員輸送を行うために簡易ながらも内装の改装と、その輸送機や輸送車両に合わせた設備の増設、さらに現地についてからのメンテナンスと、仕事は山のようにあったからだ。当然そんな修羅場であるから、VACのパイロット達も簡易メンテくらいはできるくらいの知識を持つということで、一人残らず動員されることとなっていた。当然、ドラゴン・ハンターとしてちょっとした有名人となっていたオットー達も動員されていた。

「ったく、楽じゃないね、ここでの仕事は」

 作業服に作業用の手袋、ヘルメット、安全靴という格好で闊歩するオットーはやや不機嫌だ。
 彼は両手に工具類を入れたケースを持ち、輸送ヘリの方へと向かっていた。

「そういわないの、オットー。復興作業とかを除けば仕事もなくて暇だったんだし、丁度いいじゃない」

 それについていくレイ・Rは愚痴るオットーをたしなめる。

「それとも何?ヴォルクルスと戦いに行きたいの?」

「冗談でもやめてくれや。俺にとっては鉛弾やレーザーが効かない相手なんてのは商売の対象外なんだ…」

 そういうのは専門家に投げるのが一番なんだ、とオットーは続ける。

「復興作業の手伝いもやっていたけど、あそこまで感謝されるとこそばゆいしな。
 別に俺達がやらなくても新人たちの訓練がてらやった方がためになるだろう?」

「それはそうですが、ACやMTに乗らないならば、私たちはこうして働くのが一番効率的です」

 サーティーンはむしろ生き生きとしているように見える。元が技術者だけあって、現場での作業が楽しいのだろうか。
アシストスーツを着込んでいる彼女は、整備用の大型工具とバッテリーパックを手にしており、重い機材を抱えながらもきびきびと歩く。

「しかし、解せませんね。如何に並行世界でつながっているとはいえ、この土地に別世界の邪神が現れるなど…」

「ああ、そうだな。オカルト系のPMCのネット界隈でも首をひねっていたが…」

 彼等の話題に自然と上がるのは、ヴォルクルスがどうして現れたか、だ。
 彼らの普段生活する世界とは別の、新西暦の世界であらわれたそれが、なぜ別の世界へと出現したのか。
 そもそもの原因が何であるのか、そこに傭兵たちの興味はあった。

「この特地、もう一つ別世界への門があるのは周知の事実だと思うが、あの世界への門を開けたことで、次元の壁が薄くなって、それによってヴォルクルスがここに現れた可能性もあるらしいぞ」

「そんなことだけでか?」

「まあ、聞けよ。あのゲートのある土地、アルヌスだったか?
 あそこは現地の人の間じゃ聖地と呼ばれているらしくてな、話をさらに聞いてみると、あそこが聖地と呼ばれるのは、あそこからこの世界の住人の祖先が降り立ったからだそうだ」

「降り立った…というよりも、そこから現れた?」

 我が意を得たり、とラファエルは大きく頷いた。

「そういうこと。この世界にくる方法といえば、時空間を飛び越えるゲートしかない。
 だから案外この世界は次元の壁が薄いんじゃないかって、そんな噂を聞いた」

「となると、そのゲートを開けた奴が原因ともいえるのか?」

「さぁ?あくまで噂話だけどな。ともかく、そういう世界かもしれないって思った方がいいかもしれんな」

「なるほどな」

 そんなことを話し合いながらも、傭兵たちはエクソダスに備え、準備を進めていた。
 恐るべき邪神から逃れ、平穏な、安息土地を求める旅路。それはすぐそこまで迫っていた。

240: 弥次郎 :2018/11/27(火) 18:32:42 HOST:p2729046-ipngn201308tokaisakaetozai.aichi.ocn.ne.jp

以上、wiki転載はご自由に。
首都から安全な土地へのエクソダスって相当だと思います。
なので、傭兵たちも動員されるだろうなぁと妄想を広げ、書き上げました。
設定とか逃げるに人数とかは結構ガバなので、後から修正をお願いするかもです。

250: 弥次郎 :2018/11/27(火) 19:40:40 HOST:p2729046-ipngn201308tokaisakaetozai.aichi.ocn.ne.jp
誤字修正
237
×自国民を非難

〇自国民を避難

239
×復興作業鵜の手伝いも

〇復興作業の手伝いも

タグ:

憂鬱SRW GATE編
+ タグ編集
  • タグ:
  • 憂鬱SRW
  • GATE編
最終更新:2023年10月10日 23:05