885: 635 :2019/11/05(火) 20:41:42 HOST:119-171-231-231.rev.home.ne.jp
銀河連合日本×神崎島 ネタ 情報機関
「ではこの情報は…?」
『残念だが間違いない…全く嘆かわしいことではあるがな。』
「…我々の方でも同様なことが行われていたのは確認済みだ。」
神崎島宇宙クラスタが宇宙開発の針を進めるわ、復活した大艦巨砲主義が世界を席巻するわ、ジェット機乗っけて日の丸機動部隊が復活したりしている今日此頃、
アメリカ合衆国大統領ジョージ・ハリソンはホワイトハウスの自身の執務室にて受話器を手にしていた。
受話器から流れる声は流暢な英語であるがそれは相手自身の声ではない。
「全く、F-35の機密情報が抜かれるとはな…。パンダハガー共め!!」
『こちらはSu-57の機体情報に加えてヤコヴレフから技術者に加え機体、エンジン設計図が流出している。』
「やはり垂直離着陸ステルス戦闘機の開発が目的か?」
『おそらくはそうだろう、あれらは我々に対して空海の航空戦力において劣勢だ。少しでも補いたいのだろう。』
電話、ホットラインの声の大本、それはシエさん曰くメンチハゲことゲオルギー・グレヴィッチロシア連邦大統領であった。
今回のホットラインによる電話会談は安全保障上の問題点に関してのものであった。
それも米露のステルス、垂直離着陸機の機体情報の流出についてだった。
「それしかありえないな…。それで、流出情報の提供元はやはりニホン、いや"島"か?」
『そちらでもか…、そうだニホン大使館から緊急での案件があるということでな。』
「その情報を持ち込んだのが"島"の人間だと?」
『いやそちらは在ロシア大使であった。大使館に出入りしている"島"と思われる人間がな…。』
「 ? 」
『秘密にしてもしょうがないか…、ニホン大使館に出入りしている"島"の関係者は我々が知る人物であった。』
「どういうことだ?」
『正確に言えば我々の国の人間で"あった"という方が正しいか…。』
どこか迷う様なグレヴィッチの言葉に通訳も困惑しているようだ、どことなく電話口の英語も戸惑いが感じられる。
『ロシア帝国内務省警察部警備局通称オフラーナ、帝国時代に革命派に対して設立された秘密警察。』
『その人員であったと目される人物の出入りがロシア国内のニホン大使館で確認されている。おそらくは"島"の妖精だろう。』
『その人物の存在は情報漏洩の事実がニホンから齎された時期少し前から確認されている。』
「………。」
『そしてロシア国内の様々な場所でもな。』
『その事実から我々は一つの結論に至った。帝政ロシア、ソビエト連邦時代を通して連綿と受け継がれてきたオフラーナの情報収集ネットワーク。』
『それを用いてロシア国内の情報を得ていたのだろう。』
「旧ソビエト時代も受け継がれていたのなら、現在のロシアが運用しているのでは?」
ハリソンは少々疑問を覚えた。
『ソビエト連邦崩壊でどれだけものが失われたと思っている?おそらくは我々も把握していないものも存在するのだろう。』
『それに彼らには帝政ロシアだけでなく旧ソビエト時代の人間も多数いるのだぞ?知っていてもおかしくはあるまい。』
グレヴィッチはハリソンの疑問に答えた。
『そしてもう一つ、東独のシュタージについては知っているな?』
「ドイツ民主共和国国家保安省、旧ソ連のKGBやナチのゲシュタポを上回る監視体勢を構築していたアレか…。」
『そうだ。当時に西独にもスパイを送り込み東西両独で恐れられていたな。』
「それが民主主義を謳う国で似たようなものが復活しつつあるのも皮肉だがな。」
ハリソンは嘲るように言う。
『冷戦時代の共産主義の負の遺物、アレからの入知恵だろう。戦前よりドイツはアレと仲が良いからな。』
「チャーチル卿も第二次中独合作とはよく言ったものだ。」
『その件であの国は第二次大戦直前を想像させ平和に貢献したとイグノーベル賞を受賞したとか?』
「ああ、萌えを世界に広め平和に貢献したとしてニトベ総理も受賞したがな。流石に代理でカンムスが出席したがなww。」
『そちらの方がマシだな…。』
グレヴィッチは呆れたように零した。
886: 635 :2019/11/05(火) 20:44:22 HOST:119-171-231-231.rev.home.ne.jp
「話を戻そう。」
『ああ、その件だがオフラーナ同様にシュタージの元在籍者も確認されている。』
「同様に東独ではシュタージの情報網が生きている可能性もあるということか…。」
『あるいはドイツに潜入し、新たなネットワークを構築し、情報を集め解析している可能性も否定出来ん。』
「ヒューミントは冷戦時代の最前線の人材、シギントについてはバックにティエルクマスカがいるから言うまでもないか…。」
『それでそちら(米国)はどのような感じで伝えられた?』
「そっち(ロシア)と同じ、ニホン大使館を通しての情報だ。」
『そうか…。』
「それに日本は戦時中にイースタン(東)のコードを持つ機関がマンハッタン計画を掴んでいたという事実もある。」
『なる程…。しかし凄まじい情報網だ。どのような情報機関なのやら。』
「ああ。しかし、その機関の長は誰なのやら…。"暁の瞳"或いは"7の数字の男"か…。」
『島ならありえそうなのが怖いところだ。"ピザンツの王女"という線もあるぞ。』
「ハハ、そんな人物が情報機関を率いるとはまるで小説だな。ハリウッド化して大ヒット間違いなしだ。」
『違いない。』
そうして暫しの会話の後に通話は終了した。
「さて諸君、これで"島"の機関の情報網は世界各国に渡ることが証明された訳だ。」
ホットラインの受話器を置いたハリソンは周囲を見回す。
政府閣僚に加え、中央情報局(CIA)、連邦捜査局(FBI)、国防情報局(NSB)など各情報機関の長も勢揃いだ。
「現在"島"の機関について判明していることは?」
ハリソンの言葉にCIA長官は歩み出る。
「残念ですがあまり多くはありません。恐らく日本政府でも知っているのは一握りではないかと推測されております。」
「ふむ。」
「我々に"協力的"な外務省の人間などは恐らくそういった情報からは遠ざけられているかと…。」
「そういった人間は大陸とも繋がっている可能性もあるし当然か…。」
「はい。また電子的、機械的な偵察、情報収集システムも我々を上回るのは確実です。」
「相手はティエルクマスカだ、仕方あるまい。」
次はFBI長官とNSB部長だ。
「現在の所国内でのスパイ活動は表立って確認されておりません。」
「そうか。」
「しかし"島"には元アメリカ人も多数いますのでそういった人物が国内で就業し情報収集に当たっているではないかと我々は考えています。」
「また地球の電子的、機械的な情報保護システムはティエルクマスカの技術に対して非常に脆弱です。」
「そういった線からの情報を得ている可能性は十分にあり得ます。」
ハリソンは顎を擦る。
「ふーむ、つまりコミックや小説の様なハッキングや諜報員を有するとんでもない情報機関という認識で良いかな?」
「乱暴な言い方でありますがそれ以外言いようがないでしょう。」
「何しろあの"偉大なるボス"率いる潜入工作部隊の存在は確認されていますからな。ソレ以外がいてもおかしくはないでしょう。」
ゲーマーな陸軍特殊部隊の長が口を挟む。
その話にハリソンも笑顔で乗る。
「ああ、例のか。あの話には私も驚いたよ。」
「パワードスーツ着た"番犬"もいるんですから公安の"攻機"もいそうなものですな。」
「それでは雌のゴリラが隊長かね?」
ジャパニメーションオタクの閣僚の言葉に場が笑いに包まれる。
887: 635 :2019/11/05(火) 20:45:28 HOST:119-171-231-231.rev.home.ne.jp
「ハハハ、それでは"島"の情報機関の名前を決めようか、いつまでも名無しの権兵衛(ジョン・ドゥ)というのもボスと被ってしまからね。」
「アレとかソレと呼ぶ訳にもいきませんからな。」
ハリソン大統領達はあーでもないこーでもないと議論を交わす。
そんな中側近で日本通の議員が発言する。
「では、フーチというのはどうでしょう?」
「フーチ?」
「はい、ダウジングなどで使う振り子の呼び名ですね。ダウジングそのものもフーチと呼ぶことがありますが。」
「探しものを探す技術か。」
「ダウジングは古くはニホンの有名な高僧クウカイも井戸を掘る際に用いてたとされています。情報機関の名には相応しいかと。」
「ふーむ。」
そこへCIA長官が発言する。
「大統領、ニホンの有名な都市であるトウキョウを付けてはどうでしょう。」
「ということはトウキョウ・フーチかね?」
「あるいはカンザキ・フーチでも良いかもしれませんが、トウキョウの方が我々には馴染み深いでしょう。」
大統領は全員を見渡した。
全員が頷いている。
「決まりだな。これより"島"の情報機関をトウキョウ・フーチと呼称することとする。」
「彼らの存在をあえて暴き立てる必要はない。しかし、彼らの存在を前提とし行動をしろ!」
「「「Yes sir!!」」」
アメリカ中枢にて非公式通称がつけられた神崎島情報機関、
後に
アメリカやロシアの情報機関と時には敵対し、時には協力しながら中国、ドイツの諜報機関と暗闘を繰り広げることとなる。
なおロシア側とはロシア極東ユジノサハリンスク旧樺太庁舎内ホールにて初の非公式接触が行われ、それにちなみロシア情報機関よりサハリン・ホール
の通称で呼ばれる事となる。
日本国総理大臣官邸 安全保障委員会会議室
アメリカとロシアの機密情報ネットワークからティ連驚異の科学力により吸い出された機密文書を前に微妙な顔をしている人間が突撃バカを初め何人か。
「なあ柏木に白木、これって…。」
「大見もそう思うよなあ。」
「公式な文書でこんなのを目にするとはなあ…。」
他の知ってる人間たちは苦笑いで良くわからない二藤部とヴェルデオはハテナ顔だ。
全員の手元の翻訳された文書にはデカデカと『トウキョウ・フーチに関する最新情報』だの『サハリン・ホールに関する補足情報』と書かれていた。
「トウキョウ・フーチにサハリン・ホールって何の冗談だ…。」
「しかも一応日本側の情報機関だ。」
「征途、征途なのか!?」
「実際近代化した大和いるしなあ。」
「いやいやヘヴィリフターあるから遥かなる星という線も。」
「硬式宇宙服、もといロボットスーツも普及しつつあるからなあ。」
そんな安保委員会での会話を置いといて後に神崎島情報機関の通称が世に出た際は日本の架空戦記界隈が大きく賑わったという話
である。
888: 635 :2019/11/05(火) 20:46:25 HOST:119-171-231-231.rev.home.ne.jp
以上になります。
転載はご自由にどうぞ。
最終更新:2019年11月11日 11:59