238: 影響を受ける人 :2018/08/18(土) 23:17:34
九曜ストパン 宮藤芳佳&サーニャ・リトヴャク&服部静夏 誕生日SS

注意
※即席SSなので、出来が悪いです。
※TSネタが有ります。
※百合成分が有ります。
※良く知らんのに書いています。
※時系列は完全に無視しています。
※アグレッシブルートではありません。
※ナハト様の1期終了後の術士学校 芳佳VS静夏↓
(ttps://www18.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/4869.html)

それでもよろしければ、御読み下さい。

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服部静夏と宮藤芳佳が戦い、気持ちを通じ合わせて仲良くなって数日後。
まだ芳佳は導術士学校にいた。あの機動戦を習いたくて、多くの学生が引きとめているからなのだが。そんな時だった。

「芳佳ちゃん!」
「あ、サーニャちゃん!」

親友の一人であり、同室だったサーニャ・リトヴャクがオラーシャの制服を着たまま駆けて来たのは。
それを、両腕を広げて向か入れる芳佳。
ぶつかり合った二人は、くるくる回りながらも楽しそう笑いあう。
そしてひとしきり感激を表した後立ち止まり、笑顔のまま再会を喜んだ。

「会いたかった。芳佳!」
「もう。すこし会わなかっただけなのに。」
「それでも、寂しかったの・・・」

ちょっとだけ目を伏せて寂しさを見せた親友は、そのまま顔を擦りつける様に芳佳の胸に甘える。
さながら猫の様に。
対して使い魔の黒猫の様に甘え始めた親友に苦笑するのみ。
傍目から見れば、彼氏に甘える彼女にも見えなくはないだろう。
再会を喜びつつ、存分に触れ合うその現場に無粋な人物が空気を読まずに現れた。

「宮藤さん。ここにおられました・・・か?」
「「あ。」」

服部静夏が現れた事により、ちょっと気まずい空気が流れる。
静夏は見た目からもわかるくらいの親密さと、サーニャより醸し出される百合臭を感じとり。
空気を呼んで笑顔で後ずさった。

「申し訳ありません。御取込み中でしたね。でわ!」
「ま、まてぇぇぇぇ!!」

239: 影響を受ける人 :2018/08/18(土) 23:18:19

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強引に引き留め、何とか誤解を解いた芳佳は、疲れ切った表情で食堂のテーブルに突っ伏す。
それを心配するサーニャは、優しく背中を擦ってあげる。
食堂のオバちゃんにオヤツを注文して戻ってきた静夏は、心配そうに声をかけた。

「大丈夫ですか?」
「大丈夫・・・ なんか、何時もの講義より疲れた感じがする。」
「芳佳ちゃん・・・」

かわいた声で嗤う主人公に、二人共ちょっと心配。
その空気を察したのか、よっこらしょっと座り直して思いっきり背伸びをした。

「芳佳ちゃん。涎。」

口端から垂れるそれに気が付いたサーニャは、素早く拭き取る。
それに礼を言う芳佳。

「御二人は仲がよろしいのですね。」
「うん。法術士学校では同室だったからね。」
「馴染めなかった私を引っ張って、いろんなことから庇ってくれたの。」
「そうなのですか。」

二人はどう知り合ったか話。法術士学校での楽しい出来事を話した。
話は501部隊の事になり、辛かった事や逃げ出したい現実なども話す。
静夏は501部隊については聞いていたモノの、サーニャが補正を加えるのでより臨場感と現実味が増す。
時折唾を飲み込んだりしつつ、最後まで話を聞き終わった。

「たった一年、されど一年・・・ですね。」
「坂本さんも言っていたけど、戦場に出ると時間の感覚が濃厚になるというか・・・」
「遅く感じるの。」

なるほどっと頷く静夏を、当初は警戒心で見ていたサーニャは今はそれなりに心を許していた。
元々人見知りな所が有り、猫のような警戒心を持つので中々距離が縮まらなかった。
しかし実直で表裏の無い静夏を見て、警戒心は当初に比べて薄くなっている。
ただ・・・

「それで宮藤s「ん。」・・・えっと」
「サーニャちゃん、ちょっと近いよ?」

どうにも親友に対して馴れ馴れしい。それが気に入らない。
久々にあったから、存分に芳佳成分(?)を補給したいのに邪魔だ。
当初とは違う警戒心で敵意を込めて、ジト目で見つめる。

「むぅ~・・・芳佳ちゃん。 どうやって知り合ったの?」
「えっと。服部さんは私の講義を聴きに来てくれた人で・・・

 ちょっと戦った相手かな?」
「詳しく。」

後に芳佳は言う。
グリンと此方を見たサーニャちゃんの眼に光は無かったと。
微笑んでいたのに恐ろしかったと。

240: 影響を受ける人 :2018/08/18(土) 23:19:23

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根掘り葉掘り、事情を詳しく聞いたサーニャはすかさず今後の予定を聞き出す。
そして自分のスケジュールを素早く確認。笑顔で二人に別れを告げると、教員室に直行。
圧力最大の笑顔と共に明日の予定を提案し、その日は芳佳と共に帰宅。
そして翌日。なぜか静夏嬢はサーニャ殿と戦う事となっていた。

「どうしてこうなった。」

とんとん拍子で模擬戦する事となった被害者は、呆然と対峙する対戦相手を遠望する。

「うふふふふ・・・」

被疑者はどことなく暗闇を纏い、東方な人食い妖怪の様に「ワハー」と言いそうな感じでいい笑顔だ。
ああ今日も天気が良い、ストレス発散をするにはちょうどいい。
憐れな獲物は夜間戦闘じゃないからと、自分に言い聞かせるように呟き続ける。
離陸して、御互いにはなれる様に旋回し、一回すれ違ったら戦闘開始する取り決めとなっている。
まだ交差していないので戦闘開始とはなっていない。

こうなったからには全力で戦うしかないと、静夏嬢は腹をくくって擦れ違う軌道をとる。
サーニャもタイミング同じくして、同じ軌道をとった。
御互いの獲物は同じ種類の銃器。サーニャが使う武器は流石に置いていなかった。
しかしサーニャ自身、得意な獲物が使えなくてもどうにかできるように訓練はしているので問題は無い。
そして二人は擦れ違い、

「泥棒猫は潰す。」
「うぇぇええぃぃぃいいいぃぃ??!!」

思わぬ一言に動揺した得物に容赦なく攻撃した。

241: 影響を受ける人 :2018/08/18(土) 23:20:09

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「うわぁ・・・」

一方的に攻撃する親友の容赦のない攻撃に、芳佳は冷や汗を流す。
模擬戦と言ったが、一方的なリンチにも見えてよくない。
片や一年とはいえ戦闘を経験し、片やまだ半人前に手が届いたばかり。
相手になるはずがないのだ。
サーニャは途中から扶桑暮らしだったので、原作に比べれば技量等は向上している。

それは静夏嬢にも言える事であるが・・・やはり、二人の実力には隔たりがある。
一応反撃している(させている)ので、生徒には勇敢に立ち向かう同級生として映っている。
しかし見る者が見れば瞬時にわかる。
教師陣営の中には元軍人もいるので、訝しんだりしている。
わかる者に含まれる芳佳も、親友がどうしてこんなことをするのかわからない。

どうすれば良いのか。如何したら良いのかわからない。
困惑と心配がまぜこぜになって足が動こうとしない。
ただ、青空を駆け巡る二人を見るしかない。
背後に立った人物が声を出すまで、ずっと見上げ続けていた。

「久々に来てみれば・・・なにやっているのかしら。」
「え? ・・・おばあちゃん!」

後ろに立っていたのは九曜葛葉こと、TS転生した嶋田繁太郎だった。
詳しい事は別に記載しているので省くとして、縁が遠すぎる親戚の登場に驚く。
同時に芳佳のみ見える様に展開した、光学迷彩シールドの器用さに脱帽する。

「どうしてここに?」
「学園長に用事があってね。それで、どうしてサーニャが弱い者虐めをしているの?」
「そ、それがわからないんです。」
「あの子があそこまで感情的に攻撃するなんて、よほどの事が無いと異形と思うけど?」

そこまで言われて、ようやく一つの事を思い出した。
それを伝えると、九曜は大きく溜息を吐く。

(百合気が有るとは思っていたけど、離れていたせいで拗らせたか。)
「おばあちゃん。どうすればいいかな?」
「ふむ。」

人生三人分。総合年齢はとうに500歳を超えている。
その経験を生かし、いかにして孫のように可愛い子孫を安心させればいいか考えた。
そっと耳打ちをすると、芳佳はそれでいいのかと訝しむ。

「大丈夫。それできっと上手いくから。」
「そうかなぁ・・・」

どうにも納得できない芳佳であったが、すぐに通信機が置いてある場所に向かう。
教師に断りを入れて通信機を借り受け、ダイヤルとサーニャが使うチャンネルに合わせた。
一回だけ深呼吸をして、セリフを心の中で反芻する。

「サーニャちゃん。」
『何、芳佳ちゃん?』
「今のサーニャちゃんは、なんか嫌い。」
『・・・っ!?』

242: 影響を受ける人 :2018/08/18(土) 23:21:02

上空の親友の挙動が乱れた。
同時に九死に一生を得た静夏が間合いを取る。

『よ、芳佳ちゃん・・・?』

通信機からは震えた声が流れてきた。しかし此処は心を鬼にして言うべき。

「サーニャちゃんが発表会で歌を歌う時ってどうしてる?」
『え?』
「今みたいな感じで歌っているの?
 違うよね。私はサーニャちゃんが一生懸命歌う姿が好きだよ。
 皆の為に歌う声が好きだよ。
 他の人の歌を真剣に効くあなたが好きだよ。
 だからサーニャちゃん・・・
 今みたいな姿は見たくない。」

目に見えて攻勢が緩んだことに周りがざわめき始める。
通信の内容を知らぬ生徒達には何が起きているのかわからない。
すかさず反撃に出た静夏に苦戦し始めた様子にさらに困惑が広がった。

『・・・ごめんなさい。』

小さく頼りない謝罪に、はじめてあった頃を思い出す。
あの頃は新生活に戸惑い、飛び級で入ってきた事をいびられていた。
それを庇ったのが最初。同室であったから気にかけていたからこそ、酷い苛めに発展する前に止められた。

「うん。もう大丈夫?」
『ちょっと、調子が悪いかな。』
「そっか・・・ ごめんね。酷い事言って。」
『ううん。頭、冷えた。』
「わかった。がんばってね!」
『うん!』

後方からそれを見ていた九曜であったが、もう大丈夫だろうと判断し、皇居に戻るべくその場から飛翔を開始する。
視線を一回だけ通信機の傍にいる芳佳に移すと、彼女は小さく手を振っていた。
既に芳佳にも見えない様に光学迷彩シールドを展開しているのだが、おそらく勘で帰る事がわかったのだろう。
主人公の規格外さに呆れと、さすが私の子孫と孫馬鹿を発動させつつ同じように手を振り返して飛び去った。

上空では仕切り直された空戦が再開されている。
結果から言えば静夏は敗北したが、良い笑顔で「良い経験が出来た」とほくほく顔。
芳佳は笑顔でサーニャを出迎え。サーニャはあった時以上に甘えた。
そしてサーニャと静夏は仲直りの握手をして、今日のちょっとした波乱は終了した。
この出来事を聞いた坂本奈緒は、

「青春だn「お仕事追加です」・・・空気呼んでくれよ!?」

嘆いていたとか。



以上です。
ひさびさにかいたなぁ~。

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最終更新:2018年12月22日 13:22