793: 加賀 :2019/08/17(土) 23:06:16 HOST:softbank126242174028.bbtec.net


「来ました、予想通りのレイテ島のタクロバンに米軍が上陸しました」
「来たか。第14方面軍は?」
「レイテで持久戦をしつつルソン決戦に持ち込む方針です」
「寺内には一切口出しさせるな。参謀総長直々の命令だ」
「大変です、第4航空軍がレイテ島の米軍に全力出撃をさせています!!」
「富永を殺せ!!」





 10月17日、レイテ島東約60キロのスルアン島に米軍が上陸した。この報告を受け、大本営は『捷一号』作戦を下命しリンガ泊地にて整備と訓練をしていた宇垣中将の第一遊撃部隊をブルネイに派遣する事にした。なお、本来は五藤中将が司令長官だったがマラリアに感染してしまい五藤中将の推薦もあり第一戦隊司令官の宇垣中将が第二艦隊司令長官に就任したのである。
 また、第二艦隊司令長官なので旗艦の問題もあったが五戦隊司令官の橋本中将は『大和』旗艦を強く推奨した。

「確かに第二艦隊旗艦は伝統を貫けば『愛宕』等が相応しいだろう。しかし、今は戦時中であり旗艦を戦艦……特に『大和』等にすれば通信機能は十分あるはずだ」

 参謀長の小柳少将は難色を示したが宇垣中将が最終的に旗艦を『大和』に決めたので旗艦は『大和』となった。同月20日、レイテ島に配備された第14師団と第16師団から米軍上陸を報告してきた。
 史実であれば第14師団はパラオに配備され、歩兵第2連隊はペリリューに配備していたが玉突き移動により第35師団がその役目を補っていたのだ。(なお、中川大佐の具申によりトーチカ等の防御陣地が複数構成されている)
 それはさておき、聨合艦隊は元より第一遊撃部隊の目標は最初から決まっていた。

「今作戦の目的はレイテ島に上陸した米上陸船団の撃滅である」

 宇垣中将はそう宣言するが傍らにいる小柳少将は複雑な表情をしていた。所謂これは2年前の第一次ソロモン海戦と同じ事をするのである。陸軍側は「ルソン決戦を行うから聨合艦隊の突入は控えるべきでは?」と提案したが軍令部総長の古賀大将は「比島の初戦で米軍を圧倒的に叩かなくてはガダルカナルの二の舞になる」と答え、陸軍側も納得していた。なお、小柳少将は船団攻撃より敵主力部隊攻撃を主張していたが宇垣らはあくまで船団攻撃に専念する事にしていた。
 なお、第14方面軍の兵力としては史実の部隊+一個師団(第14師団)+四個独立混成旅団である。独立混成旅団は元第18軍に所属していた残存三個師団の混成部隊である。ニューギニアから早期に撤退をしていたがそれでも各部隊の被害は大きく内地で再編しつつも一部連隊を基幹にしつつ比島にて独立混成旅団を編成したのである。
 10月25日、ハルゼー大将の米第三艦隊はフィリピンに対し大規模な空爆を敢行した。正規空母9隻、軽空母2隻、護衛空母29隻の艦載機は第4航空軍と激突するが数で勝る米軍に勝利の女神が微笑んでしまい、第4航空軍は各個撃破されてしまうのである。対して寺岡中将の一航艦は徹底的な防空に専念していたので各個撃破される事はなかったが戦力の低下をしていた。
 そして各個撃破された第4航空軍だがその長たる富永中将が独断で台湾に脱出し指揮を放棄してしまった。なお、それを聞いた梅津は激怒した。

794: 加賀 :2019/08/17(土) 23:07:56 HOST:softbank126242174028.bbtec.net


「富永を殺せ!!」

 台湾に辿り着いた富永は即刻憲兵隊に囲まれて捕縛、全権が取り上げられ台湾の空に一発の銃声が響き渡るのである。梅津の強権に南方軍総司令官の寺内元帥は抗議しようとしたが梅津の後ろに杉山が隠れており南方軍指揮権の取り上げも見られたので寺内は慌てて矛を収めたのである。
 さて、フィリピンの航空部隊(陸軍)を撃滅したハルゼーだが彼は彼で自軍の航空部隊の練度の低さに頭を抱えていた。

「今回は陸の航空基地を叩いたから良かったものの……ヤマグチの機動艦隊が出てきたら撃破出来るか分からんぞ……」

 パイロットの大量育成はしていた米軍だがソロモンとマリアナでパイロットを喪失している事もあり対艦攻撃を行えるかハルゼーは疑問視していた。だがそれでも日本艦隊が出てきたら彼は攻撃しなければならない。
 そしてその日本艦隊であるが10月23日、動いたのは山口中将の第三艦隊である。本土から出撃が遠いので第一遊撃部隊は一日遅れての出撃だった。
 なお、第一遊撃部隊が航行するパラワン水道には念のためとして南西方面艦隊に所属する海防艦6隻と903空の瑞雲が派遣され水道の警戒に当たり見事に潜水艦と遭遇した。
 遭遇したのはパラワン水道の哨戒をするガトー級潜水艦『ダーター』と同じく『デイス』だった。

「対潜戦闘!!」

 海防艦6隻は慣れた動作で爆雷を投下して2隻を追い詰め、『ダーター』を撃沈。『デイス』は離脱に成功するも艦が中破しており哨戒の続行は不能だった。そのため、ハルゼーは宇垣艦隊がどの程度の戦力で来るのか予想がつかなかった。
 南方では潜水艦の掃討に成功する一方、内地から出撃した第三艦隊も敵潜水艦隊と遭遇していた。

「左舷から雷跡四!!」
「とぉーりかぁーじ!!」

 第三艦隊を雷撃したのは本土哨戒に出撃していたガトー級潜水艦『ドラム』『ハダック』である。2隻は内地に展開している第三艦隊の動向を調べるのが目的だった。だが彼女達の進路上に第三艦隊が現れたのは神の奇跡としか言わざるを得なかった。しかも2隻が運の良い事に第三艦隊の駆逐艦ーー『松』型駆逐艦は9月に完熟訓練が終わり艦隊に配備されたばかりの新兵だらけだった。そのため2隻の探知が遅れたのである。
 2隻は可能な限り近づいて魚雷を発射した。しかし、これを上空で対潜警戒をしていた『日向』の瑞雲が雷跡を発見して艦隊に通報、直ちに爆雷を投下したのであるが、雷跡は近かった。
 雷跡は『加賀』に向かっており『加賀』は回避運動へ移行するが艦年齢が古い『加賀』は全てを回避しきれなかった。

「『加賀』の艦尾に魚雷命中!!」
「被害報告急げ!! 対潜戦闘は継続せよ!!」

 結果、『ドラム』は追い詰められ撃沈し『ハダック』は逃走に成功する。そして『加賀』の被害は思ったよりも深刻だった。

「駄目です。『加賀』の左舷機械室は浸水中、舵も破壊され直接操舵しか出来ません。現在出しうる速度は17ノットです」
「……やむを得んか。『加賀』の航空機を各空母に振り分ける、『加賀』はそのまま護衛艦艇と共に内地へ帰還せよ」

 『加賀』は『木曾』『松』『梅』の護衛の元、内地へ帰還する事になり第三艦隊は空母一隻を喪失した等しい事だったのである。

795: 加賀 :2019/08/17(土) 23:13:51 HOST:softbank126242174028.bbtec.net
思ったより難産でした。
レイテは14師団を入れつつの持久戦へ
某軍曹が大活躍しそう(小並感
空母の離脱は予定してたけど、サイコロを転がしたらまさかの『加賀』だったので『加賀』にしました。
艦隊については先程投下したのと変わらないです(今のところ
最終更新:2019年08月18日 10:25