237: リラックス :2019/07/22(月) 19:02:23 HOST:pw126233235217.20.panda-world.ne.jp
さて、ネタの投下

さて、更に時は流れ……

史実よりも波乱万丈な昭和の御世を泳ぎ抜き、徐々に後継者たちに仕事を押し付k……いや、帝国の未来を託した嶋田は、 後継者達が問題なく国を運営している事を確認しながら安堵しつつ余生を過ごしていた。

(まさか殿下が100歳近くまで生きるとは思わなかった。それに辻の奴といい、富永の奴といい、ぶっ飛んだ奴は長生きするとでも言うのか?)

そう自問して、自身にブーメランになりかねないことに気づき、この考えはなかったことにする。

(それはそうと、もう俺の出る幕もあるまい。老兵は死なず……ではないが、隠遁生活を楽しみながら、この世界をまったりと楽しむことにしようか。
世界を楽しむ、か。こんなことを考える余裕ができるとは、喜んで良いのか何なのか)

今や日本家庭の必需品とも言われるカラーテレビには、 一部史実の21世紀の技術を知る自分からしても驚くべき最先端技術について発表する様が放送されている。

それを見ながら、マッドの暴走を思い出し、更にその内の一部や後継者は現在進行形でそんな調子なんだろうなぁ、と思う。

チャンネルを変えると新型パワードスーツを装着し、山岳地帯にコロニーを作った魔物の討伐訓練を例の魔物討伐業者(通称ギルド)と軍が共同で行う様が流れる。

(パワードスーツも大分洗練されたデザインになったな…… 最初期はとんでもなくゴツかったものだが、今思えば良くあの時代にあのレベルの代物が作れたものだ)

便座をひっくり返して人の頭に被せたようなデザインの試作一号機を思い出しながら、この時点で単純なパワードスーツとして見ても某赤眼のSA○に負けないくらいの性能があったことを思えば、何処からオーパーツで何処から古臭いとすれば良いのやら、と笑う。

え、あの作品のキャラクターに匹敵するっておかしくないかって?リアルにも凄い人はいるもんだよ(目逸らし

(俺がまだ現役にいた頃の最新版は確か……魔導技術のエネルギー変換プロセスが大分解明されていたこともあって、重力制御系とエネルギー兵装やエネルギーシールドが標準装備になっていたか。
魔○炉だかデジタルワール○における電力だかわからんが、超小型高出力の動力が実現してしまうんだからなぁ…… スパルタ○もビックリだよ)

ちなみに○パルタンを引き合いに出しといて難だが、意外なことに、人体改造に関しては行われていなかったりする。

当初は魔物の解剖により得られたデータから、そうした技術も研究されていたのだが、神経系の伝達速度の向上や身体能力の向上、回復能力の強化とかが目的なら、単純にバフ効果のある擬似魔法をオート発動するようにした装備でも作った方が兵士自身に改造手術を施すよりも手間もかからないし安上がりなんじゃね?という根本的な事実にぶち当たったことから、この手の研究は医療目的にシフトしている。

魔物(正式な名称として特異遺伝子及び~(中略)~保持生物というのがあるにはあるが、長ったらしいのでこちらか、妖怪やアヤカシという名称の方がやはりよく使われる)の細胞を利用してガン細胞の撲滅に成功したという論文が発表されたというニュースを見ながら、そっち方向に進まなくてよかったと、今でも思う嶋田である。

238: リラックス :2019/07/22(月) 19:03:03 HOST:pw126233235217.20.panda-world.ne.jp
(まあ、これならこの国は最低四半世紀は安泰だろう。そろそろ自分のことだけ考えてもバチは当たるまい。と言っても、後はお迎えを待つばかりな訳だが……、願わくば次の人生とやらがあるのなら、平凡で平坦で心安らかに過ごせる物であって欲しい)

これまでの人生を思い出して、ほんの少しばかり目頭が熱くなるのを感じる嶋田だったが、その涙の理由がどんな物かは彼と彼の仲間達の名誉のため触れずにおこう。

思い出は美しい物であれば良いのである、うん。

(もうあの時のように、辻を相手に胃壁を削りながら予算交渉を行ったり、胃壁を削りながら海軍の派閥対立の折衝したり、MMJの連中と精神を削り合う戦いをしたり、 胃壁と睡眠時間を削りながら同人誌の作成を手伝ったり……これは何か違うな。
まあ、そんな風に血を吐きながら悲しいマラソンを続ける必要も無いのか……、そう思うと少し寂しいものがあるな……)

血を吐く理由と悲しいの意味が色々と待てということになっているのは気にしない方がいいのだろう。

しかしまあ、そうやって柄にもなく感傷にふけっていたのがいけなかったのかもしれない。

その日の夜、床に就いた嶋田が目を覚ました時……



「こ、ここは……?」

そこは見覚えのない部屋だった。最後の記憶では自室で就寝すべく布団に横になったはずだったが、此処は自室ではない。

「神崎さん、おはようございま……って、良かった気が付かれたんですね!」

「か、かん、ざき……?」

病室に入ってきた看護師が言った名は嶋田ではなく……、そう、彼の前世(?)の名であった。

「え、ええと、おはようございます。その、此処は?それと私は一体?」

彼は妙齢の看護師に曖昧に返事をすると、確認するように尋ねた。

この言葉に、ベッドの傍らに立った看護師は不思議そうな顔をしたが、すぐに納得したように応えた。

「ここは○○病院の病室ですよ。神崎さんは仕事の最中に、突然倒れられて運ばれてきたんです。覚えてませんか?」

彼は即座に自分の記憶を必死に辿った。それは確かに、もうおぼろげにしか思い出せない前世で最寄りの大型病院だったはずだ。

「すいません、今日は何年の何月何日でしょう?」

「今日ですか?20XX年の○月□日ですよ」


「ば、馬鹿な……」


「?」

その呟きに怪訝そうな顔をした看護師だったが、すぐに自分が何日も意識を失っていたことに気づいて驚いているのだろうと判断した。

「心配しなくとも大丈夫ですよ。会社の上司に当たる方がお見舞いに訪れられた時に、働き過ぎだろう、ゆっくり養生するよう伝えてくれと仰られていましたし」

しかし、嶋田、否、神崎は看護師から聞かされた日付が確かに自分が『嶋田繁太郎』になる直前の日付にほぼ一致することをサルベージに成功した記憶から確認し、

「………」

「あれ?神崎さん?神崎さん!!しっかりして下さい!!」

そのままパタリと意識を失ってしまうことになる。

これにより、病院の関係者が集まってちょっとした騒ぎになったことをここに記しておく。

239: リラックス :2019/07/22(月) 19:04:34 HOST:pw126233235217.20.panda-world.ne.jp
【ネタ】魔法や魔物が発生してしまった世界で、神崎青年は三度目の人生を歩むようです。



一時的に大騒ぎになってあれやこれや検査を受けることになった神崎だったが、医者や看護師の診察を受けた後、目覚めた直後による一時的な意識混濁と見なされとりあえず異常無しということになり、数日中に退院と言う旨を説明された後に病室で一人考えていた。

考えるのは勿論、『嶋田繁太郎』として過ごした記憶についてだ。

……胡蝶の夢にしてはリアル過ぎたなと思いながら、まあ、あれが夢だったというならそれはそれということで納得することにした。

改めて神崎博之として生きるというのも……自分の主観では三度目の人生という感覚だが、それも悪くないだろう。

折角若返ったのだし、気分も新たに嶋田だった時には出来なかった趣味や勉強に手を出してみるのも悪くない。

過去に戻っていたことで物足りないと思っていた懐かしいアレコレを堪能するのも良いだろう。

退院したら本屋やDVDショップで色々と購入して来ることにしよう。

(ネットサーフィンも悪くないな。この時代の時事ネタやトレンドを見るのも新鮮な気分に浸れるだろうし……
レトルト食品やインスタント食品も買い込んでおきたいな)

そう結論付けると、それまでやることもないしテレビでも見るかとリモコンのスイッチを押してテレビを付ける。

すると、ちょうどやっていたのはニュース番組だった。

『羽合諸島沖で行われる環太平洋条約機構による合同演習のため、連合艦隊は歴戦の空母『翠鶴』、新型強襲揚陸艦『龍城丸』を中心とする第一機動戦隊を―――』

あ、夢じゃねーわこれ。
いや、まだ夢が続いてるのか?

『嶋田繁太郎』としての最後の記憶、その日に見たニュースでネームシップが竣工したばかりだったはずの蒼鶴型航空母艦弐番艦翠鶴、更に長期防衛大綱において計画されてはいたが、まだ大まかな完成予想図のみで名前すら決まっていなかった次期強襲揚陸艦が並んで航行し、

同じように計画段階にあった新型戦闘機旋風が重力を無視したような動きで発艦していく姿をテレビ越しとはいえ目の当たりにし、嶋田改め神崎は色々と悟る。

念の為にチャンネルを変更してみると人間大のA○ネクス○のような機動で龍城丸の姉妹艦から出撃していくパワードスーツを装着した上陸部隊がフェル○のような無人近接航空支援機の支援の下、離島奪還作戦を想定した訓練を行っていたり、時折空の彼方にやたら大型の空飛ぶマンタのような魔物や龍にしか見えない魔物が浮かんでいたり……

そして、そのマンタや龍が軍の飼育するアヤカシの一種、マスコットとして紹介されたり……、または海難救助を行うチョコ○の部隊やインスマス族の隊員を主人公にしたドキュメンタリーをやっていたりした。

更に疑い深く、売店まで足を運んで新聞を購入して目を通してみればカリフォルニア共和国とテキサス共和国の対立に対する懸念だとか、ロシア共和国で中規模な魔物のコロニーの撃滅に成功だとか、

魔物討伐の資格免許の更新を怠っていた狩人が期限の確認はきちんと行うよう当局から厳重注意を受けたとか、福建共和国が華南連邦などと北部の封鎖領域における討伐ノルマの負担について揉めているだとか、

色々と受け入れ難い現実が妄想や勘違いではなさそうだとは理解した神崎は結論を出すことを一度保留しつつも、一つだけ確信した。

多分、いや、間違いなくアイツらもいるんだろうなぁ……、と。

240: リラックス :2019/07/22(月) 19:06:57 HOST:pw126233235217.20.panda-world.ne.jp
以上、ここを端折ったら年齢の関係で退場?そんな寂しいこと言うなよ、もう一度遊べるドン!が出来ないことに気づいたのでピロートークを加筆修正

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最終更新:2019年07月29日 08:27