388: 名無しさん :2019/11/05(火) 01:25:12 HOST:175017014222.ppp-oct.au-hikari.ne.jp
以前やってた、全世界火山噴火でWW2が遅れに遅れた世界線の続きの第3弾を今更投下してみる

たぶん次回があればその時にWW2発生


 1946年11月。『白の場合』作戦実施。
目標、ダンツィヒ並びにポーランド回廊の占領、並びにベルリン東部地域の奪還。
最終目標、ワルシャワ。
達成するべき最低条件、ベルリン東部地域の奪還並びに旧プロイセン領土の死守。
作戦期間は40日間。総統、並びに優良アーリア人種たるドイツ国民は各員の奮戦奮闘を大いに期待し神のご加護を祈る。

狂犬ポーランド復活以来、ソ連が関わる紛争にあれやこれやと義勇軍で首を突っ込んだ結果、
3号なる戦車では力不足であると判断したドイツ国防軍が作った『質』の凶悪戦車、米国由来の列国兵器一覧の暗号名ティーガー2。
いわゆるケーニッヒス・ティーガー、6号戦車。
数に劣る義勇軍は本国がどれだけ外交的に無理をしても、物量で敵を上回る事が出来ず、それに対してドイツ軍が
選んだ答えは、戦車の質の強化。さすがに重戦車クラスともなれば、本国防衛のためであって、他国に出すモノではないが
戦車の質強化という方向性が生んだ本国防衛の決戦兵器の一つだ。

戦車兵のドイツ人は祖国が作り出した傑作兵器として、6号は彼自身の誇りとなっていた。
しかし、そんな彼としても、あれには勝てない。
PZL-P.50ヤストレザブ攻撃型。
そして、ホーカーハリケーンライセンス生産地上攻撃改造型。
ドイツが戦車に力を入れてる事はとっくにポーランド軍に知れ渡っており、それに対するポーランドの答えは砲兵戦力の強化であった。
が、すぐに問題に躓く。狂犬ポーランドにはカネが無い。大砲は金がかかる。以上。
が、ポーランドはすぐに代わりを思いつく。そうだ攻撃機を強化しよう。いっそ全機攻撃機に変えてしまおう。
こうして、ポーランドの航空戦力総戦闘爆撃機化計画が始まった。

「卑怯者め! おりて戦え!」
車長の怒鳴り声に操縦士は思わず頷く。だが、直後眼前に燃えさかる炎と衝撃波が車両を襲った。

各所で痛い目を見ている報告は続くが、全体としてドイツ軍の想定道理に戦場は進んでいた。如何にポーランドの航空戦力がやたら
でかかろうが、なら、敵の滑走路やバンカーを優先して破壊してしまえばいい。
可能なら燃料備蓄基地を破壊、もしくは占領してしまえばいい。ポーランドに結局大油田の類いが無い以上、航空燃料は
多くが輸入品である。
こうした、ドイツ空軍による航空撃滅戦の実施により、一気に戦局は傾いた。
とはいえ、ポーランド軍もただでやられるつもりはないし、そのポーランドには彼らがいる。
ソ連との戦いにおいて、ドイツが共倒れ狙って、押しつけるようにポーランドに送り込んだ、最恐のフライコール、コンスルが。
ナチス最恐の敵、コンスルが――――

389: 名無しさん :2019/11/05(火) 01:25:45 HOST:175017014222.ppp-oct.au-hikari.ne.jp

「――よって、ドイツが最終的な勝利を収めるのはもはや目に見えていると判断する」
エリーゼ宮に集まる面々はドイツの足を引っ張る為にポーランドへの義勇軍の出兵の是非について話し合い、まもなく出兵するで
結論が付きそうだった。
アルベール・サロー首相によるアルベール政権はいわゆる『政治的には左派、社会的には右派』という自身が属する政党らしい
政権であった。中道政権としてしっかりとしたバランス感覚で運営しているその政権手腕が無ければ今頃、フランスは黒シャツか
或いは赤旗が翻る事になっていただろう。
だが、だからといって常に物事がうまくいっているわけでは無い。今年6年目になる政権だが、そもそも暗黒時代(物理)は
その前から続いている。その頃は荒れに荒れており、ド・ゴール将軍なる人物がクーデターを企んでいるとの噂も飛び出したほどだ。
本人がわざわざ議会で無理矢理演説を初め、その噂を否定したが、これで議会の嫌われ者ド・ゴール伝説の始まりである。
また、いくらアルベール・サローの政治手腕が優れていろうと、物理的資源の問題は解決出来ない。
発想や、やる気だけで資源問題が解決するのなら、人間は資源を巡って戦争などしない。
そして、食料もまた立派な資源なのだ。彼の政権の安定感の一つが彼が推し進めている北アフリカ植民地への大規模投資事業だ。
フランスの植民地経営には一つの悪癖が存在する。
フランスは植民地経営において『同化』を重要視する。
それ故に積極的に学校や病院を作りたがるのだ。問題は、ソレばかりに熱中してろくに交通インフラや上下水道と言ったインフラには
一切投資しないという点である。
こんな歴史学のお話がある。緑の革命以前の世界は、いかなる時代地域であろうと、多少小細工をしようが、世界全体の
生産総量として、食料生産量はローマ時代から一切変わっていないと言う話だ。
にもかかわらず時代が進むにつれて餓死者などが減っているのは食料生産量が増えたのでは無く、保存技術や物流の改善による物である
と言う話である。
つまり、フランス植民地経営はこういう結果をもたらす。クソ忙しいときに子供たちという労働力を学校とやらに奪われ、
ありがたいことに病気は治療してくれるが、そのせいでかつてであれば死んだであろう人が生きてる事で全体の負担が増える。
死ぬべき人が生きているわけでソレは素直にありがたいが、だからといってすべてが問答無用でハッピーエンドを迎える訳では無い。
そして物流が改善していないと言う事は交通インフラもまともになっている訳では無いので、働ける場所を探して故郷の街や村を出ることは出来ず
ただ、人口だけが増え、餓死者も増える。そして、学校に子供という人手は人質の如く捕られる。つまりは――

――善意と不思慮の地獄である。

390: 名無しさん :2019/11/05(火) 01:26:35 HOST:175017014222.ppp-oct.au-hikari.ne.jp

アルベール・サロー政権は史実でもインドシナ半島植民地経営にあれこれと口出ししてた事がある政権だ。
そして、この世界線において、食料の重要性を痛感しているが故に、珍しく北アフリカにおいて、フランスは積極的に物流の改善、
交通インフラの大整備に投資しまくっている。そうしないとフランス国民が飢えてしまいかねないから。
が、そのせいで今北アフリカ植民地は一触即発の自体を招いている。
イギリス、フランス、イタリアの三国志になっているのだ。北アフリカの穀倉地帯を巡って。現地人には溜まったモノじゃ無いだろう。

「正直な話として、マジノ線のコストは馬鹿にならない。アレを多少でも削減して北アフリカ防衛、及び地中海の我が国船舶を守らねばならん。
昨今は海賊とやらが出没してて、困ると言わざる得ない」
「本島に海賊かね? たまに魚雷攻撃では? と思われる沈没船も出てくるが……」  「今現在は海賊としかいえん。どこぞの連中の仕業だろうがね」
「と考えれば、出来ればドイツには今回の件で潰れて欲しいと言うのが本音だが……」  「ポーランドでは弱すぎるか……」
ふと彼らは世界地図を見る。ポーランドでは弱すぎる。かといって自分たちは行きたくない。なら……

「……ロシア、ソビエト連邦。彼らがぶつかってくれれば最良の結果か……」

同年、同日、モスクワにて
「ポーランドは持たないな……」  「ですねぇ……」
その会議室には多くの人間たちが集まっていた。だが、自然、発言者はたった2人になっていく。

一方は党内人事権を掌握し、秘密警察を使い権力の座を駆け上がる1人の書記長。
一方は軍部をその戦歴によって掌握し、イデオロギーの使徒、外務人民委員。
本来であれば一方が敗退し一方が国家を掌握するハズだったが、現実は違う。
世界的な暗黒時代(物理)を前に、如何にソ連といえど、農民を史実の如く使い潰す訳にはいかなかったのだ。
というか、軍部には生きるためにその手の元人間が加わっている。イデオロギーの使徒はこの暗黒時代において
最高峰の希望の光でも有った。故に、生き残っている。怖い面構えの兵隊が後ろにいるが故に。
さすがに問題であるとして、党から孤立気味であり、かつ赤軍を歴とした軍事機構に変えるべく粛正の嵐が今もなお
吹き荒れているが、にしても、軍閥化した、トロツキー派は粛正の嵐の静かに生き延びていた。
とはいえ、トロツキーもその戦歴から、赤軍の問題も一応理屈としては理解しているので、最低限ではあるが
その粛正に協力しており、そして、スターリンの秘密警察の不法な行いを摘発する事をやっているので
困った事に赤軍の近代化は一応進んでいるのである。一応の範囲内だが。

「正直な所、ポーランドとドイツには是非とも共倒れして欲しい」  「……人心は乱れ、人々は救いを求めるだろう。革命という救いを」
ソ連という一つの国家として、最良のシナリオを口にするスターリンと、それに対して、イデオロギーの使徒として答えるトロツキー。
本来のかみ合わないはずの会話がかみ合う。

「ならば我らがやることはただ一つだな」  「……輸出ですな。世界革命に向けて革命の強う意思を」
「「フランスとイタリアに」」
ポーランドでは弱すぎる。だが、ドイツの背中を刺せる強い奴がいれば話は別だ。それは連中しかいない。

「……どうやって連中を?」  「地中海を荒らしましょう」
「……トルコが邪魔だな」  「……ケマル……。早まった手は無理ですな。なら……」
「「中東経由でアメリカとイギリスを刺激しますか」」
彼らが、目を付けたのはサウジアラビア、そしてクウェート。

391: 名無しさん :2019/11/05(火) 01:29:31 HOST:175017014222.ppp-oct.au-hikari.ne.jp
以上で終了です。たぶんですけどバナナベルトに位置する穀倉地帯は噴火火山のお膝元でも無い限りは
たぶんなんだかんだで元気な穀倉地帯かと思われた結果

北アフリカの重要性がすっごい上がっちゃいました。フランスイギリスイタリア三国志になるくらいには

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最終更新:2019年11月11日 12:02