206: yukikaze :2019/09/08(日) 13:02:29 HOST:34.82.0.110.ap.seikyou.ne.jp
よし。まずは小規模改定版から出していこう。
球磨型軽巡洋艦
排水量 7,500トン
全長 185.37 m
全幅 16.9 m
吃水 4.77 m
主缶 ロ号艦本缶大型缶4基
主機 艦本式ギヤード・タービン4基4軸
出力 88,000hp
最大速力 34.0kt(公称。実際には33ノット後半)
航続距離 14kt/7,000浬
燃料 重油:1,800トン
乗員 570名
兵装 50口径15.2cm連装砲4基
40口径7.6cm単装高角砲4基4基
60口径25mm単装機銃4基
61cm水上魚雷発射管四連装2基
装甲 舷側:60mm
甲板:25mm
主砲塔:25mm
搭載機 水上機1機
カタパルト1基
※ 艦名は史実5,500t級14隻と同じ。
日本海軍が建造した軽巡洋艦である。
14隻建造されたことから、『7,500t型軽巡洋艦』とも称されておりミサイル巡洋艦である『筑後型軽巡洋艦』まで、日本海軍軽巡洋艦でも最多の建造数を誇ることになる。
日本海軍が最初に建造した軽巡洋艦である天龍型軽巡洋艦は、3,600tの船体に、15.2cm連装砲3基搭載する重武装艦であり、世界を驚愕させる事になるが、その強武装の代償として、航続力や凌波性能に問題を抱えていた。
その為、日本海軍としては、当初、12隻の建造を計画していたものの4隻の建造で打ち切り、改めて新型軽巡洋艦の設計に取り掛かることになる。
この時日本海軍が重要視したのは以下の内容である。
- いかなる海域においても砲雷撃戦ができる航洋性
- 遠距離に進出できるだけの航続力と居住性能
- 敵巡洋艦と互角に殴りあえるだけの砲撃能力と自衛のための雷撃能力
計画当時の日本海軍の仮想敵国第一位がイギリスであり、日本海軍が最も恐れたシナリオが、イギリス海軍による通商破壊作戦であることを考えれば、当然の内容であった。
日本海軍としては、世界各地に根拠地を持つが故に、好きな場所で通商破壊戦を行えるイギリス海軍に対して、商船部隊を守るための護衛戦力として、軽巡洋艦を整備する必要があり、そのためには、イギリスの軽巡洋艦や仮装巡洋艦を独力で排除でき、装甲巡洋艦クラスであっても、速度と雷撃で始末ができる能力を持たせる必要があったのだ。
後世からみれば「計画当時は第一次大戦まっただ中で、イギリスがわざわざ敵を作るようなことをするか?」というものであったが、日露戦争での一件は日本とイギリスとの関係を悪化させるには十分であり(日本もだが、イギリスはイギリスで、郡による仕手戦を食らい、上流階級の面々にも自殺者や没落者が出るなど、半ば逆恨み的な感情を持つ一派がいた。)、日本では大真面目に
「戦争を終わらせるために日本をダシにするなんてこともやらかす」と、語られたりもしていた。(なお、カイザーは戦争終結の方策として、黄禍論を出すことを検討していた。)
そのため、日本海軍は、上記3要件を確実に達成するために、排水量増大にも目をつむることにしていた。
結果的にそれは、5,500tで纏めようとしていた中型軽巡洋艦計画に止めを刺すことになったのだが、長い目で見れば、日本海軍の判断は正しかったといえる。
207: yukikaze :2019/09/08(日) 13:03:16 HOST:34.82.0.110.ap.seikyou.ne.jp
以下、同艦の特徴について説明する。
外見については、史実パース型軽巡洋艦に酷似している。
船体は乾舷の高い長船首楼型船体とし、艦首側面形状は凌波性能を高めるために2段の強いフレア(反り返り)が付けられていた。
艦首甲板上には15.2cm砲を連装砲塔に収めて背負い式配置で2基配置。2番主砲塔の基部から上部構造物が始まり、その上に箱型の操舵艦橋が立ち、その背後に簡素な単脚式の前部マストが立っている。
砲撃力に関しては、長門型で採用された50口径15.2cm連装砲を採用している。
天龍型では砲塔機構の簡素化の為に、給弾機構や装填機構が人力となっていたが、本型では長門型と同様、全てが機械式とし、1分間に8発持続的に撃てるようになっている。(天龍型は砲塔にある即応弾を使いきれば、1分間に4発程度であった。)
魚雷に関しては新開発の61cm水上魚雷発射管四連装を片舷に1基づつ備えており装甲巡洋艦クラスが相手でも戦えるようにはなっている。
防御力については、史実古鷹型の改装後の配置が採用されている。
最も排水量の問題から、古鷹よりも舷側装甲の傾斜度は浅く且つ厚さも薄い。
特筆すべきは魚雷防御の為にシフト配置を採用したことで、これにより同型は第二次大戦中においても、魚雷を受けても生き延びるなど、生存性を高めている。
一方で、就役した時期が時期であるが故、対空能力は貧弱と言って良く、1930年代後半においては、個艦防御すら困難と評せられることになる。
日本海軍が、防空能力の高い最上型軽巡洋艦を球磨型軽巡洋艦の後継にしたのは、同巡洋艦が、水上艦艇相手ならともかく、航空機が相手ではもはや役に立たないと判断されたからに他ならない。
もっとも、どのような海域においても一定の砲撃力を発揮できる巡洋艦が、14隻建造されたというのは、日本海軍にとっては、優秀なワークホースを保有しているとも言えたわけで、実際、同級は、第二次大戦時でも、船団護衛や上陸支援に使われるなど、日本海軍の縁の下の力持ちとして役立つことになる。
なお、同型は、多数建造されていたがために、改装時に以下のバージョンに分かれているのも特徴である。
1 練習巡洋艦型……『球磨』『多摩』
ロンドン軍縮条約の代艦枠に指定された2隻は、2番及び3番砲塔と機関を外して15.2cm砲4門、20ノットの練習艦に改装されることになる。
2番砲塔跡地には対潜迫撃砲を、3番砲塔跡地には12.7cm連装高角砲を搭載することで、士官候補生への兵装訓練としての役割を担うことになる。
なお、当初は、新造練習巡洋艦ができるまでのつなぎであったのだが、なかなか予算が取れなかったため、1950年頃まで第一線の練習艦として使われることになり、海軍士官から『球磨姉』『多摩姉』と呼ばれることになる。
余談だが、某プラウザゲームでは、改二になると白服金モール付の練習巡洋艦に改装されることになり、保母さん扱いされることになる。
208: yukikaze :2019/09/08(日) 13:03:49 HOST:34.82.0.110.ap.seikyou.ne.jp
2 重雷装艦型……『北上』『大井』『木曽』
妙高型が配備されたことに伴い、追撃戦力の雷撃能力の向上を図るうえで策定されたもの。
具体的には、航空装備及び3番砲塔及び4番砲塔を廃止したうえで、61cm水上魚雷発射管五連装を片舷3基15門搭載するというものであった。
改装後の運用はそう悪くなかったものの、対空能力が低い事と、魚雷戦を行う機会が殆どない事から、後述する火力支援艦に再改装されることになる。
3 火力支援艦型……『北上』『大井』『木曽』
第二次大戦参戦以降、水上艦艇の役割が対地支援となっていたことに鑑み重雷装艦の魚雷発射管をすべて撤去し、後部甲板にMk.105 連装ロケット発射機相当の発射器を8基搭載している。
毎分30発のロケット弾を発射することができたことから、陸軍将兵から喝采を浴びることになるのだが、コスト面を考えると中型揚陸艦の改装の方が安価であり上記3隻だけにとどまっている。
4 対潜強化型……『五十鈴』『由良』『鬼怒』
『球磨』『多摩』の使用実績及び、共産ドイツ海軍が水中高速潜水艦を配備する可能性を考え、305mm4連装対潜ロケット砲を2番砲塔跡地に備えたもの。
使用実績は上々であったものの、ドイツ海軍潜水艦部隊が、1944年以降は低調であったこともあって、改装は3艦だけとなる。
5 対空強化型……『長良』『名取』『阿武隈』『川内』『神通』『那珂』
船団護衛用としてUボート及び共産空軍の襲撃に対応する為に改装されたもの。
大型艦が出てくる可能性が低いことを鑑み、装備していた主砲と高角砲、魚雷を撤去し、その跡地に、40口径12.7㎝連装高角砲4基を搭載。他にも70口径40mm4連装機銃を6基積むなど、従来よりも防空火力を高めている。
そのため、各国では「防空巡洋艦」と見なされがちだが、日本海軍においてはあくまで船団護衛用の指揮艦でしかない。
なお、対潜能力については、護衛艦に一任されており、それほど高くはない。
同級は、練習巡洋艦である『球磨』『多摩』を除いて、第二次大戦終了直後に、予備艦となり退役することになる。
特筆すべき武勲はなかったものの、彼女達が裏方として支えてくれたことが、日本海軍の運用を楽にしたのも事実であり、『筑後型軽巡洋艦』においても、『球磨』型の名前が使われたのは、『球磨』型の功績を讃えてのことであった。
210: yukikaze :2019/09/08(日) 13:17:26 HOST:34.82.0.110.ap.seikyou.ne.jp
球磨型軽巡改正終了。
基本的には、前のverでは、連装主砲が山城型からとしていたのを、長門型に切り替えたのと、対空強化型をもうちょい船団護衛に見合った形にした事。
まあ40口径12.7センチ砲が、日本海軍では旧式化扱いされる状況だったので2線級軽巡洋艦に回せたって話ではあるんだけど。
なお、重量バランスが崩れてトップヘビー気味になり、慌ててバラスト積むなんて対応をする羽目になる。(防空強化型の乗組員の話で一番多いのが、荒れた北大西洋上での航海における苦労話)
あと、指摘もあったので、他国供与ネタについても割愛しとります。
対空強化型については「ここまでやるか?」という意見あると思いますが、ここは、第二次大戦前の改修計画であると思っていただければ。
このころには最上型軽巡洋艦8隻が就役、建造中ですので、7,500t型は2線級として使われる事確定していましたので。
225: 名無しさん :2019/09/09(月) 03:27:27 HOST:flh2-60-238-216-0.osk.mesh.ad.jp
改定乙です
ただちょっと気になったことが
妙高型の説明の中で天龍型がフランスに12隻売却されたと書いており今回の球磨型の説明では天龍型は4隻で建造は打切りになっています
234: yukikaze :2019/09/09(月) 21:08:46 HOST:113.82.0.110.ap.seikyou.ne.jp
225
簡単に言ってしまうと
日本向け→4隻で建造打ち切り
フランス向け→12隻販売
ちなみにフランス海軍がこれ欲しがったのは、ドイツの小型軽巡洋艦対策。
まあ天龍型も史実夕張に近い艦なので(こちらは連装砲塔3基だが)、航洋性は褒められたわけではないのだが排水量の割に強武装だったので、フランス海軍が戦力テコ入れの為に購入することに。
ただし中立国による販売は厳禁であったことから、まだ中立だったポルトガルに販売し、ポルトガルの宣戦布告と同時にポルトガルからフランスに売却という荒業を使っている。
282: 名無しさん :2019/09/11(水) 08:14:47 HOST:fpoym3-vezA1pro06.ezweb.ne.jp
210
一つ質問が有るのですが
建造された球磨型は14隻なのに改装されたのは13隻しかいないのですが残りの1隻はどうなったんでしょうか
書かれていないけど改装前に戦没したんでしょうか
290: yukikaze :2019/09/11(水) 19:59:56 HOST:44.82.0.110.ap.seikyou.ne.jp
ゴメン。1が正解。
敢えて言うと、鬼怒については『高速強襲輸送艦』枠考えていたんだが(前部主砲はそのままで後部主砲を取り外し、大発出せるようスロープ付けた)、どう考えても企画倒れで終わること確定で(そもそも豊臣
夢幻会世界の日本、造船大国である)あえなくボツ。
で・・・対潜強化型に入れる予定だったが、名前抜かしていてこうなると。
なので対潜強化型に『鬼怒』が入ることになります。
最終更新:2019年09月12日 09:01