427: 加賀 :2019/07/30(火) 10:28:37 HOST:om126208249001.22.openmobile.ne.jp


「ラバウルは今のところは大丈夫そうだな」
「陸海の戦闘機だけでも500機余りはいますからな」
「ニューギニアの航空隊も其ほど損耗はしていないし、ラバウルは文字通りのドラゴンジョーズとなるわけだな」
「それで中部太平洋は……」
「撤退する。アッツの二の舞にはさせん。ただし、ギルバート・マーシャル諸島は航空隊の演習に付き合ってもらう」



 1943年11月21日、アメリカ軍はギルバート諸島への上陸を開始した。しかし上陸した米軍を待ち受けたのは日本軍等おらず、爆撃によって荒廃した軍施設等であった。

「奴等……何を企んでいる……?」
「維持が困難と判断して破壊工作をしてから引き揚げたのではないですか?」

 第51任務部隊司令官のスプルーアンス中将の呟きに報告者の第54任務部隊司令官ターナー少将は自身の見解を述べた。

「うむ。当初は私もそう思っていた……これを見たまえ」

 そう言ってスプルーアンス中将は一枚の航空写真をターナー少将に見せた。その写真は滑走路を撮していたが滑走路はボコボコに破壊されていた。

「……ただの我が軍の爆撃では?」
「いや、残念ながら滑走路は直ぐに使えるようにと爆撃対象からは外していてね」
「では奴等が自ら爆撃したと……?」
「私はそう思うね」
「破壊工作だからでは……?」
「いや、私はそう思っていない」
「……では?」

 早く答えを出せという雰囲気があるターナー少将にスプルーアンス中将は苦笑しつつも口を開いた。

「簡単な事だ。奴等は損耗した航空隊の錬度向上のためにギルバート諸島を爆撃したんだ」

 スプルーアンス中将のは的中していた。決戦部隊として編成していた基地航空の第一航空艦隊と第一機動艦隊の母艦飛行隊が撤退したギルバート諸島及びマーシャル諸島を訓練目標として爆撃していたのだ。

「雷撃は無理だなぁ」
「仕方ありませんよ」

 空母『大鳳』飛行隊長に就任した村田中佐の呟きに空母『翔鶴』飛行隊長の田中少佐は互いに慰めあうのである。なお、爆撃は元より洋上飛行の訓練にもなり彼等は自信を高めるのである。
 ちなみに頭を抱えたのは裏方の方であり、爆弾の使用数やガソリンの調達に一月ほど苦労するのであった。
 その後米軍はマーシャル諸島を攻略する。勿論、同諸島ももぬけの殻であり次第に米兵士達の中では慢心が少しずつではあるが積もっていく。

「この状態でヘイルストーン作戦を行うのは無理です」

 ハワイオアフ島の太平洋艦隊司令部でスプルーアンス中将はニミッツ大将に具申した。しかし、ニミッツ大将は首を横に振る。

「駄目だ、上から……プレジデントからの命令でもあるんだよレイ」
「真珠湾での意趣返し……というわけですか」
「あぁ。トラックを攻撃して成功すれば一応の真珠湾の借りを返せると思っているんだ」
「ですがトラックには多数の戦闘機隊がいると……」
「それでもやるしかあるまい」
「……分かりました」

 斯くして1944年2月17日から18日にかけてスプルーアンス中将の第50任務部隊(空母9隻、戦艦7隻、巡洋艦10隻、駆逐艦28隻)はトラック諸島を空襲を敢行する。
 しかし、攻撃隊を待ち受けていたのは300機余りの紫電改であった。

『やられた!?』
『クソッタレ、ジークより遥かに速い!?』
『編隊を乱すな!!だんまーー』
『あぁ!?中隊長がやられた!?』

 紫電改の包囲を潜り抜けてもトラック諸島には在泊艦艇は一隻もあらず対空砲火の弾幕が待ち受けていた。結局、トラック諸島空襲は293機の航空機を喪失して失敗となるのであった。

428: 加賀 :2019/07/30(火) 10:29:40 HOST:om126208249001.22.openmobile.ne.jp
非常に短いですが何とか出来ました……(レイプ目
次回は松輸送がメインになると思います
最終更新:2019年08月03日 09:41