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銀河連合日本×神崎島 ネタ 民俗学者が見た神崎島その五
雑誌『民間傅承』 現代の異界、神崎島 カンノムスメ その二
艦娘、その存在が歴史上に現れたのは島の信用出来る資料を参考にすれば1274年文永11年、元寇の別働隊が島を襲撃した時に迎撃戦に参加したのが記録として残っている。
艦隊これくしょん、ビデオゲームどころか動力式機械すら存在しない古い時代の話である。
艦娘は出現当初より艦船に縁ある存在として認識されていたようで初期には御船さんの名称で呼ばれていたようだ。
そう彼女達の最初の名前は艦娘、カンノムスメではなかったのである。
彼女達がその名で呼ばれるようになったのは元寇以降であるがその由来は謎に包まれていた。
軍艦が由来ではないかとの意見もあるが当時は軍艦の字でイクサブネと呼ぶ方が多かったのである。
筆者も途方に暮れていたが偶然にも姪の口ずさむ唄からヒントが得られた。
カンノムスメは棺(ひつぎ)の娘
穢を鎮(おさ)め死を納め
御船となりて夜海へと渡す
これは筆者の姪が実家へ帰省時に筆者の曾祖伯母から教えられた艦娘について語られた神崎島の手鞠唄の一部である。
棺(ひつぎ)の娘、艦娘登場以前の島の古記録にその名が残っていた。
それは常世神宮に仕えていた我々と同じ唯の人であった巫女の名である。
調べればまたの名を棺(かん)の娘とも言った。
そう、この巫女もまたカンムスなのである。
古記録を辿れば以下の様な役目を持つ巫女だったと思われる。
道を違えた魂を輪廻の輪へ戻し
常世と夜海の境、夜海ノ海を鎮め
己を死者の魂、そして穢と死を納める棺とし夜海に渡し
そしてそれが身よりあふれそうになれば夜海に堕ち、夜海門を閉ざす封印の礎となる
恐らくは唯の人であった境界を守る巫女、そのあまりにも重すぎるお役目であった。
そして以下がその巫女と艦娘の関係を知る切っ掛けとなった手毬唄である。
艦娘手毬唄
カンノムスメは御魂を流す
道返し御魂を夜海に鎮(しず)め
鎮めし御魂を夜海へと流す
カンノムスメは夜海を鎮む
荒ぶる御魂を流しては
夜海ノ海に凪を齎す
カンノムスメは夜海門を閉す
御魂を鎮め夜海鎮め
柱となりて夜海門を封ず
カンノムスメは棺の娘
穢を鎮(おさ)め死を納め
御船となりて夜海へと渡す
御船で渡りし御魂らは
わだつ水面へ再び出でる
艦娘の手毬唄、鎮守府の記録等に照らし合わせるならば、深海棲艦を夜海に鎮め、海域を解放し、夜海門を閉じる。
そして夜海に濡れる深海棲艦の死と穢を引き受けその魂を水面へと引き戻す。
そんな内容であろうか。
同じ役目についていたであろう唯の人であった境界を守る棺の娘、その名が何故艦娘の名前となったのかそれについて神崎島の古記録は沈黙を保っている。
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以上になります。
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最終更新:2020年02月24日 23:54