193: 透過の人 :2019/08/11(日) 12:36:21 HOST:softbank126077075064.bbtec.net
日墨ルート 第二次世界大戦3
1942年6月6日 スペイン領キューバ ハバナ沖
「ジョー、聞いたか?バハマへの空挺作戦が成功したらしいぜ」
「なんだって、俺たちの仕事はどうなるんだ、マイク?」
「おいおい、なんでそんなこと言うんだ?」
「だってバハマって俺たちがこれから上陸するところだろ?」
「いやいや、そりゃハバナだろ」
「そうだったかな、まあ、似たような名前だしすぐに落ちるさ」
「「ハァ、まったくどうなるんだろうなぁ」」
「全くバカやってなきゃ辛いぜ、マイク」
「初めての実戦だしな、ジョー、スパニッシュは手ぐすね引いて待ち構えてるって話だ」
「それだけじゃないジャマイカのパーシヴァルも出てきたって話だ。」
「貴様ら、何を暗い顔しているんだ」
「こ、これはパットン閣下」
「大方、作戦が上手く行くか考えていたんだろうが、心配はいらん。俺はあのハンニバルの再来でナポレオンとも戦ったことがあるからな。」
パットンは笑いながら目の前から去っていった。
「…なあ、ジョー、閣下はアレなんじゃないか?」
「アレって何だよマイク」
「ほら、お前がよく読んでた本に出てきた… 」
「ああ、アレか」
「「『チュウニビョウ』だな」」
かくして、パットンは本人の預かり知らぬところで厨ニ将軍や邪気眼将軍の異名を取ることになる。
1942年6月5日、米軍の英領バハマへの空挺降下とともにカリブ海は米国対連合国の戦場となった。
イギリスは
アメリカが制限を遵守し、カナダを攻撃しなかったことを喜びつつも(注)、ジャマイカに対して増援を派遣した。
すでにこのとき、キューバのスペイン艦隊はアメリカ空軍の攻撃機とサウスカロライナ(注2)を中心とした艦隊によって壊滅状態にあり、
キューバ総督でもあるフランシスコ・フランコ海軍中将はイギリスに対して増援を要請。
これに対し、スペインが準備が整わないまま参戦していた(注3)ことに対して否定的だったイギリスは難色を示したが、
結局、フランスからの要請もあり増援出さざるを得なかった。
米陸軍がキューバに上陸したのはその時だった。
これが、米軍、連合軍、そしてどちらにも属さない独立派の三つ巴の戦いの始まりだった。
一方、南米では誰もが考えていなかった戦いが勃発した。
親英派だったブラジルのヴァルガス政権が、アメリカ勢力圏ベネズエラに突如として侵攻を開始したのだ。
短期決戦を目論んだブラジル軍だったが、内戦後に旧ルイス派の将校を粛清していたこともあり、陸戦ではベネズエラ軍の決死の抵抗にあい、
海ではブラジルに残った最後の戦艦ミナス・ジェイラスとサン・パウロがポケット戦艦とバカにしていたフランシスコ・デ・ミランダ(注4)と、
ウーデットの弟子ことベネズエラ空軍の攻撃を受け撃沈されるなど散々な被害をおった。
ヴァルガスがベネズエラに対する復讐を誓ったのは言うまでもない。
こうして、戦火は南米にまで広がることになった。
注1 カナダは石油を始めとする資源のほかラム巡航戦車をはじめとする兵器などの供給地として重要だった。
注2 ドイツの援助を受けて開発した長砲身16 インチを搭載した、アメリカ版フランチェスコ・カラッチョロ。
注3 スペイン王国はプリモ・デ・リベーラ内閣の失政後、フランスへの政治的、経済的依存が進んでいたため、
第二次世界大戦時も連合国側で参戦していた。
注4 旧アメリカ海軍装甲艦レキシントン
194: 透過の人 :2019/08/11(日) 12:39:20 HOST:softbank126077075064.bbtec.net
投下終了です
198: 透過の人 :2019/08/11(日) 13:52:25 HOST:softbank126077075064.bbtec.net
そして、タイトルに第二次世界大戦3とつけ忘れる痛恨のミス。こういうのってwiki転載時に修正してくれるのでしょうか?
だめならば投下し直しますが
最終更新:2019年08月13日 11:15