940: 弥次郎 :2020/01/11(土) 20:10:36 HOST:p2580066-ipngn200609tokaisakaetozai.aichi.ocn.ne.jp
憂鬱SRW IF マブラヴ世界編SS「Zone Of Twilight」5
- 仮想空間「ヴォールクデータ」改 仮想ハイヴ(フェイズ3)
ドリフトを疾走する振動を受け止めながらも、東アジア共和国軍所属の馬春栄少佐は忙しなく周囲を警戒する。
ハイヴ内部という閉鎖空間---レーダーやソナーでも発見が遅れる可能性があるという想定が当然の如くされるこの領域で、予兆を感じ取るか発見できなければそれが致命傷となり得るというのは、これまでの経験から馬はよく理解している。
結局のところ、どれだけ敵影を感知するセンサーなどが進化しようとも、反応するパイロットの側が対応しきれなければ何の意味もない。
『チェックポイント08-7を通過』
「了解した」
CPからの連絡に短く返答し、機体の制御に集中する。既にいくつかの広間を通過し、BETAの集団を突破してきた。
体感ではなく、機体に記録されているログをたどるならば既に1km以上は走破してきている。ということは、中心にある筈のメインシャフトも間もなくなはず。
だが、メインホールまで一直線のそこは、この連合の手が加えられたヴォールクデータではある種の死の空間となっている。
ハイヴ内部に点在するレーザー級の存在---メインシャフトからメインホールに飛び込んでくる敵機をレーザーで狙い撃つBETAがおり、加えてシャフト自体に多数のBETAが張り付いていて、虎視眈々と狙っているのだ。メインシャフトにあらゆる角度で走る柱から飛びついてくることが多い。
乗っているMS---ティエレン・ホンの装甲ならば、レーザー級にしてもタンク級やグラップラー級などの攻撃はたやすく防げる。
元々ティエレンの装甲が分厚いことに加えて、レーザー対策の臨界半透膜とナノマシン装甲をあわせることでまさに鉄壁と化している。
だが、それではシミュレーションの意味がない。設定上は何度か受ければ貫通するという設定でこのシミュレーションは進んでいる。
(前回はそこで損傷を重ねすぎたな……)
操縦桿を絶え間なく動かす馬は、前回のシミュレーションにおける損耗が大きくなりすぎた原因を思い返す。
ここまでBETAは強くはない、と言われているのだが、地球連合からすれば異星生命体、しかも侵略的ともなればこれくらい強くてもおかしくない。
常に悪い状況を想定し、対応できるように動き続けること。これまでの経験則からBETA相手に油断はいらないと感じているのは誰しも同じだった。
「っ!そこだ!」
センサーのアラートとほぼ同時に操縦桿はメインウェポンの200mm×25口径滑腔砲を操作し、シャフトに飛び出してきたデストロイヤー級を打ち抜く。
狙うのは脚部。素のデストロイヤー級ならば正面から余裕を持って撃ち抜けるのだが、今回はそれは通用しないことになっている。
迅速に弾を叩き込んでこちらに突進してくるのを止めて飛び越える。おまけのようにグレネードを投げつけてやれば玉突き状態の集団がまとめて吹き飛ぶ。
941: 弥次郎 :2020/01/11(土) 20:11:22 HOST:p2580066-ipngn200609tokaisakaetozai.aichi.ocn.ne.jp
ほどなくして、部隊はメインシャフトに到達。下方への準備射撃を暫く行った後、フリーフォールとなった。
準備射撃のおかげか、とびかかって来るBETAの数も少ない。互いに周囲を警戒し、張り付いているのを適宜排除すれば問題はなかった。
『! 少佐、レーザー照射を確認!』
「来たか!」
降下していたティエレン・ホン16機は空中で制動をかけ、機体をひるがえして回避を選ぶ。
次の瞬間にはレーザーの嵐が先程まで自分達がいた空間を貫いていた。何度やってもこの不意打ち的な射撃にはなれない。
だが、何時までもうかうかもしていられない。インターバルを挟んでレーザー級は上空の敵に攻撃を仕掛けてくる。
そんなことは分かり切っているので、選ぶべきは一つしかない。
「吹っ飛ばしてやれ!」
メインウェポンであるビームライフルの射撃の応撃が、メインシャフトの下、こちらを狙い続けるレーザー級を焼き払う。
だが、相手は数が多かった。こちらはショートビームライフルも動員して焼き払いつつあるのだが、インターバルは無情にも過ぎる。
「……3、2、1、今!」
カウントされていたインターバルが明け、再びレーザーの嵐。今度も部隊各員は余裕をもって回避運動をとれた。
だが、レーザーの照射は続いた。馬の予測していた以上に長く。必然として回避運動が選ばれ、コクピットには困惑が満ちる。
「どういうことだ……!?」
言いながらも、答えは分かっている。敵のレーザー級と重レーザー級の増援が駆け付けたのだ。
だから、手足は既に必要な操縦を入力していた。背部大型バインダーをはじめとした機体各所のスラスターをフル稼働。
僚機と激突しないように、しかし、単調でレーザーの照射軌道に入らないように慎重に動かす。閉鎖空間、しかも全機が一つの空間を降下しているのだ、誰か一機が激突した時点で連鎖的に全滅してしまう可能性が十分にあり得る。なればこそ、個人の操縦技術が物を言う。
一部が先行してシャフトを降下し、一部がスラスターの逆噴射で制動をかけ、上下に散らばって回避運動。
同時に、これまでは温存してきたアンチレーザー爆雷をばら撒いて、メインシャフト内部のレーザーの威力を減衰させ、万が一に備える。
やがて、メインシャフトの短くも長い降下は終了し、全機が損傷軽微でメインフロアに到達した。既にメインフロアは、降下中に仕留めた分を含め、大量の、数えることも億劫になりそうな数のBETAの死骸で埋め尽くされている。
というか、その死骸は現在進行形で増え続けていた。何しろメインシャフト上部からはBETAが次々と落下してきていて、先程から頭部機銃やガトリングガンなどによる対空射撃がやめられない。死骸や体液で機体は既に汚れきっている。
だが、それでも確実に全機がメインフロアの奥にある反応炉の近くにまで接近することが出来ていた。
「各機、焼き払え!」
そして、フォーメーションを組み替え、周囲警戒と攻撃担当に分かれたティエレン達は、背部のビームキャノンの銃口を揃え、狙う。
狙うは反応炉。放たれるのはヒトの紡ぎあげてきた力の結晶。数分の攻撃の後、反応炉は停止。それを確認した部隊は、迅速にハイヴからの脱出を開始した。
942: 弥次郎 :2020/01/11(土) 20:12:04 HOST:p2580066-ipngn200609tokaisakaetozai.aichi.ocn.ne.jp
ハイヴ攻略をシミュレーションとはいえ成した馬率いるMS隊はシミュレーターから出て休息をとりながらデブリーフィングを行っていた。
BETAの能力を高めるなどして意図的に難易度を上げているヴォールクデータ改は、やはりというか通常のそれよりもパイロット達の消耗を誘う。
だが、シミュレーションだからこそ、より悪い状況を想定しての訓練が可能で、そうしなければ備えにはならない。
馬の率いるMS隊---赤兎隊のメンバーの中にはELS迎撃戦などに参加し、膨大な数を相手にした経験を持つパイロットもいる。
そんな彼らに言わせれば、BETAの相手はかなり楽な部類だという。実際、当時は比較的後方に配置されていた馬も交戦したのだが、その異常な学習能力や適応能力はその外見的な不気味さも相まってとてつもなく恐ろしいものだった。
だから、素のままのデータでの対BETA訓練というのは、既にこの隊の面子にとっては既知であり、学ぶ段階を通り過ぎているのだ。
「……ということもあり、濃密な生体レーザーの対空射撃に対する備えとしては---」
「防御性を鑑みればシールドの搭載などももちろんだがやはりレーザー級の排除を進めて…」
「だが、ハイヴ内では実質補給は不可能だ。だからこそ、撃破は最低限にとどめるべきで…」
交わされる議論は、ハイヴに突入可能な部隊を如何に動かすか、あるいはどのように判断を行うべきかという命題。
本来、この手の大型構造物はAFなどの事前砲撃で崩し、そのまま攻略してしまうというのがこれまでの地球連合の持つドクトリンであるが、ELSのような例を考慮すると必ずしも通用するとは限らない。だからこういった内部突入のシミュレーションも行うのは通常通りだ。
そしてこの手の突入戦、あるいは攻略戦においては如何に消耗を抑えるかという点にすべてがかかってくるのである。
武器弾薬の消耗、推進剤や機体の消耗、パイロットの精神的肉体的な消耗---大小数万を超える敵生体ユニットのいる拠点に踏み込んだ瞬間から、この問題は重くのしかかり始め、時間を追うごとに負担を増していく。人型兵器ということは、同時に人型ゆえの限界を持つ。
武器が無ければ徒手空拳しかなく、素早い動きを行うには人が持ちえない機構で機体を制御する必要がある。
そしてなにより、人の10倍はある機体を動かす人間はどうあがいても人間であり、鍛え上げていたとしても体力には限度がある。
少なくとも東アジア共和国軍ではハイヴを機動兵器のみで攻略するというのにあまり現実味や確実性を見出してはいない。
突入し、内部を突破し、反応炉を破壊し、離脱する。並べるだけならば簡単だが、あまりにも負担が大きすぎる。
幸いにして、大型MAやAFの火力などならば地上・地下の構造物を地殻ごと吹き飛ばして大きくショートカットできるだろうし、この世界でも行われているが、内部に潜むBETAを外部へと釣り出して殲滅することによる間引きを十全に行えば可能性は向上すると判断できる。
そういった気付きは、果たして各国で共通認識となっているのか。あるいは、それを実現可能な戦力が存在するのか。
アラスカ出向組においては、この点を現地部隊との交流において確認し、各国ごとのずれなどを確かめることを優先課題としていた。
943: 弥次郎 :2020/01/11(土) 20:13:05 HOST:p2580066-ipngn200609tokaisakaetozai.aichi.ocn.ne.jp
ユーコンへの出発を明日に控える東アジア共和国の出向部隊である赤兎隊は、アシハラノナカツクニ級トヨアシハラでの最終調整に励んでいた。
現在彼らがいるのはトヨアシハラにドッキングしている東アジア共和国管轄ブロックの一角で、そこで実機も交えた訓練を行っている。
本当は地球連合からの出向群は一度にまとまって行きたいところであったのだが、流石にユーコン川の受け入れ態勢の限界があり、現地での拠点設営などもあるため、およそ1日から2日の余裕を以て、ユーラシア連邦の出向群と共に出発することとなっていた。
その後は現地の部隊と合流し、国連の管轄の元で交流や演習、技術提供などを行う予定だ。自分達が担当することになるのは統一中華であるが、
これがまた面倒が絡むのではと馬少佐は懸念していた。聞いたところによれば、この世界の中華は共産党と国民党が足を引っ張り合いながらも戦っており、現在は薄皮一枚の状態で台湾に逃げ込んでいて本土の奪還を目論んでいるらしいのだ。だが、そんな事情故に外交では苦労している。
どうやら嘗ての大日本帝国を中心に集まっている大洋連合との付き合いを「共益」という形で実現している東アジア共和国を危険視しているとのこと。
まだBETAとの戦線が中国大陸で維持されていたころから、嘗て侵略を仕掛けてきた日本鬼子へのやっかみなどは残っているのだ。
(そんなことをしている場合ではないだろうに……)
どうやら、自分の祖国の同位体は面子に固執し過ぎる節があるようだ。
カシュガルに着陸ユニットが着陸した後の対応然り、その後のBETAとの戦線の維持然り、その後本土失陥後の政治然り。
勿論面子というものを政治が重視することくらいは理解できるが、いくら何でも情勢を鑑みれば敵よりも味方と争うことに力を注ぎ過ぎだと思う。
やはり政治は面倒ごとなのだ、とデブリーフィングを聞きながらも馬は思うのだ。
こういうのが続いているから30年も経っても全然戦局が改善せず、押しこまれる一方なのではないのか。
人間同士で争っていた時間の方が長く、その時の流れを断ち切れずにいるのだろうか。いうのもあれだが、馬鹿馬鹿しくはないのか。
実際、自分達は過去のやっかみやトラブルを超えて手を取り合い、何度も侵略者を打ち払ってきた経歴があるだけに、余計に思う。
(ともあれ、自分達にできることをするしかない、か)
政治のことは政治家が決着をつけるだろう、とぶん投げることにした。
できることは、ユーコン基地で統一中華の戦術機のパイロット達の技量を底上げし、新たな技術を供与すること。
それで少しでもこの世界の人間の延命につながってくれれば、ひいては人類の反抗の兆しとなってくれれば冥利に尽きるというもの。
そう思いを新たに、馬は意識をデブリーフィングの議論へと再度集中させることにした。
944: 弥次郎 :2020/01/11(土) 20:13:50 HOST:p2580066-ipngn200609tokaisakaetozai.aichi.ocn.ne.jp
《メカニック紹介》
ティエレン・ホン
形式番号:EAMS-206
全高:19.77m
基本重量:84.92t
装甲材:ナノマシン装甲
動力源:Pジェネレーター
特殊機関:テスラドライブ
標準装備:
頭部30mm機銃×2
200mm×25口径長滑腔砲/ビームライフル/ビームバズーカ/270mmバズーカ
ビームサーベル/ビームトマホーク
腕部100mm機関砲
ショートビームライフル×2
背部大型ビームキャノン×2
装甲部内蔵マイクロミサイルポッド
モジュール装甲/シールドシステム
隠し腕
概要:
東アジア共和国が開発したMSティエレンの近代化改修モデル。
元々重装甲・高火力であったが、機動兵器としてはやや致命的なことに機動性に難があった。
そんなティエレンであったのだが、これにテスラドライブをはじめとした新技術の投入により大胆に改装、大幅な性能向上を図ることに成功した。
ベース機としては総合性能向上機といえるティエレン・タオツー及び全域対応型が選ばれており、素体のフレームを活かしつつも、これまで以上の汎用性とこれまで求められていた機動性に割り振った方針で改良が進められている。
まず本機で目を引くのが、背部の大型バインダーを始め全身に追加されたアポジモーター及びスラスターユニットである。
高機動化を図るにあたり機体フレームの剛性は問題が無いと判断されたが、物理的にそれを動かす機構が圧倒的に足りていなかった。
このため、メインの推力を生み出す大型バインダーは極めて多角的に動かせるように設計、各所のスラスターと連動させることで、強引ではあるものの機動性と運動性の向上に成功。ここでのバランスの悪さはテスラドライブによって解消する形となった。
そして従来から問題であった重量についてもナノマシン装甲の採用や装甲材の強化によって大幅な減量に成功した。
それらの結果、見た目によらず俊敏な機動性を獲得し、所謂「動けるデブ」となっている。
またティエレン初期からの伝統である火力も、高出力のビーム兵器の搭載やマイクロミサイルポッドなどで維持しており、機動性の向上とあわせることによって発揮できる攻撃能力を新調させることに成功している。
マブラヴ世界側から見て第一世代戦術機に類似していることから当初は侮られていたが、外見に見合わぬ機動性や運動性から大きく評価を改められることとなる。
945: 弥次郎 :2020/01/11(土) 20:14:49 HOST:p2580066-ipngn200609tokaisakaetozai.aichi.ocn.ne.jp
《武装紹介》
頭部に内蔵された近距離における対空・対ミサイル・対物迎撃用機銃。
口径としては小さいが装弾数は十分で威力も申し分なし。
- 200mm×25口径滑腔砲/ビームライフル/ビームバズーカ/270mmバズーカ
選択式のメインウェポン。アンフ、ティエレンと続く系譜の一般的な武装群。
このほかにもガトリングガン、ショットガン、ミサイルランチャー、長距離狙撃用ライフルなどバリエーションは多数存在する。
フェイルセーフとして内蔵されている機関砲。
信頼性の高い実弾兵器であり、威力や射程も十分で安定性がある。
選択式の近接格闘武器。質量打撃兵器としても使えるトマホークも取り回しの良いサーベルもどちらも装備されることが多い。
太腿のホルスターに格納されているビームライフル。フェイルセーフ的な意味合いが大きい。
出力を高めることでビームサーベルとしても使用が可能で、手練れのパイロットは隠し腕を用いて奇襲などに使用する。
背部のバインターに1門ずつ装備された大型のビームキャノン。ジェネレーターからの直結方式で高い火力が売り。
中遠距離戦においてもっぱら使用されている。ただし過度な連射はパワーダウンの元になるので注意が必要。
各部装甲に内蔵されているマイクロミサイルの発射管。機体容積の大きいティエレンでは非常に装弾数が多くなっており、通常の炸薬の他、アンチビーム爆雷・スモーク弾・信号弾など多様な弾頭が用意されている。
ティエレン・ホンにおいてはシールドや追加装甲などは基本的に外付けのモジュールシステムとして採用されている。
これは高機動に加えて本体の耐久性によって敵機の攻撃を躱し、あるいは受け止めるという発想の元で開発されたためである。
防御兵装としての他、武装ラックとしての機能も持ち合わせており、任務や戦場の状況に合わせて装備される。
本体重量を大きく削減できたのも、このモジュール装甲を前提に設計されたことが寄与している。
オプション兵装の一つ。フロントスカート部に一対二本の内蔵式の腕が搭載されたモジュールパックを装着することで使用可能となる。
主に対MSおよび類似する人型兵器との戦闘においてビームサーベルによる奇襲に用いるほか、サブウェポンのグレネードの使用を担当する。
946: 弥次郎 :2020/01/11(土) 20:15:52 HOST:p2580066-ipngn200609tokaisakaetozai.aichi.ocn.ne.jp
《簡易部隊紹介》
〇ブルー・スターズ/ランバ・ラル隊
ランバ・ラル中佐率いるMS部隊。大洋連合からの出向部隊となる。部隊章は青い星。
機動兵器黎明期からのベテランパイロットであり、軍人としての歴も長いラル中佐を始め、数々の戦闘をくぐり抜けてきた最精鋭部隊の一角。
配備MSとしては、ラル中佐が陸戦型サザビー、そのほかはザクⅢ改などが配備されている。
持ち込まれている戦術機としては蜃気楼および蜃気楼R型などで、β世界各国に対する技術供与及びライセンス契約のプレゼンにおいて主役を務める。
〇モノケロス隊
建前的にはランバ・ラル隊とは別の試験部隊となっているが、その実態は大洋連合の村雨研から出向してきたNT部隊。
主としてソ連のESP能力者への対処を行うために集められたNT達によって構成されている。同じ村雨研に所属していたということからか、部隊名や部隊章はNTのMSパイロットとして有名なアムロ・レイに由来しており、部隊員もリスペクトしている所が見受けられる。
実戦慣れや、機体のばらつきによって発揮できる総合的な戦闘力ではブルー・スターズには劣るところは存在しているが、NT能力に由来する高い技量と操縦技術を発揮するため戦力としても十分な能力を持つ。
配備されているMSもZガンダム、ドーベンウルフ、サザビーなどで、いずれもサイコミュやサイコ・フレームの搭載でNTの能力を拡張させるMSばかりである。
〇ロート・フライシュッツ
ユーラシア連邦のMS部隊。部隊長はロートス・リング中佐。部隊章はクロスさせたボルトアクションライフルとそれを囲む二重のリング。
隊を構成するパイロット達は機動兵器黎明期組より一世代若い世代が中心となっており、ベテランが多い。ロンド・ベルへの出向者こそいないが、高レベルのパイロット達が集まっており、平均技量は高い部類に属している。
MSとしては今回汎用機としてゲルググⅡ(ツヴァイ)、近接格闘機としてギャン・クリーガーβを配備。そのほか、ソ連軍への売り込む戦術機としてSu-27Dなどを配備している。
地球連合の間で交わされた取り決めによりソ連との交渉などを担当することにはなっているが、大洋連合同様にソ連への信用は低いとされる。
ここにはユーラシア連邦との外交において何らかのトラブルが発生していることが原因と言われている。
〇ルナ・ハンターズ
大西洋連邦からの出向部隊。部隊長はウィリアム・“オールド”・ハンター中佐。副官はクラーラ・ユノー少尉。
指揮官としてヨハン・M・アウグスト大佐が着任している。部隊章は三日月を背景に弓を構えた狩人。
説明不要な大西洋連邦軍のパイロットでありMS黎明期からのベテランであるハンター中佐を中心とした精鋭部隊で、ELS迎撃戦をはじめとした激戦をくぐり抜けながらも、そのパイロットの損耗率を一桁%に抑えているという記録を持つ。
今回のアラスカ出向においては、XF-15Vをはじめとした大西洋連邦の改修機を多数持ち込んでおり、フェニックス構想に協力する任務を遂行する。
隊の運用するMSとしてはウィンダム・パルサーとフォレグ・スタンダムなどの他、通常兵器やMTでもいくつかの種類を持ち込んでおり、β世界の
アメリカを通じてβ世界各国へ自国の工業品などの輸出を目論んでいる模様。
〇赤兎隊
東アジア共和国から派遣されてきたMS部隊。部隊長は馬春栄少佐。指揮官は黄大佐。部隊章は後ろ足で立ち会がる真っ赤な馬。
機動兵器の本格配備及びドクトリンの構築後に、より洗練されたカリキュラムを完了したパイロット達によって構成されており、戦歴こそ古参組に比較的短いものの、個人の才覚に悪い意味で依存した運用から脱却し、安定した戦闘能力を発揮できる。
主力MSとしてティエレン・ホンを配備。戦術機に関しては統一中華のドクトリンが大日本帝国と酷似していることから、独自の改修機などの持ち込みは行っておらず、もっぱら武装や追加モジュールなどに限定して持ち込みを行っている。
〇近衛軍戦術機試験運用部隊「ホワイト・ファング」
アラスカ ユーコン基地に派遣された試験部隊。部隊長は篁唯衣中尉。副隊長は雨宮中尉。
原作と異なり、連合供与技術を使った94式不知火 壱型丁およびXM-3亜種のOSの試験運用という任務で唯衣を部隊長として派遣されてきた。
構成する戦術機は、00式武御雷および94式不知火 壱型丁。また、ザクタンクモドキである日向見も持ち込まれているほか、フェニックス構想と同じようにOSを変更しアビオニクスとモジュールの追加で性能向上を図った吹雪改なども含まれており、海外及び連合の監修のもとで新型戦術機に関する蓄積を行う任務を帯びていることが窺える。
947: 弥次郎 :2020/01/11(土) 20:16:37 HOST:p2580066-ipngn200609tokaisakaetozai.aichi.ocn.ne.jp
以上、wiki転載はご自由に。
ちょっと整理を兼ねて東アジア共和国視点のお話を。
ついでに地球連合からの出向群についての解説を簡単に行いました。
次回はブリーフィングかなぁ…アルゴス小隊+原作XFJ計画の面子が出向群と出会う感じで。
ヤサグレユウヤ君の出番です、良い意味でも悪い意味でも・・・w
最終更新:2020年01月15日 10:08