636: 加賀 :2019/08/13(火) 20:32:54 HOST:softbank126243123242.bbtec.net


「マリアナは辛勝でしたね」
「艦艇の損傷は軽微だが母艦飛行隊は壊滅しているからな」
「マリアナの撤退はどうしますか?」
「レイテ前には全て撤退する予定だ」
「それと……あの人らが目覚めたとの事です」
「……唯一、東條幕府を倒せる人物か」




 7月上旬、マリアナ沖海戦勝利の報に沸く国民達を尻目に海軍首脳部は頭を抱えていた。

「育て上げた母艦飛行隊はほぼ壊滅……再建にはまた時間を要するな……」

 空母10隻の撃沈を引き換えに壊滅した母艦飛行隊。そのため機動部隊は新たな作戦を思案する事になる。そして古賀大将は軍令部総長に就任し、後任にはこれまでの武勲を称されて南雲中将が大将昇進と同時にGF長官に就任した。その古賀大将は陸軍の同志に誘われてひっそりとした料亭にいた。

「今頃、阿部君は下村君に付き添われて吉田と会っている」
「吉田も問題はあるが史実戦後を代表する政治家だ。大丈夫だろう」
「だが……まさか貴方方も憑依していたとはな……杉山さん、梅津さん」
「はっはっは。気付いたのはマリアナ沖海戦後でな、今更遅いとは思うがね」
「それでも我々は協力するよ」

 古賀と対峙する陸軍将官ーー杉山元帥と梅津大将はにこやかに笑う。

「今のところ、大陸からの兵は引き揚げる予定だ」
「……打通作戦をやめるのですか?」
「あぁ、畑さんも承知済みだ。満州と北方を固める……戦後を見据えてな」
「……成る程」

 梅津の言葉に古賀は納得の表情を見せる。確かに史実戦後を見れば満州や北方を再度固めるのは納得出来た。

「それと局戦の開発には陸軍も共同でやりたい」
「……陸海統合の局地戦闘機ですな」

 海軍は局戦『雷電』を生産配備していたものの、倉崎が関わってないせいもあり(この頃、空技廠から追放されていた)不具合の発生が連発していた。倉崎の追放の情報を掴めなかった古賀が怒り狂って(高度な隠蔽工作をしていた事もあり尻尾を掴めなかった)空技廠が一新(ほぼ首脳部が更迭、予備役や閑職に回される)される事態に展開していた。漸く倉崎を迎え入れ(三菱と川西が倉崎を匿っていた)新型局戦の開発を……という矢先だったのだ。

「生産はしやすい方が良いからな」
「確かに」

 これについてはアッサリと決まった。いがみ合っては戦争なんぞ出来ないのはこれまでの経験からだった。なお、新型局戦は倉崎主導での指揮により紫電改にほぼ負けて半場倉庫に放置されていた『烈風』に決定されたのである。
 また、東南海地震に備えて東海地方の工場は奥地移転(長野等に疎開)が決定された。これにより東南海地震が発生しても航空機の生産は何とか出来たという事だった。
 だが、陸軍としては航空機も重要だがもっと重要なのは戦車だった。現在の主力戦車は砲戦車に近い九七式中戦車であるがソ連を考えるとやはり砲塔戦車が欲しいところが上層部の本音である。だが一歩間違えればノモンハンの如く、担当者が前線で戦死する運命にある。
 当初、その事情を聞いた杉山と梅津はチハの改良型で乗り切ろうとしたが此処で陸軍の運命に一筋の光が流れ込んだのである。

「大型戦車開発に備えてトーションバー方式は既に開発が完了している」

 チハ採用の際に民間企業の方に追いやられた転生者の集団が密かにトーションバー方式を市原博士らと共に開発し重装甲車用トーションバーは43年4月に開発完了していたのだ。転生者達はまた追いやられると思い秘密にしていたが杉山と梅津が憑依した事で打ち明けたのだ。更に試作中戦車も車体だけではあるが作っていたのだ。
 斯くしてマリアナ沖海戦後の6月25日、杉山と梅津は試作中戦車の開発を了承し今現在は70%程まで完成している。二人としては予算をそちらに回したいので統合局地戦闘機は願ったり叶ったりであったりするのだ。

637: 加賀 :2019/08/13(火) 20:34:15 HOST:softbank126243123242.bbtec.net
「兎も角、やりきりましょう」
「そうですな」

 三人は力強く頷くのである。そして8月1日、九州地方に大規模な空襲警報が発令された。90機余りのB-29が中国の成都から出撃して長崎・佐賀・福岡が手当たり次第爆撃されたのである。死傷者1500人余りと最大であった。しかも侵入を防ぐ事に失敗した事もあり責任を取って東條内閣が倒れ小磯内閣が成立したのである。
 更に不味い事にパラオ方面が怪しくなってきた。それは第14師団がフィリピンへ移動となった事である。マリアナの防備に成功した陸軍だが次に狙ってくるのはフィリピンだと確信していた。そのため大本営は関東軍最強と豪語する第14師団をフィリピンに移動する事を決めたのである。

「嘘だろおい……」

 第14師団移動の報告に陸軍は元より海軍も頭を抱えた。これではパラオは早期に陥落するのではないか、古賀大将は移動を控えるべきとわざわざ陸軍側に申し入れたが陸軍は「パラオはマリアナ同様に難攻不落の要塞であり陥落する事はない」と豪語してしまい第14師団は結果としてフィリピンに移動となってしまうのである。
 そして9月15日、米軍はパラオへ侵攻を開始したのである。

「そんな馬鹿な!? 奴等はそんなホイホイと空母を投入するのか!?」

 パラオ侵攻の報を聞いた陸海軍を頭を抱えた。奴等は魔法が使えるのかと思える程だった。まぁ米軍にしてみたら「綱渡りだよバーロー」である。マリアナで10隻の空母を沈められたアメリカーー特にルーズベルトの怒りは怒髪衝天さながらである。
 そのためエセックス級の早期就役が図られ『フランクリン』『タイコンデロガ』『ランドルフ』『ハンコック』『ベニントン』『ボノム・リシャール』『シャングリラ』の7隻が戦列化され空母9隻、軽空母2隻の第三艦隊が編成され司令官もハルゼー大将が就任したのである。

「いいか!! 俺からの命令はただ一つ、キルジャップ!! キルジャップ!! キルモアジャップだ!!」

 ハルゼー大将の叫びにパイロット達は雄叫びをあげるのである。

638: 加賀 :2019/08/13(火) 20:36:33 HOST:softbank126243123242.bbtec.net
てなわけではい
米軍の就役、頭おかしいだろでした
エセックス級見てたらヤベェっすわの一言
最終更新:2019年08月18日 10:18