513: yukikaze :2019/08/06(火) 23:17:33 HOST:50.228.242.49.ap.seikyou.ne.jp
何とかできたわ山城型。面白味のない強化ではあるんだけど、まあ本番は長門型よ(震え)

山城型戦艦

排水量 常備:32,000トン
全長 218.0m
水線長 206.0m
最大幅 28.5m
吃水 8.92m
主缶 ロ号艦本式重油専焼缶 16基
主機 技本式オール・ギヤード・タービン 4基4軸
出力 92,000hp
最大速力 27.5ノット
航続距離 16ノット/5,500海里
乗員 1,400名
燃料  重油:4,500t
兵装 45口径38cm砲3連装3基
    50口径15.2cm単装砲14基(片舷7基づつ)
    40口径7.6cm単装高角砲4基(片舷2基づつ)
装甲 舷側 274mm(ヴァイタルパート部。15度傾斜)
    甲板 95mm
    主砲防盾 305mm(前盾)、152mm(側盾)115mm(天蓋)

同型艦 『山城』『伊勢』『日向』『尾張』『近江』『出雲』

(解説)

1910年度に成立した『新六六艦隊計画案』において建造された巡洋戦艦。
ただし、実際には『高速戦艦』であり、同戦艦の存在により、英米海軍が建造していた既存の戦艦群を一気に旧式化させることになり、両国の戦艦建造計画を大いに混乱させることになる。

1904年の日露戦争において圧倒的な勝利を収めた日本海軍であったが、それ以降の戦力整備については、控えめに言って低調であった。
その最大の理由は、扶桑型戦艦を筆頭に、艦齢が若い艦が揃っており、しかも艦の性能自体も満足いくレベルであったからなのだが、瑞穂半島(旧朝鮮半島)と台湾の開拓に多額の資金を費やさざるを得ず、軍備増強にまで廻る予算がなかったという見も蓋もない事情があった。

もっとも、この時代は、日本が原因となっている部分はあるのだが、戦艦の個艦性能が年ごとに向上するという、海軍軍人と財務関係者にとっての悪夢の時代であり、夢幻会に属する海軍関係者にとっては、どこぞのカイザーが嬉々としてやらかしている建艦競争なんぞ、一歩間違えれば税金をどぶに捨てるような愚行であった。
実際『リバタビア』級戦艦を発表した時、ようやっとJ級戦艦を一定数揃えることができたとほっとしていた英米海軍関係者は、一様に『うちの戦艦を無価値にするような船を作ってんじゃねえよ。しかも輸出用戦艦で』と、大荒れに荒れる羽目になった事を考えれば、彼らが列強の狂奔に付き合わなかったのもある意味当然であった。

ただし、日本海軍にとっては、補助艦を除いては、艦艇建造については極めて低調であった反面、工廠関係や技術部門への投資については、積極的に行っていた。
列強に対する技術的アドバンテージこそ、日本にとっての安全保障の根幹である訳で、そうでなければ、1907年の段階で、34センチ砲を生み出すなどということはできなかったであろう。彼らにとって、数年間の建艦休日は、次のステップに進むための準備期間に他ならなかったのである。
そしてその準備が完了したが故に、『新六六艦隊計画案』を、日本海軍は打ち出したのである。

514: yukikaze :2019/08/06(火) 23:18:12 HOST:50.228.242.49.ap.seikyou.ne.jp
主砲についてであるが、日本海軍は、英米海軍の現有艦砲を上回る艦砲の搭載を至上命題としており、実績のある45口径34センチ砲ではなく、新開発の45口径38センチ砲を選択している。
この38センチ砲については、900kgの重量のある砲弾を、最大仰角30度で射距離28,000mまで距離15,000mで370mm、距離24,000mで260mm貫通できる代物であった。
一部の技術士官からは、38センチ砲ではなく、40センチ砲搭載の方が後々よくはないかという意見も出されたものの、未だ計画段階である40センチ砲を搭載するのは聊か博打であり、また、英米海軍が13.5インチ~14インチ砲戦艦の建造に着手したことで、扶桑型の神通力がなくなったこと(実際、アメリカ海軍は12インチ砲戦艦の集大成というべきワイオミング級を1912年秋には就役させており、扶桑型よりも質的に優勢を得ていた。)を考えれば、1914年度までには新型戦艦を配備したいというのが本音であった。

砲塔については、日本海軍では初めて3連装砲を採用している。
山城型が成功した理由の一つは、ひとえに同砲塔の設計が順調に進んだからではあるが、当初望んでいた砲弾と装薬を別々に揚弾薬機で上げることはこの時にはできず、長門型まで待つ必要があった。
なお、建造時の山城型には、砲の駐退機構と揚弾機への動力供給能力不足により「斉発(多連装砲塔が、搭載砲を同時に発砲すること。全砲を一斉に発射する場合も斉発と呼ぶ)」を多用すると射撃速度が低下するという問題があった。
その為、搭載砲の半数ずつを交互に発砲する「斉射(交互一斉打ち方)」が大改装時まで常用されていたのだが、砲塔及び砲門数が奇数であったことから、連装砲塔と比べて射撃管理が面倒であり(連装砲塔だと、各砲塔1門づつの砲撃で良いが、山城型の場合だと、1番砲塔と3番砲塔が2門撃つ際は、2番砲塔は1門のみの射撃であり、2番砲塔が2門撃つ際は、1番砲塔と3番砲塔は逆であった)、砲術からは「次期戦艦は連装砲塔にしてくれ」という苦情が寄せられることになる。(そしてそれは長門型で最高潮になる。)

もっとも、艦政本部としては、連装砲塔にした場合、8門では英米海軍とそう変わりがなく、10門以上で連装砲塔だと、防御範囲の拡大が必至であることから、砲術の苦情については『運用で何とかしてくれ』というのが本音であり、山城型以降も多連装砲塔の採用に決定している。
この問題は、弾庫及び装薬庫の移送機能強化、揚弾能力の向上等によって、斉発が問題なく出来るようになるまで続くことになるのだが、上記改良以降は、不満も概ね下火になることになる。

副砲については、当初砲塔型にする予定であったが、その場合、艦幅が30mを超えるのが確実になってしまい、速度および排水量の問題が生じてしまうことから、山城型においては従来通り、ケースメイト式副砲となっている。
なお、砲塔型を採用した長門型と違って、ケースメイト式であったがために、大改装でも撤去が比較的簡単であり、長門型よりも防空能力の強化がしやすくなっている。

防御については、史実加賀型に準拠した装甲配置となっている。
史実からの転生者等は、リシュリューのような装甲配置を望んでいたのだが、排水量や装甲板製造の問題から、史実加賀型に近い装甲配置となっている。
舷側装甲については史実VH装甲を採用すると共に、装甲板の取り付けを15度傾斜させることで、実質的に342mm程度の厚さの装甲板と同じ防御力を持つことになる。
この取り付けについては、初めてのケースであったことから、一番艦を建造した呉工廠では並々ならぬ苦心があったことが記録として残っているが、この時の経験が長門型に活かされることになる。
もっとも、垂直に装着した装甲と比べると、装甲の高さが足りないのは事実であり、防御範囲は、英米の戦艦と比べると幾分狭いという欠点、また16インチ砲や砲弾の改良などから、時代が進むと垂直防御も不足が見られたことで、大改装時に76mmあった逆傾斜装甲部分については、弾薬庫部分を中心に強化がなされている。
水平装甲については、従来の戦艦群よりも厚い95㎜(NVNC鋼76mm+バックプレート19mm)であったが、この時代はともかく、後の時代では不足しており、こちらも大改装時に強化されることになる。

515: yukikaze :2019/08/06(火) 23:19:07 HOST:50.228.242.49.ap.seikyou.ne.jp
水雷防御については、後述するように重油専燃艦となったことから、2層の液層防御と、その後ろに細分化した水密区画を有している。
ただし、こちらも時代が進むと物足りなくなっており、最終的には、インターナル・バルジ及びインターナル・アーマー化させるときに、水中防御区画の幅の拡大を行っている。

機関については、技本式オール・ギヤード・タービンを採用することによって、従来の直結タービンよりも推進効率を向上させることに成功している。
また、日本海軍として初の重油専燃となっており、92,000馬力を発揮することが可能になっただけでなく、戦闘時での石炭の輸送がなくなったことから、速度維持が極めてやりやすくなっている。速度については、最大で27.5ノット、実用上でも27ノットは確実に出しており、完成当時は世界最強の巡洋戦艦であった。
事実、イギリス海軍は、ライオン級巡洋戦艦が完全に劣勢となってしまい、主力戦艦であるオライオン級以降の戦艦すら相手にならないことが明らかであったことから、アイアン・デューク級戦艦のうち2隻の建造を取りやめ、15インチ砲を搭載した戦艦と巡洋戦艦の建造に切り替えることになり、アメリカに至っては、建造を始めたネバダ級はともかく、本命のペンシルバニア級戦艦については大幅に見直しを図らざるをえなくなり、巡洋戦艦に至っては、計画すら纏まらない状況であった。

当初、36センチ砲で27,000t級巡洋戦艦とリークされていたのが、蓋を開けてみれば38センチ砲搭載で且つ3万トンオーバーの高速戦艦であったのだから、英米を始めとする各国諜報部員の評価は地の底に落ちるのは当然であり、結果的に、長門型戦艦の正確な情報を得たにも拘らずブラフであるとして受け入れられなかったという事態を招くことになる。

また、山城型戦艦は、1911年度に4隻、1912年度に2隻と一気に建造を進めることになったのだが、これにより1916年までに6隻もの新型主力艦が加入することになり、アメリカ海軍は完全に劣勢に立つことになる。(イギリスは数的にはまだ対抗できたが、ドイツとの関係を考えれば、とてもではないが日本に喧嘩を売る余裕はなかった。)

艦名については、皇室に由来のある旧国名を選んでいる。
なお、4番艦の尾張については、熱田神宮がある以上、三種の神器の絡みから入れるのは当然であったのだが、如何せん『尾張=終わり』と連想されやすかったか、海軍部内ではあまり評判が良くなく、当時の尾張徳川家の当主が、海軍に苦言を吐く事態になっている。

本型は、長門型と並んで日本海軍の主戦力を担うことになるが、戦間期以降の改装や第二次大戦時の活躍については、別の機会に筆を取ろうと思う。

518: yukikaze :2019/08/06(火) 23:46:10 HOST:50.228.242.49.ap.seikyou.ne.jp
投下終了。
36センチではなく38センチに主砲強化。ついでに機関馬力を長門型から加賀型クラスにまで恒常的に出せるようにして名実ともに『敵主力戦艦とも普通に殴りあえる高速戦艦』にしています。

攻撃力ですが、38センチ10門にするかで悩みましたが、史実天城型形式にしてしまうと、防御面と排水量の面が厳しいのと英米がQE級やニューメキシコ級レベルの戦艦に完全に見切りをつけて、16インチに早期に行きそうなので、これらの艦でも対応可能なレベルに『敢えて』落としています。
いやまあ英米にしてみたら『15インチとか50口径14インチとか試作段階か漸く生産段階レベルでしかないのに、あっさり量産とかしてんじゃねえよ」という気分かなと。

防御については、まあこの時期だと加賀型の装甲配置がベターなのかなと。
ネルソンはあれはあれでかなり考えられた装甲なんだけど、無理やり排水量内に纏めようとしてやっぱり無理が出ているしリシュリューの装甲配置は、戦闘能力維持と船体の安全の双方を高い次元で満足させられるんだけど、あれをいきなりやれるかというとちょっと厳しい。(いや・・・最終的にはあれに近い形にするんだけどね。)
まあガチの殴り合い以外考えていない長門型の装甲配置は、速度をやや抑える分、強化はするんですけどね。(つまり加賀型の更なる進化)

機関については無謀かとも思いましたが、大体10年程度技術的に強化されていますんで、加賀型クラスまでは行けるだろうと。攻龍氏の長門との差別化の為に、ツインエンジンではなく、加賀型の機関を軸に対応する予定。

一方で妥協したのが副砲と垂直防御。
垂直防御については292mmにする予定だったけど、排水量考えて加賀型と同じに据え置き。
副砲に至ってはケースメイト式と退化。まあ撤去しやすいのは事実なんだけど。

なおこいつの一番凶悪なのは、1916年には6隻就役済みという事実。
当時各国が持っていた巡洋戦艦完全に過去のものにしています。
そりゃあイギリスが、R級なんぞ作らずに、予算の問題には目を瞑ってアドミラル級4隻建造に動くし、アメリカも巡洋戦艦設計に迷走するわなと。

なお、船台については、1914年末には6つの造船所すべてが『空いて』います。
大事なことなのでもう一度言いますね。
1915年以降には、『予算さえあれば』新型戦艦建造できます。
そしてこの時期の日本は、第一次大戦で中立国として荒稼ぎしている真っ最中です。

後は・・・分かりますよね(ニヤリ)

585: yukikaze :2019/08/12(月) 01:16:27 HOST:13.228.242.49.ap.seikyou.ne.jp
長門型は本気でハードル高かったですよ・・・
航続距離に関しては、山城型もですが、燃料多めに見積もったかなと。
正直、山城型は4,000t、長門型も同様レベルで足りるような気が。
長門型の速力については、島風クラスのボイラー使えるんで、なんとか13万馬力にまでは持っていきたいなあと。
ただまあ馬力向上しても、艦尾延長が10m程度でしょうから、28ノット出すのにどういう裏技使うべきなのか・・・

金剛型についてはその高速性能と砲撃力は巡洋戦艦として優秀でも、戦艦として撃ち合うにはどうしても砲火力が足りない所がありますので、強化verの山城型に吸われる事に。まあ豊臣夢幻会の扶桑型のシルエットは史実金剛型のそれですんで勘弁してください。

586: yukikaze :2019/08/12(月) 01:29:25 HOST:13.228.242.49.ap.seikyou.ne.jp
上記の理由により常備排水量変更

山城型→常備排水量32,000t。重油搭載量4,000t
長門型→常備排水量41,500t。重油搭載量4,500t

これでも幾分過大なような気もしますが、燃焼効率とかも考えればマージンとっておきます。

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最終更新:2019年08月13日 11:35