814: 加賀 :2019/12/14(土) 19:28:23 HOST:softbank126002134082.bbtec.net


「全く、本当に人生とは分からんなぁ……」
「あの世界を体験した我々に課せられた使命……なのかもしれませんな」

 1950年10月下旬、橋本と松田は海上自衛隊の呉基地にいた。元々、あの大戦後の海軍から第二復員省に移籍した後は復員事業も終了し二人は退役して家族と過ごしていたがそれを歴史は許す事はなかった。
 そんな二人を呉基地で出迎えたのは五藤海将だった。

「やぁ二人とも、久しぶりだな」
「五藤さんもお変わりなくですね」
「参謀長の身には少し忙しいがね」

 五藤は復員省から新たに変わった警察予備隊に移籍しその後海上自衛隊に変わり今は海将として自衛艦隊参謀長として務めていた。

「それで……我々にお願いとは?」
「まぁある程度は読めていますけど……」
「うん、察しの通りだ。君達二人に現役復帰の要請が来た」

 五藤はそう言って二人に書類を渡す。中身はズラズラと書かれていたが意訳すれば『君ら現役復帰ね《吉田総理大臣》』である。

「やはり釜山陥落が原因ですか?」
「それもある。が、一艦隊を率いているのが吉田君だからね。一航艦を率いている山口君と比べられるとどうしてもね……」

 この時、海上自衛隊は主に三個艦隊に集約されていた。それが山口多聞海将の第一航空艦隊ーー通称一航艦と吉田英三海将補の二艦隊ーー通称主力艦隊と『あきつ丸』等が主力の輸送艦隊である。
 山口海将は第二復員省からそのまま海上自衛隊に移籍しており空母を率いるのは文句なかった。しかし、吉田だと元は海軍大佐でありそれが壁となる事も多々あったのだ。

「引き受けて……くれるかね? 状況は史実より酷くなっている」
「……引き受けますよ五藤さん。釜山陥落であいつらが逃げ込んだ先は博多でしょ?」
「あぁ。一応米軍が監視しているが奴等、何をするか分からん。国内にいる在日の勢力に何やら指示をしているらしいが……」
「良くない事が起きそうですなぁ。ですが五藤さん、此処は奴等に暴発させるのも手ですよ」
「……本気か?」

 松田の言葉に二人は目を見開いて松田に視線を向ける。

「ゲームの受け売りですがね……『燃え上がる石油は爆発を起こして消すんだ。酸素が無ければ火は消える』」
「松田、ブランクで瑞雲は錆び付いたか? しっかりしろ」

 松田の言葉に橋本はあのゲームを思いだしながらそう言う。

「『こいつは大火事だ、デカイ爆発で消すしかない』つまりはそう言う事です」
「……ここだけの話にしてくれ」

 松田の言葉に五藤は肩を竦める。

「では11月付で復帰になるよう手配をしておく。ちなみに橋本は二艦隊司令長官で松田は二戦隊司令官な」
「……やっぱ辞めていいですか?」
「無理ダナ(・×・)」

 そう告げる五藤に橋本は肩を落とすのである。

「ところで米海軍、マジで瑞雲を採用しているんですか?」
「マジも大マジだよ。ライセンスを許可した輩はこいつだしな」

 五藤は松田を指指すが松田は笑いだした。

「フハハハハハハ!! 瑞雲の性能は世界一ィィィィィィィィィィ!! こんな事も!こんな事も!あ、こんな事もあろうかと!! 第二復員省勤務時にフレッチャー大将に瑞雲採用を強く要請したのだよォ!!」
「シュト○ハイムならぬマツダトロハイムだなぁ」
(見かけは美味そうだが食ったら不味そうな名前だな)

 五藤の呟きに橋本はそう思うのであった。11月、橋本と松田はそれぞれ海将と海将補として現役を復帰する。それと同時に二艦隊旗艦『長門』に海将旗(中将旗)が掲げられたのである。
 そして事態は急変する。九州の博多から緊急電が届いたのである。

『逃げてきた大韓民国の首脳部が博多市役所を占拠し臨時政府を宣言、同時に大韓民国古来の九州島を保有する事を宣言!!』

 後に伝わる『博多・対馬事変』の始まりであった。

815: 加賀 :2019/12/14(土) 19:36:03 HOST:softbank126002134082.bbtec.net
  • 松田、シュト○ハイム化
  • 橋本、二艦隊司令長官へ
  • 米海軍、瑞雲!瑞雲!瑞雲!
  • 大韓民国「俺たちの出番だな」(そんなものはない)

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最終更新:2019年12月22日 11:22