94: リラックス :2019/09/25(水) 20:45:25 HOST:119-228-10-186f1.hyg1.eonet.ne.jp
よし、ネタの投下
天の涙事件、小ネタ 合成獣と二重雑種の話
合成獣とは
生物学における合成獣 (キメラ) とは、同一の個体内に異なる遺伝情報を持つ細胞が混じっている状態や、そのような状態の個体のこと。
ここでは魔物と魔物を掛け合わせて生み出された個体全般を指す。
合成獣の生成は早い段階から行われており、魔物の利用及び家畜化に成功したのと同時期に品種改良を目的に試行錯誤されている。
魔物には意外と有性生殖が多く、性交渉が可能なら子孫も遺せる(なので、この頃の合成獣は本来なら交配種とか雑種とか混血種と呼ばれていたようなものが多い)。
遺伝子工学の発展と共に特異遺伝因子の解明が進み、魔物の受精卵の調整を行う技術が確立されるようになり、この頃から毒を以て毒を制するではないが、魔物を駆逐する目的での合成獣の研究が本格化する。
しかし、問題は魔物を駆逐した合成獣がそのまま野生化して魔物と取って代わり「ミイラ取りがミイラになる」可能性だった。
予め避妊・去勢しておけばいいんじゃないのか、という意見も出たのだが、魔物というのは再生能力が高く、下手をすると心臓を摘出した後に新たな心臓が再生するまで生き延びるような出鱈目な生存力を発揮するような個体も確認されており、
物理的に生殖器を切除しても再生してしまう程度の能力は合成獣も備えていた。
なので、従来の生物における一代雑種のように先天的に生殖能力を持たない合成獣を目指して研究が行われるようになったが、魔物の遺伝子だけでは困難を極めた。
二重雑種とは
魔物の雑種とも言える合成獣に、更に既存の生物の遺伝子を掛け合わせて作り出された存在。名前の由来は魔物の雑種と既存の生物との雑種で二重に雑種という安直な物。
魔物と魔物の掛け合わせや受精卵の調整ではどうやっても新たな種として申し分ない能力を備えるか、逆に魔物に返り討ちになる程度の個体しか作れないという極端なことになってしまったことから、研究に煮詰まって変なテンションになった研究チームの一人が既存の生物の遺伝子も混ぜたら丁度良くならないか?と、
半ばヤケになって発言し、物は試しと研究所の裏庭に落ちていたカラスの羽から採取した遺伝子を利用してみたところ、生殖能力を持たずある程度の魔物には負けないくらいの能力を持った個体という条件をあっさり達成。
ここから二重雑種の研究がスタートしたとされる。
二重雑種:紅型(通称『桜』)
魔物退治用として正式化された一番最初の二重雑種。
基本的に大規模討伐は魔物の住処となっている範囲(ピラミッドの最下位にいる魔物達が住みやすい森林地帯が多い)に徹底的な空襲を行って焼き払った後に地上部隊を生き残りを退治するという段取りで行われる。
また、魔導技術のおかげで小型エネルギー兵器が歩兵の携行火器として普及し、火力が増大したことから後方からの支援によりフレンドリーファイアを引き起こす危険性が増大。
こうした状況下での作戦行動を前提とする為、火や高温に強いという特性が付与されていること、更に魔物の生き残りを探し出す為に嗅覚を強化されている。
ほぼ全スペックが高いオールラウンダーで、火に強いという特性から一部は消防やレスキュー部隊でも運用される。
95: リラックス :2019/09/25(水) 20:46:00 HOST:119-228-10-186f1.hyg1.eonet.ne.jp
二重雑種:黄型(通称『桃』)
山岳地帯などでの活動を想定した二重雑種。紅型に比較して身体を軽く、跳躍力が強化されているのが特徴で、三次元戦闘で活躍。
山岳地帯に多い電気属性の魔物からの攻撃に強く、更に高周波を出して周囲の地形や状況を把握するエコーロケーション能力を持っており、聴覚が強化されている。
特性の擲弾筒から魔物の感覚を狂わせたり状態異常を引き起こす擲弾を投射することで紅型や歩兵部隊の援護を行うことも可能で、大物狩りでは必須の存在。
その特性から山チョコ○や黒チョコ○と共に山岳・密林救助隊でも運用されている。
二重雑種:青型(通称『梅』)
水中戦用に作成された二重雑種。
水流操作系の擬似魔法を身につけており、水中での高速移動が可能。口のように見える部分はエラが発達した器官。
水中での魔物戦においてはインスマス族の狩人からのアドバイスを取り入れており、主に彼らとチームを組んで活動する。
その特性から海チョコ○と共に海難救助部隊にも配備されている。
二重雑種:紫型(通称『ボタン』)
紅型をベースに膂力を強化された二重雑種。紫型と後述の白型は民間の狩人にも重宝されている。
狩人からは使い所が難しいとイマイチ不評な重力操作系の擬似魔法の取り扱いに長けており、使い所を見極めて魔物の動きを鈍らせたり、自身が跳び上がるのに利用→降下のタイミングで重力を増し、一気に押し潰すといったコンボも行う。
重力操作のおかげで跳び上がった後に多少ならホーミングや微調整が可能。その膂力と能力から車両の入り難い地形での重量物の運搬にも用いられる。
特に運搬用にパワードスーツを用意したり、ヘリなどを持たない中小の魔物狩人会社では僻地における大型の魔物の死骸を持ち帰る(放置すると他の魔物の餌となる上に、死骸を持ち帰らないと利益にならない)際に魔物退治以上に有難がられるとか。
二重雑種:白型(通称『紅葉』)
毒に強いという特性を付与された二重雑種で、自身の体にも対魔物を想定した毒を精製する器官、魔物の食欲を刺激するフェロモン(?)を分泌する器官を持つ為、囮にして良し、捕食させて仕留めるも良しな踏んだり蹴ったりな型。
しかし、単純な移動速度では紹介した二重雑種の中でも群を抜いている他、地中の物体をも感知できる特殊な器官を持ち、体内で生成した毒を用いた攻撃を行うなど、囮にされても結構生き残るだけの能力を保持している。
斥候役として申し分ない能力を備えているので、紫型と並んで狩人からは重宝される。
寄生型二重雑種
特異遺伝因子を持つ生物に寄生する二重雑種であり、宿主の神経に根を伸ばして共生するという特殊個体。
特異遺伝因子を持つ生命体なら一部例外(スライムや脳神経系が頑丈過ぎて根を張れないろうなの)を除いて寄生可能だが、特異遺伝因子と通常の遺伝因子の両方を持つ二重雑種以外の魔物に寄生すると上手く共生出来ず、脳神経系を侵食し尽くして最終的に植物状態になってしまうことが確認されている。
同じ株から撒かれた胞子に寄生された生物は主となる株を中心に一種のネットワークを形成することで情報をやり取りする。
これを利用して他の二重雑種に寄生させることで対魔物戦闘の情報を収集を行うことが可能だが、感染力が非常に弱く注射などで無理矢理打ち込む必要があり、更に効果が出るまで時間もかかる為、これを大量に散布して魔物を一網打尽という計画は頓挫。
それでも、対魔物戦における情報収集に関しては十分な成果を出した。
96: リラックス :2019/09/25(水) 20:46:31 HOST:119-228-10-186f1.hyg1.eonet.ne.jp
以上、合成獣、二重雑種についてのネタでした。
最終更新:2019年09月27日 10:35