78: トゥ!ヘァ! :2018/12/24(月) 20:16:36 HOST:FL1-122-132-39-135.kng.mesh.ad.jp
OGクロス ゲートifネタ その2
特地の邪神騒動の後の戦間期あたり。
「やはりここはシャドウの採用ですかな」
「M9ガーンズバックという選択肢もあるが、生産インフラごとの移転というコストの安さには敵わんからな」
特地での邪神騒動以降における米軍の次世代AS選定会議より。
サベージを運用したことによりASの運用ノウハウがある程度構築できたゲート世界の米軍では、次世代機となる第三世代ASの選定が行われていた。
フルメタソ連がほぼ言い値で生産インフラごと差し出したシャドウとフルメタ日本を経由してのM9ガーンズバックとでは語るまでもなく前者の採用が決定された。
「
アメリカと日本が軍拡を開始だと!」
「馬鹿な…何故突然このようなことを…」
「米・日国内の同志に連絡を取り、急ぎ情報の収集を!!」
特地邪神紛争※以降の日米の軍拡に対する中国上層部の反応。
両国の軍拡に対して中国国民は条件反射的批判を行った反面、上層部では戦力差を更に引き離されかねないと顔を引きつらせていた。
この後に国民の声と上層部の焦りが合わさり、日米と競い合うかのように中国も大規模な軍拡を表面化させていく。
※邪神紛争:特地におけるヴォルクルス復活における一連の騒動のこと。日米や後に特地入りするロシア以外の国では日米が使用している邪神紛争という呼称のみが伝播している。
「第三世代ASの導入を進めていきますが、ガスタービンで動く第二世代ASの運用コストはやはり魅力であります」
「数も数だしな。やはりここは近代化改修を行いハイ・ローのローとして当分運用し続けていくか」
日米における第二世代ASの事情について。パラジウムリアクターを搭載している第三世代ASは確かに恐るべき性能誇ったが、やはりコストという点では相応にお高いものとなっていた。
また既に大量の第二世代ASを運用していたため、すぐさま全てを第三世代へと変えることは不可能であった。
このため既存の第二世代ASの多くは近代化改修が行われ、第三世代ASの数が揃うまで一線で使われ続けていくこととなる。
ゲート世界の日米が運用していた機体はサベージだったため、その多くはサベージ2ことRk-96bisへと改修された。
第三世代が揃ってきた2014年までには順次州軍へと下げられるか、信用できる中小国への輸出に回されていった。
79: トゥ!ヘァ! :2018/12/24(月) 20:17:10 HOST:FL1-122-132-39-135.kng.mesh.ad.jp
「連中どこからかECSの技術を手に入れた模様です。またECSへ対抗するための各種センサー技術に関しても同様です。可能性としては欧州かオセアニアあたりから漏れたものかと。幸い不可視ECS技術に関しては最重要機密としていたため未だ噂以上の情報は渡っておりません」
「これで連中の電子戦能力は数世代上がるわけか…頭の痛い問題だな」
2012年以降中国へと漏れ出したECS技術について。どこからともかく漏れ出したこれらの電子戦技術は反リアクター陣営の電子戦能力を瞬く間に上の段階へと押し上げていった。
幸い不可視ECS技術の情報は噂以上には広まっておらず、中国が正式に不可視ECSの確認を取れたのは2013年におけるシリアであった。
「この技術は我々の兵器に革命的な躍進をもたらすでしょう」
「わが軍はともかく欧州や中東の国々では人的資源も貴重ですしな」
「連中もたまには役に立つということだな」
ASやVTに用いられていた操縦ソフトウェアとそれにともなう自動化技術を入手した中国高官たちの会話。
特地騒動の際に中国系の情報網は摘発が進み壊滅状態であったが、独仏系の諜報網によるデータ入手と横流しされた輸出品のVTを入手したため、そこらか解析を進め省力化技術を入手した。
以降反リアクター陣営の既存兵器の多くが一人または二人乗りまで省力化が進んでいき、兵器の生産数に対する搭乗員の育成が間に合わない問題が解決された。
なおこの技術に最も救われたのは人的資源の少ない欧州勢であったことは間違いない。
「我々は彼らのことを見捨てない!故に彼等への支援の一環としてここにPMCアヴェンジャーの設立を宣言する!」
「彼等の自分の手で故郷を取り戻すための活動を手伝いたいのだ」
「白々しい。単純に難民が邪魔だと言えばいいだろうに」
アラブの春発生による混乱により欧州へと避難してきた難民への対応の発表とそれを見た一部高官のセリフ。
アフリカや中東からの難民はただそれだけでは金食い虫であり、ようやく息を吹き返してきた欧州経済へと悪影響を及ぼすことを中国政府は重く見ていた。
そこで中国資本を中心とした大規模PMCを設立。衣食住を条件に難民を半ば強制的に入隊させ、軍事訓練を行わせた。
訓練が終わったグループから順次各地の紛争地帯へと送り出され、祖国奪還を大義名分に傭兵として紛争に参加させられる。
国内に訓練所を置いては訓練された難民が暴れるなど治安問題となるため、紛争当事国の国境付近へと訓練キャンプを設立。国境警備隊に捕まった人々はそこへと送られることとなった。
衣食住は揃っているが、それと引き換え軍事訓練を受けることが義務付けられている。
女子供などはキャンプでの最低限文化的な生活を保障される代わり男手の殆どは兵士として訓練され、代理戦争の場へと送られていくのである。
無論即席の訓練を受けた元民間人が大きな活躍をするわけではなく、逆に半端な訓練を受けさせたため現地住民への暴力沙汰が度々起きるが、紛争地帯の出来事故に中国や欧州諸国はあってないようなものとして無視しているのが現実であった。
80: トゥ!ヘァ! :2018/12/24(月) 20:17:41 HOST:FL1-122-132-39-135.kng.mesh.ad.jp
「自らの手で祖国を取り戻そうとは天晴な心掛けではありませんか。是非とも彼らのことを応援いたしましょう。お金ならいくらでも出しますとも」
「連中がこっちに来なくて清々したね。大量の難民がやってきて俺らの仕事を奪っていかれちゃ困るってもんだ。あと治安も悪くなっただろうからな」
難民支援目的としてPMCが設立されたことによる欧州民衆の反応。
欧州における世論の多くも史実と違い、自国の軍拡の空気に当てられ、難民のPMC送りは半ば慈善行為として歓迎されていた。
だが上の人間は日米露が支援する邪悪な独裁政権に立ち向かう聖戦士を鍛え上げるという大義名分に酔い、下の人間はようやく良くなってきた景気を難民に荒らされずに済むと安堵の息をついているなど温度差がある。
少なくとも史実のように無条件で難民を受け入れようという空気はこの世界では存在していないようだ。
「戦争から逃げて来たってのに何で自分から戦場に行かなくちゃならないだ!」
「しっ!静かにしてろ。憲兵の連中に聞かれちゃどうなるかわからないぞ。それに家族がここで暮らすためだ…仕方ないだろ…」
訓練キャンプにおいて軍事訓練を受けている難民男性二名の会話。
キャンプは全周囲を完全武装した兵隊と監視塔、装甲車が見張っており、逃げ場はない状況であり、装備の差から反乱を起こしてもすぐさま鎮圧されるのが落ちであった。
家族が過ごす住居区画はプレハブ建設の家と必要最低限の電気とガス、上下水道が通っており、難民キャンプよりはマシな環境で暮らせていた。
また訓練所とは別に住居区画にも監視塔と武装した人員が配備されており、訓練を受けている男性たちは半ば家族を人質に取られている状況であった。
しかし逆に大人しくしておけば最低限の文化的生活と食と安全は保障されていたため、半ば諦めて現状を受け入れている人々も多い。
中には反乱を起こしキャンプを乗っ取ろうとしたグループもいたが、その多くは武力で鎮圧されるか、よしんば反乱が成功したキャンプも即日徹底的な爆撃が行われ地図上から消滅した。
このことについて中国や欧州諸国はテロリストにより占拠された施設の破壊を名目に爆撃を行っている。
「中国様々だな。あとヨーロッパの金持ち様達にも万歳」
「ああ。連中のおかげで俺達は錦の旗を持って堂々と略奪ができるわけだしな」
近年乱立する新興PMCに所属する傭兵たちの会話。
史実ではISISなどに流れた人員の多くは反リアクター陣営の国々が設立した数々のPMCに所属しており、紛争地帯でその猛威を振るっていた。
嫌々戦場へと出戻りしている人々がいる中でこういった好き勝手暴れるために戦場に赴く人間も少なくはなかった。
81: トゥ!ヘァ! :2018/12/24(月) 20:18:19 HOST:FL1-122-132-39-135.kng.mesh.ad.jp
「特地に関われなかったと思えば突然の大軍拡…何が何だかよくわからない…」
「いいじゃないっすか。予算も人も船も増えるんですし。ここ一月くらい家に帰れてないですけど…」
特地の騒動に殆ど関われなかったと思えば突然予算が増額され、空母含む多数の船が増産されている海上自衛隊関係者の会話。
予算も人も船も増える予定であるが、それはまだ先のことであり現状では一人当たりの仕事量は増えることはあっても減ることがないのであった。
これが全面的に解決されるのは人が増える数年後のこととなる。
「俺はやっぱ防衛大学かな。親父たちが今開発中のロボット兵器関係者だし」
「透矢(トウヤ)自衛隊に行くのかよ。じゃあ俺も自衛隊目指そうかなぁ」
「入ろうとしている俺が言うのもなんだが大丈夫なのか有(ユウ)…」
「へーきへーき。どうにかなるって!社(ヤシロ)お前はどうすんの?」
「俺は…航空大学校に行こうと思う」
「あー…それって親父さんへの反発で?」
「正直言うとそれもあるけど、純粋に空を飛んでみたいってのもあるな」
都内のとある高校にて。若者たちの会話。
会話主は防衛大学に入ろうとしている蓮見透矢、高村有の二人と航空大学校に進もうとしている萩野社の三人である。
「元教え子の堺君に誘われてね。日本に来ないかって言われたんだ。私はそれに答えようと思う」
「急な話ですね…正直見ず知らずの土地で不安です。マリアあなたはどう思う?」
「私は良いと思うよお母さん!日本ってあの日本でしょ!楽しそう!!」
ドイツにおけるとある家族の会話。
今の祖国に不穏な空気を感じて海外へと引っ越す人々も少なからず存在していた。
同じように日本やアメリカから中国や欧州へ引っ越す人物もいる。
上記の家族はこの後何事もなく日本へと引っ越してきた。
82: トゥ!ヘァ! :2018/12/24(月) 20:19:19 HOST:FL1-122-132-39-135.kng.mesh.ad.jp
投下終了
自分で書いておいてなんですが実際のところこの方法での難民の隔離ってどうなんでしょうね。
あとISISってこの世界だとどうなるのか。
最終更新:2018年12月27日 19:41