591: 加賀 :2020/01/17(金) 21:49:36 HOST:softbank126194183072.bbtec.net
「小沢さん、第一艦隊より電文です」
「おぅ……これは……」

 市ヶ谷へ新たに本拠地を構えた日本国防衛省の海上自衛隊司令部にて五藤海将は小沢海将(海上自衛隊司令長官)に第二艦隊旗艦『長門』から届いた電文を渡し、一目した小沢は五藤を見る。

「……間もなく激突するでしょう」

 その言葉に小沢は直ぐに皇居へ向かい、陛下と対面をする。

「午前6時31分、旗艦『長門』より発信!『12月8日午前4時45分、海防艦『志賀』ヨリ456地点ニオイテ敵艦隊見ユトノ警報ニ接シ連合艦隊ハ直チニ出動、コレヲ撃滅セントス。本日モ天気晴朗ナレドモ波高シ』!!」
「……そうか」

 小沢の報告を聞き終えた陛下はゆっくりと立ち上がる。

「小沢、海戦の報告は逐一報告せよ。日本の……日本の行く末は此処で決まる」
「……ははっ」

 陛下の言葉に小沢は低頭するのである。それでは時系列を少し戻そう。対馬を不法占拠した大統領護衛師団を撃滅すべく対馬に上陸した海上特別警備隊(元海軍陸戦隊であり沖縄での生き残りを主力に編成)一個連隊と陸自の水陸機動団(上陸戦闘専門部隊。元は海上機動第三旅団を主力に編成)が『長門』らの艦砲射撃の元で上陸、上陸して三日で対馬の有人島は再奪取されたが護衛師団の三分の一が無人島に逃げた事により掃討の対処に約二ヶ月も手間取る羽目になる。

「奴等の掃討は上陸した部隊に任せる。我々の本命は……」
「ソ連義勇艦隊……」
「その通りだ」

 この時、ソ連義勇艦隊は釜山を陥落させ鎮海湾に停泊していた。そして対馬の再奪取報告に義勇艦隊司令官は決断をする。

「ヤーパンの艦隊を叩く。全艦抜錨準備に移行せよ!」
「しかし、危険ではありませんか?」
「なに、ヤーパンの主力艦隊は旧式の戦艦。ヤマト型はオキナワに沈んだのだ。どうとする事はない」

 参謀の問いに義勇艦隊司令官は鼻息を荒くしながら言うが司令官は航空戦力という物を理解していなかったのだ。
 12月8日早朝、鎮海湾を出撃するソ連義勇艦隊だがその様子を撃沈を承知の上で強行偵察しに来た海防艦『志賀』の22号水上電探改三が探知した。

「奴等、大名行列のつもりか?」
「勝った気でいますな」
「なら奴等に海戦という戦争を教えてやる!!」

 『志賀』は直ちに通報、その電文を受け取ったのは海上自衛隊の第一艦隊である。第一艦隊司令官の山口海将は直ちに用意させていた攻撃隊(それでも50機程度)を発艦させた。

「『長門』達の支援をしてやる」

 攻撃隊隊長の村田一佐は操縦桿を握りながら笑う。あの戦争から大分操縦は離れていまがやはり飛ぶ気持ちは変わらない。

「敵機接近!!」

 義勇艦隊は対馬海峡東水道に達した時、攻撃隊に襲われた。攻撃隊は戦艦より周囲の護衛艦艇攻撃に集中した。この攻撃で駆逐艦三隻を撃沈し他艦艇は火災を発生させた。航空攻撃は直ぐに終わった。しかし、海上自衛隊の攻撃はまだ始まったばかりなのである。

「水上レーダーに反応!! 敵艦隊です!!」
「何!?」

 義勇艦隊に襲い掛かったのは『酒匂』を旗艦とする沖縄沖やソロモン戦で生き残りの乗員で再編成されたーー精鋭部隊ーー華の二水戦こと第二水雷戦隊が義勇艦隊へ突入してきたのである。

592: 加賀 :2020/01/17(金) 22:04:23 HOST:softbank126194183072.bbtec.net
ちょっと雑いですが新たに投稿完了

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最終更新:2020年01月20日 21:55