177: 名無しさん :2019/05/07(火) 17:55:51 HOST:softbank126077075064.bbtec.net
日蘭世界妄想 ジョルジュ=ビドーの憂鬱 2
1979年 テキサス共和国 首都ヒューストン
テキサス空軍に護衛された、一機の飛行機が着陸して行く。その機体はフランス連邦共和国大統領専用機だった。
「今の護衛機の飛行は見事だったな。」
「はい、テキサス空軍のジョージ・W・ブッシュ少佐ですね。内戦時のエースパイロットだとか」
「あれだけの人物がいるならば、我がFFRの同盟国として申し分ないな。」
「はい、閣下。」
それから、二人は出迎えに来ていたテキサス大統領とともに車に乗りこみ、その後テキサス共和国の財界、政界との会談を行った。
「我がテキサスの資本をもっとFFR領アフリカに対して投下させてはもらえないでしょうか」
「テキサス領を横断する高速鉄道の技術支援を…」
「アエロスパシアル製ヘリのブラントリーインターナショナルでのライセンス生産許可について感謝を…」
要求ばかりうるさい財界との会談を終えると、次は政界だった。翌日には共同開発が決定した戦車および戦闘機の生産予定工場の視察が待っていた。
「やっと終わったな。」FFR大統領ジョルジュ=ビドーは1人ホテルの部屋で疲れた体を休めていた。
「お休み中失礼します。やはり、明日の視察なのですがキャンセルなされては?お体にも障りますし…」ノックをすませてから秘書官が入ってくるとそういった。
「いや、このままの予定でいいよ。」
「そうですか閣下。くれぐれもご無理はなさらずに…それにしても昼間のテキサスの連中は無礼でしたな、誰のおかげで独立できたかまるで分かっていない。もう少し従順さというものを覚えても…」
「秘書官、君はまだまだわかっていないな。」
はあ、と気の抜けた返事を返した秘書官に対してビドーは続ける。
「少しぐらい反骨心があったほうが、たおやかで従順なだけのだけのものより同盟者としては良いのだよ。シラク君」
秘書官、ジャック=シラクは不承不承といった様子でうなづいた。
1947年7月24日 フランス パリ 正午
「…繰り返しお伝えしております。昨夜エストシナ防衛戦の英雄であるフィリップ=ペタン元帥が大統領官邸にて…」
「消してくれ、朝からこればかりなんだ。」
「相変わらず容赦がないな。ムーラン」
「同じニュースは一度聞けば良いからな。…それにしても予想よりだいぶ早かったが…まさか、」
「毒殺の線はない。解剖医が言うには過労が原因らしい。だが、不審死には変わりないからな。これをネタにして『将軍』やその取り巻きが騒ぎ出すのは目に見えている。」
「厄介だな。で、俺を呼んだのはその件か?ビドー?言っておくが俺たち国内組は『将軍』たちのような亡命政府組の軍人たちとは…」
「仲が悪い。それは知っているよ。ムーラン。君を呼んだのはもう一つの方だ。これを見てほしい。」
そう言うとビドーは万が一の時用に自動発火装置がつけられた大仰な封筒をムーランに渡した。
「首相閣下あてのラブレターというわけじゃなさそうだな……なるほど、内務省のスパイが入手した情報か、ふむ……なんだと、ビドーこれは本当なのか?!」
「残念ながら事実だ。どうやら『将軍』は大統領より王国宰相の地位が欲しかったらしい。だが、その目的がわかっても手段がわからん。」
「全く、『将軍』がそこまでイギリスが好きだったとは知らなかったよ。てっきり嫌いだと思っていたんだが…で、ビドー、俺は何をすれば良い?」
「ムーラン。君にはモーリス・トレーズの内偵を頼みたい。『将軍』と『王様』が事を起こした時モスクワの長女が大人しくしているとは思えない。」
「ああ、わかった。」
ビドーがムーランに見せた書類にはこう書かれていた。
『シャルル=ド=ゴール、ならびにパリ伯アンリ、英国スパイ容疑者であるキム=フィルビーと接触。なんらかの共謀があるものと推察される。引き続き監視を続ける。』
178: 名無しさん :2019/05/07(火) 17:57:31 HOST:softbank126077075064.bbtec.net
投下終了。
185: 名無しさん :2019/05/07(火) 20:54:35 HOST:softbank126077075064.bbtec.net
しかし、こうしてみると間違いが多い
×ブランドリーインターナショナル ○ブラントリーインターナショナル
×『将軍』のような臨時政府組 ○『将軍』のような亡命政府組
×自動発火装置付きがつけられた ○自動発火装置が付けられた
ミラッジョの件といい疲れているのかも
あと、今更ながらテキサスの首都をヒューストンにしてしまったけどいいんでしょうかね?
224: 名無しさん :2019/05/08(水) 23:53:06 HOST:softbank126077075064.bbtec.net
212
ありがとうこざいます。
というわけで、
日蘭世界妄想 FFRの政治体制 試案
FFRの政治体制は史実の第四共和制やそれを否定して確立された第五共和政と異なり第三共和政をもとにしたものである。
ただし、相違点もあり第三共和政で慣例的に凍結されていた大統領の議会解散権の復活と国家緊急権の規定、かねてよりあった議論に基づいた上院の廃止(かわりにフランス内地の議会となった代議院には地方議員枠が追加された)、建設的不信任制度の導入、そして最大の特徴は新設された一院制の議会である連邦議会の人種別議会制が挙げられる。
連邦議会は大統領の選出や連邦全体に関わる事項への議決を司る、人種別の委員会が構成されており、もっとも多くを占める白人による白人委員会、名誉白人が中心となった名誉白人委員会、主に植民地の特権層が中心となった有色人種委員会から構成されているが、
後者二つには外交、国防、経済といった事項に関しては立法、議決権がなく事実上の白人委員会のカーボンコピーと化している。
また、FFRの同化政策が推し進められている現状を考えると同化政策が完了した後には代議院と統合されてしまうのではないか、との指摘もある。
226: 名無しさん :2019/05/08(水) 23:54:33 HOST:softbank126077075064.bbtec.net
投下終了、まあビドーの憂鬱本編次第で内容は変化するかもしれません。
最終更新:2019年05月10日 10:42