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銀河連合日本×神崎島 ネタ とあるU-Bootの日常
北海 ユトランド沖 ドイツ連邦共和国海軍 第1機動隊群第1潜水戦隊 U-Boot212A型『U-31』 CIC
「アップトリム20、深度10、潜望鏡深度まで浮上。」
「了解、アップトリム20。深度10まで浮上。」
「深度10へ到達。」
「潜望鏡降ろせ。」
数年前は港で高価な置物と化していた本艦であるが現在は機関も電池もご機嫌である。
これも第二次中独合作(対日神同盟)により流れ込んだラインの黄金(チャイナマネー)と政府(リベラルナチ)が言う所の
時代遅れのカイゼル(皇帝陛下)を戴く赤き枢軸(日本と神崎島)とその同盟国に敵対する国家への最新兵器や最新機器の輸出による外貨獲得の成果であろう。
その代償にかつての友人達(EU)をほぼ失った訳であるが。
その後潤沢な資金が投じられた本艦は火器から電子機器に至るまで東洋のコミュニスト(中華人民共和国)の協力により近代化されU-Bootとして先進的な性能を持つに至った。
しかしながらU-Bootの魔境と化している太平洋では"それなり"でしかないだろう。それは同様に同盟国の手で準同型を近代化した某半島が証明している。
まあ、魔改造されつつある大型のシーサーペント(そうりゅう型)や最早U-Bootの範疇に入らないとU-Boot乗員一同満場一致で名誉除外された超大型のクラーケン(潜特型)
と比べるのも酷であろう。
「来たぞ!間違いないオストゼーパトーリア(バルト海定期哨戒)だ。」
そう叫ぶ艦長の目に映るのは戦艦モドキ(ADM級)以上の大型艦、38.1cm、15インチの連装砲を装備した歴とした主力艦(戦艦)、ライミー風(イギリス人)に言うならば
"Alte Dame(偉大な淑女)"である戦艦Warspiteを旗艦とするラインの乙女達(神崎島鎮守府遣英艦隊)だ。
このU-31は定期的にバルト海を哨戒するラインの乙女達(遣英艦隊)を偵察、監視するためにこの海域にいた。ちなみにこの定期哨戒は神崎島では東京急行にちなみ
東海(オストゼー)急行と呼ばれている。
現在、イギリスのポーツマスには戦艦二隻に正規空母一隻居座り常日頃祖国(リベラル第四帝国)に圧力を掛けている。
政府(リベラルナチ)はイギリスを指してファシストやナチと声高に叫んでいるが現在の共和国(ドイッチュラント)こそライヒ(第三帝国)の正統な後継者であろう。
そして彼女、尊厳や勇気の代名詞、英国人の親愛を一新に集め、二度に渡りライヒの野望を砕いた艦は再び野望を砕くために帰って来た。
しかしそれはユニオン・ジャック(偉大なる大英帝国)の元にではない。
艦尾に翻るライジング・サン(旭日旗)とメーア・コンパス(海色羅針旗)、未だ神代の神秘と栄光の歴史を継承する赤き太陽の沈まぬ帝国(大日本帝国)の末裔の
守護者(八百万の神)に身を置いているのだ。
そして彼女はジレーネクリーク(もう一つの第二次世界大戦)を駆け抜けた史実以上の武勲艦でもあるという。
地獄の太平洋戦線、煉獄のレイテ(レイテ沖海戦)もマリアナキャンペーン(マリアナ沖海戦)も超え、政府(リベラルナチ)にとって忌々しきBismarckら
ナチの残党(旧国防軍艦艇)と共に新ライン演習作戦を成功させたいう話だ。
それだけで政府(リベラルナチ)は発狂ものであろう。
そんなことを考えながら政府(リベラルナチ)の考えには染まっていない生粋のU-Boot乗りでマリーネ(海軍軍人)である艦長は溜飲を下げる。
「……やっぱりワルキューレ(艦娘)はカッコいいなあ。」
大型スクリーンに映る映像を見た配属間もない若いヒヨッコU-Boot乗りがマリーネ(海軍軍人)の間の隠語を零す。
CICに若干緊張が走る。
ここには省へと昇格し共和国(ドイッチュラント)全体にその影響を行使可能な旧憲法擁護庁(リベラルSS)より派遣され、連邦軍の憲法の理念遵守を監督する
連邦共和国軍憲法擁護指導官(政治将校)が存在するのだ。
彼らのカンに触れば即座に憲法擁護矯正施設(リベラルゲットー)に送られてしますだろう。
しかし彼は運が良かった。
174: 635 :2019/11/20(水) 20:36:09 HOST:119-171-231-231.rev.home.ne.jp
「訂正したまえ、彼女らはラインの乙女(祖国の戦女神)ではない、大洋のローレライ(神崎島の艦娘)だ。まあ祖国(現在の政府)にとっては災いを振りまくという意味で変わりはないがね。」
憲法擁護指導官(政治将校)は片目でウィンクしながら喋る。
どこに目があるか分からないから下手なこと言うなということだろう。
このご時世話の分かる憲法擁護指導官(政治将校)なんぞ貴重どころの話ではない、戦艦モドキ(ADM)に乗る同期なんぞ毎日腹痛を覚えてるそうだ。
それを横目に艦長は改めてWarspiteを見る。
資料として見た戦時中のWarspiteや大英帝国最後の戦艦Vanguardとも違う。
Vanguardはヨーロッパの砦の様な艦橋をしていて、装甲艦(ADM)の艦橋には尖塔(ミナレット)がまるでそびえ立つクソの如く立っているがそのどちらとも違う。
ヤーパン(日本)のアサヒ型やアキヅキ型に似たヤーパンの城郭の如き重厚な艦橋だ。
そこにヤーパンの最新鋭のAESA(アクティブフェイズドアレイレーダー)が装備されている。
ヤマト型に比べれば小さい主砲も恐らくは液体装薬に換装、SSHS(超々大重量徹甲弾)にも対応した薬室を備えているだろう。
同期が聞いた戦艦モドキの装甲艦(ADM級)の艦長のグチも分かる程の惚れ惚れするほど美しい戦艦だ。
「ところで憲法擁護指導官殿、忌々しきファシスト共に鉄槌は下されるので?」
気の知れたこの憲法擁護指導官(政治将校)に艦長はわざとらしく謙り攻撃するのかと話を振る。
憲法擁護指導官(政治将校)は苦笑いしながらこちらもわざとらしく同盟国(コミュニスト)の同業者の如く否定する。
「同志艦長、独断専行はナチ的な行為であると偉大なる政府(リベラルナチ)は指摘している。我々に下されたのはあくまでも偵察と監視でしかない、それとも君官はナチかね?」
そんな二人のやり取りに周囲から笑いが漏れる。
しかし、淑女(Old Lady)を盗み見る時間がそれ程取れないのは物語の常である。
「Warspiteよりレーダー波を確認!潜望鏡監視レーダーと思われます!」
「護衛の駆逐艦がこちらへ向かってきます!」
「反応が以前より早いな……。ベント開け、急速潜航!」
「急速潜航!」
良く訓練された乗組員の手によりU-31は手慣れた様子で急速潜航を行う。
毎回のように実戦を繰り返していればこうもなる。
ラインの黄金(チャイナマネー)で消耗品気にせず訓練出来るのも大きいのであるが。
「やれやれ政府(リベラルナチ)がこうなってからこういうことが多くてこまる。」
「同感ですな。軍人は暇な方が良いものですからな。」
憲法擁護指導官と艦長はそんな会話をしつつ急速潜航中のためにそこらの取っ手に掴まる。
「こんなご時世になってなきゃ日本でBismarckに会って見たかったんだがな…。」
「何かご理由が?」
「曾祖父様がBismarckに乗っていたんでな。その人の話を聞いてみたかったという話さ。」
そんな二人の会話を置き去りにして一隻のU-Bootは暗い海へと姿を隠していった。
北海 ユトランド沖 神崎島鎮守府遺英艦隊 旗艦 『HMS Warspite』 CIC
「目標急速潜航中。」
「現在JervisとJanusが所属不明潜水艦付近に急行中。」
「艦長、本艦もロクマルを出しますか?」
CICの大型モニターを見ていた副長は振り向き艦長席に優雅に座るWarspiteに問う。
「その必要はないわ。恐らくは唯の覗き見でしょう。」
「キャベツ(クラウツ)共も意気地がないですな。ストームトルーパー(突撃歩兵)を見習えと言いたいところですが。」
「それでは唯の無駄死にでしかないわ。」
「それでは同盟国のカミカゼを。」
Warspiteと副長がそんな話をしているとCICに詰めるティ連系神崎島軍人の皆さんはヒソヒソと話をする。
「(キャベツってトンカツ付け合せのあのキャベツデスヨネ?)」
「(トンカツカ…カツカレーガ食イタイ。)」
「(ストームトルーパーって消耗率高いケド無駄死に多かったデシタッケ?)」
「(何故ここで駆逐艦カミカゼの話ガ?)」
そんなピントのズレたティ連系の話を聞いていた周囲の英国系妖精達は思わず吹き出し、Warspiteと副長は怪訝な顔をして振り向いていた。
175: 635 :2019/11/20(水) 20:37:38 HOST:119-171-231-231.rev.home.ne.jp
以上になります。
実験的に隠語やらスラングやら入れてみたので読みにくいのはご容赦を。
多分ドイツの軍人さんたちは日々を逞しく生きています。
転載はご自由にどうぞ。
最終更新:2019年11月26日 12:02