488: 加賀 :2019/05/12(日) 19:58:03 HOST:softbank126094199111.bbtec.net
「え、一木支隊と川口支隊が壊滅?」
「そうだ。辻の大馬鹿野郎が独断専行を咬ましやがった」

輸送船団を内地に帰国させた橋本は古賀中将らの言葉に目を見開いた。阿部大佐など天を仰いでいる。

「どういう事ですか?」
「そのままの意味だよ」

古賀中将は溜め息を吐きながら事の説明をする。第二次ソロモン海戦の報をラバウルで聞いた大本営の作戦参謀辻中佐(督戦のためラバウルに来ていた)は陸軍の沽券に関わるとして直ちにガダルカナル島へ上陸して米軍殲滅を主張したのである。
第17軍司令官の百武中将は当初は反対したものの辻中佐に押し切られる形となり上陸を容認。護衛を担当する第八艦隊は懸念を示したが辻中佐が「陸軍の決定である」と主張したのでガダルカナルまで護衛した。
なお、ガダルカナルの航空戦力は存分にあったがブイン基地の零戦隊や新設されたサンタイサベル島のレカタ水上基地に所属する二式水戦や瑞雲隊の上空護衛によりほぼ無傷で輸送船団がタサファロング泊地に到着して物資、資材の揚陸に成功する。
米軍も魚雷艇等を繰り出したが下部に20ミリ機銃を搭載した零水偵や瑞雲隊の攻撃で近づく事が出来なかったのも一つの要因であった。
史実より物資、資材等を揚陸していた(それでも重火器類の移送はほぼ困難だった)両支隊は8月31日の夜半に攻撃を開始したが、彼等を待ち構えていたのは徹底的に防衛線を敷いた海兵隊だった。
米軍側も高速輸送艦(旧式駆逐艦改装)を駆使してガダルカナル島に物資を輸送してある程度の物資や弾薬は海兵隊に届けられていたのだ。
飛行場の背後のジャングルから突撃してきた川口・一木支隊の兵士達は次々と機関銃弾と砲弾に吹き飛ばされていき、攻撃開始から二時間で一木支隊は壊滅し連隊長一木大佐は戦死、川口支隊も国生少佐や水野少佐と言った中隊長クラスの中堅将校が戦死して撤退するのであった。

「大本営も辻を切り捨てたよ。折角取り返せる筈の島を僅か数時間でおじゃんにしたからな」

ラバウルにいた辻は攻撃失敗を聞いて直ぐに指揮が悪いだの兵力が少ないだのと反論したが誰も聞く耳を持たなかった。辻は現状把握のため直ぐにガダルカナルへ向かう事となりガダルカナル島へ上陸するもマラリアに感染して治療のかいなく息を引き取るのであった。

「それでガ島は……?」
「二師団の派遣は取り下げられてない。つまり送るつもりだ」

なお、両支隊を撃退した事で米軍は活気づく。米軍は島づたいに航空戦力を派遣しガダルカナル島一帯の制空権はほぼ米軍側となる。
この制空権確保で米軍は物資等を満載した輸送船団をガダルカナルに派遣し海兵隊は勢力を盛り返す事になる。
9月10日、陸軍はソロモン方面を優先する事を決定。史実よりも6日早くにニューギニア戦線は後退を開始するのである。
この頃、橋本の三水戦は六水戦と交代して第八艦隊所属となりラバウルに展開していた。

「それでは三戦隊の金剛と榛名が?」
「あぁ。史実より早いが飛行場への艦砲射撃を行うそうだ」

橋本は六戦隊旗艦『青葉』へ訪れ五藤少将と面会をしていた。

「では……サボ島沖が……?」
「あぁ。加古は大破して内地で修理中で六戦隊は三隻しかいない……まさにその時が来たのかもな」

そう言って笑う五藤だが目は真剣だった。

「縁起でもないのはやめてください。今回は三水戦も参加するのですから」

第八艦隊は二師団の一個歩兵連隊が先に上陸するために水母二隻を主力とする輸送隊を編成し支援部隊として六戦隊と三水戦が展開する予定だったのだ。なお、損耗が激しい三水戦には第24駆が臨時編入されている。

「済まん、少し鬱になっているようだ。今日は早めに休もう」

六戦隊は八艦隊主力としてソロモン方面で戦闘の連続だった。少しずつ五藤の精神を消耗させていたのだ。

「弱気になる必要はありません。六戦隊は元より川内にも試作ではありますが22号改四が搭載されてるじゃないですか」

試作ではあるが22号改四が四隻に搭載されていた。これも古賀中将が裏で手を回してくれたからである。

「そうだな……うん、いっちょやるか!」
「そうです!」

二人は笑いあうのである。9月22日0600、ショートランドに停泊していた輸送隊は抜錨しガダルカナルへ出撃。六戦隊と三水戦も1000に出撃したのである。

 輸送隊
  • 水母二隻(『千歳』 『千代田』)
  • 駆逐艦六隻(『秋月』 第19駆『綾波』第11駆第1小隊『白雪』『叢雲』第9駆『朝雲』『夏雲』)

 支援部隊
  • 六戦隊
 『青葉』(旗艦)『衣笠』『古鷹』
  • 三水戦
 軽巡『川内』
 第11駆第2小隊
 『吹雪』『初雪』
 第20駆
 『朝霧』『白雲』『夕霧』
 第24駆
 『海風』『江風』『涼風』

489: 加賀 :2019/05/12(日) 20:01:39 HOST:softbank126094199111.bbtec.net
  • 辻、やっちまった
  • 史実より早いサボ島?
  • 喇叭!喇叭ですよ!22号!
最終更新:2019年05月20日 21:41