308: 名無しさん :2019/05/04(土) 19:28:48 HOST:om126208204033.22.openmobile.ne.jp
それでは投下します
1942年3月下旬、五藤少将は内地に帰還していた。
「何とか電探を設置してもらわんと……」
橋本は馬来部隊の指揮下に組み込まれており今はインド洋方面に向かっており内地にいるのは五藤と松田くらいである。
五藤は幾度となく内地若しくは艦艇に電探搭載を具申していたが上層部からの返事は芳しくなかった。
(うーむ、やはり陸さんみたいなノモンハンが無いとそう簡単に変わらないか……)
陸軍はノモンハンでチハ(YUKIKAZE様案)が無双した事でチハを大量生産する方向に舵を切っている。
(まぁ倉崎の翁と合流出来たから御の字だな……)
相変わらず倉崎が無双化していたのを五藤は松田に押し付けた事で更に暗黒化が増しているがそれでも倉崎は川西に出向させて紫電改を最初から低翼した紫電11型(史実J改)の方向になっており史実のような末期からの登場は防ぐ事に成功している。
(倉崎は三菱や川西とタッグを組ませたら最強になるし放っておこう……)
倉崎の事は前世で知っているのでそうする五藤であった。
(ドーリトル空襲……史実通りになるなぁ……)
コッソリと溜め息を吐く五藤だった。そして五藤の予想通りに空母ホーネットから発艦したB-25 16機が帝都等を空襲、一部を除いてほぼ史実通りの被害だった。
一部を除いてとの事は空母へ改装工事中だった潜水母艦大鯨(後の『龍鳳』)への爆撃が不発弾だった事もあり龍鳳は史実より一月早くに就役する事になる。
ドーリトル空襲後、日本は再度の空襲を防ぐために戦力の再編を迫られる事になる。また、GF司令部はミッドウェー島を攻略する事で出てくると思われる空母機動部隊の殲滅を目的としたMI作戦を思案する事になってしまう。
それはさておき、ドーリトル空襲後に五藤は六戦隊を率いてMO作戦の攻略部隊に参加していた。
「祥鳳一隻だけに護衛艦艇が五隻だけなのは心細いしそれならいっその事、五航戦に組み込ませてくれ」
五藤は四艦隊司令部でそう主張するが井上中将らは上陸船団への配慮を示すという事で祥鳳は史実通りに上陸船団に付き添う形となる。
「こりゃあ……ヤバイな……」
五藤が危惧した通りに事態は史実通りに動き、祥鳳は米攻撃隊に襲われていた。しかし、この時祥鳳は全ての航空機を発艦させる事に成功していた。それは何故か?
それは六戦隊旗艦『青葉』に艦載用にし直された対空電探二式二号電波探信儀一型ーー21号電探を一基搭載していたのだ。
本来は日向に搭載される予定だったが史実と異なり、細々とではあるが量産しておりそのうちの一基を青葉が搭載する事になったのである。
まぁこれに関しては五藤が関係者等に駆け回り自身が実戦部隊の司令官であるから実戦で使用出来るかのテスト等々の云々でMO作戦前に搭載出来たのだ。
青葉に搭載された21号電探は艦隊から約83キロで敵攻撃隊を探知し青葉からの発光信号で連絡を受けた祥鳳艦長の伊澤大佐は全機を発艦させ、敵攻撃隊が艦隊到達前に13機の戦闘機(零戦と九六式艦戦の混合)は敵攻撃隊に襲いかかり、6機の艦攻は五航戦の方向へ退避したのである。
「撃て撃て!」
五藤は青葉の艦橋で果敢に叫ぶ。六戦隊も対空機銃は増設しておりそれなりの弾幕は展開出来てはいた。
しかし、数に勝る米攻撃隊は無理やり突き進み祥鳳に爆弾、魚雷を投下していき祥鳳は瞬く間に猛火に包まれるのであった。
(ちっ……そうなる運命……か……)
祥鳳が波間に没していくのを見ながら五藤は自身の運命も史実通りになるのでは?と思うのであった。
309: 名無しさん :2019/05/04(土) 19:33:13 HOST:om126208204033.22.openmobile.ne.jp
今回は主に五藤少将へ焦点。
電探についてはまぁ開戦前に提言していたので日向+もう一基くらいは可能かなと思い青葉が搭載しました
最終更新:2019年05月10日 14:58