123: 加賀 :2019/06/29(土) 20:44:28 HOST:softbank126094209144.bbtec.net



「五戦隊司令官ですか……?しかし早くありませんか?」
「人が足らないというのが本音だ。クラ湾で君が育てた三水戦司令部は全滅したからな」
「それに五戦隊は兵器等更新してるよ」




 1943年7月10日、海軍水雷学校長だった橋本は再び前線勤務となりラバウルに停泊する甲巡『妙高』に司令官旗が掲げられる事になる。

「それで自分に何をしろと?」
「なに、五戦隊を率いてソロモン方面の撤退を支援してほしい」

 ラバウルでまだ外南洋部隊(第八艦隊司令長官)の三川中将は橋本の問いにそう答えた。

「今はコロンバンガラ島の撤退支援をしているが……どうやら敵さんは島への兵力増強だと睨んでいる。そのため三水戦で一掃してから撤退……という事だったんだが……」
「負けた……というわけですね」
「まぁ……そうなるな」

 三川中将は頭をかいた。

「秋山少将は電探を使いきれなかった。それが敗因だな」

 三川はそう言い切るが三水戦側を擁護するとすれば電探が故障していた事もあった。当初、三水戦旗艦『新月』には22号水上電探も搭載していたがクラ湾に向かう途中で故障してしまったのだ。そのため、秋山は見張り員の目を信じる事にしたのだが見張り員の目より米軍のレーダーが上回っていた。
 三水戦は第36.1任務群に敗北、旗艦『新月』と『長月』は撃沈され他の艦艇も大なり小なりの損傷をしてしまうのである。

「古賀長官の協力も得て、外南洋は五戦隊と七戦隊の増強を受けた。此処で敵に打撃を与えて一気にブーゲンヴィル島まで撤退する」
「分かりました。確かショートランドには例の部隊がいましたね?」
「あぁ、彼等か」
「彼等の力が必要です」

 斯くして橋本達は動き出す。7月15日、五戦隊と二水戦はコロンバンガラ島沖合いへ進出した。

「ジャップめ、性懲りもなく来やがったか」

 旗艦『ホノルル』にてエインスワース少将はニヤリと笑う。エインスワース少将は前回のクラ湾夜戦での戦法から「前衛駆逐艦の雷撃後にレーダー射撃を行い、一斉回頭後に後衛駆逐艦を突撃させる」戦法に変更していた。しかし、配下の乙巡『リアンダー』は28ノットしか出せないので部隊は28ノットで航行していた。
 後少しと思っていた矢先、徐々に聞こえてくる飛行機の爆音にエインスワース少将は驚愕する。

「馬鹿な!? レーダーは何をしている!!」
「そ、それがレーダーも補足していないと……」
「ま……まさかジャップ……」

 エインスワース少将はその答えに到達した時、飛行機の爆音はそこまで迫っていたのであった。

「全くめ……人使いが荒い三川中将だぜ」

 ショートランド水上基地に配属された第634海軍航空隊の瑞雲のパイロットはニヤリと笑いながら機体を上昇させる。

「ほらよ、土産だ!!」

 瑞雲から投下されたのは吊光弾だった。吊光弾は第36.1任務群の全てを照らす事は無理だった(そらそうだ。この状態ですら奇跡なのだ)が前衛駆逐艦群を照らす事には成功した。

124: 加賀 :2019/06/29(土) 20:45:15 HOST:softbank126094209144.bbtec.net
「宴会の始まりだァ!!」

 前衛駆逐艦群を攻撃したのは低空飛行をしていた瑞雲17機である。腹には250キロ爆弾を抱えており、20ミリ機銃を乱射しながら投下した。深夜なので命中したのは二発だけだったが五戦隊と二水戦はそれを見逃さなかった。

「目標、炎上中の敵駆逐艦!!」
「砲撃始めェ!!」

 『妙高』『羽黒』は砲撃を開始、二隻に搭載されていた22号水上電探改四はその性能を遺憾無く発揮した。

「初弾命中!!」
(やったか……)

 見張り員からの報告に橋本はニヤリと笑う。二隻の猛射により前衛駆逐艦の『ニコラス』『オバノン』『ラドフォード』は大破した。(後に自沈)
 これを見ていたエインスワース少将は怯むことなく砲撃を開始させた。

「レーダー技術は此方が上だ!!」

 乙巡三隻は『妙高』『羽黒』に砲撃を集中させるが忍び寄る二水戦に気付いていなかった。

「左舷に敵艦!!」
「しまった!?」

 彼が気付いた時、既に二水戦は必殺の酸素魚雷を発射して離脱中だった。

「回避ィ!!」

 三隻は回避する前に被雷した。三隻の左舷は瞬く間に水柱が吹き上がり、三隻はあっという間に大傾斜していくのである。

「あれは沈むな。他の艦艇を攻撃する」

 『妙高』『羽黒』は探照灯を照射、大傾斜する乙巡三隻を尻目に逃げようとする後衛駆逐艦群を砲撃。これにより『ウッドワース』『モーリー』『ブキャナン』を撃沈するのであった。
 第36.1任務群が壊滅した事によりコロンバンガラ島アリエル入江に救出隊の駆逐艦が到着、待機していた陸兵を収容して離脱するのであった。

「やってくれたか」

 コロンバンガラ島沖海戦の結果を聞いた古賀長官はホッと安堵の息を吐いた。

「敵艦隊の撃滅に成功、陸兵の収容も成功。成功尽くしで怖いくらいですな」
「ま、その代償が瑞雲教か」

 日本の勝利の一因に新設されたばかりの第634空もあった事で瑞雲教(松田一派)による瑞雲音頭があったそうである。なお、瑞雲教には松田の弟子とも言える中瀬昇や野村留吉等約30人程度の将官や佐官が在籍したりする。

「ですが航空戦艦を史実通りにするのは……」
「仕方ない。扶桑型を防空戦艦にしているし改装しやすかったのもある」

 なお、伊勢型は史実通りに航空戦艦に改装されていた。当初は扶桑型と同じく機銃や高角砲を搭載の防空戦艦の予定だったが松田少将が「伊勢型は航空戦艦にして瑞雲を搭載すべきである!!」と各部署に怒鳴り込んで航空戦艦の座を勝ち取った経緯があった。なお、伊勢型は多少の機銃増加(40ミリ搭載)はあったものの12月には改装終了するのであった。

(航空戦艦はどうでも良いが機動部隊の随伴には付いてこれそうではあるな……)

 何やら思案する古賀であった。

125: 加賀 :2019/06/29(土) 20:47:05 HOST:softbank126094209144.bbtec.net
  • 橋本、五戦隊司令官へ
  • コロンバンガラ島沖海戦完勝(UNICORN)
  • 第634空、創設されていた
  • 瑞雲音頭(歌詞は四番まである)
  • 伊勢型航空戦艦へ

129: 加賀 :2019/06/29(土) 21:36:24 HOST:softbank126094209144.bbtec.net
うーん、伊勢型特に日向は爆発事故後で砲塔を取っ払っていますし案外いけるかなと思ったのですが……やはり難しそうですね。
修正します

130: 加賀 :2019/06/29(土) 21:38:15 HOST:softbank126094209144.bbtec.net
修正

なお、伊勢型は史実通りに航空戦艦に改装されていた。当初は扶桑型と同じく機銃や高角砲を搭載の防空戦艦の予定だったが松田少将が「伊勢型は航空戦艦にして瑞雲を搭載すべきである!!」と各部署に怒鳴り込んで航空戦艦の座を勝ち取った経緯があった。なお、伊勢型は多少の機銃増加(40ミリ搭載)はあったものの12月には改装終了するのであった。

(航空戦艦はどうでも良いが機動部隊の随伴には付いてこれそうではあるな……)

 何やら思案する古賀であった。
最終更新:2019年07月09日 10:41