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銀河連合日本×神崎島 ネタ 原作ヒメちゃん神隠し事件
柏木姫迦は両親に選んで貰った竹柄の浴衣を纏い幼馴染の暁と共に自宅近所の神社の夏祭りへと向かった。
こっちの方が多分近道だ
暁の言葉を信じて薄暗くい夕暮れ、逢魔ヶ時或いは大禍時の細い路地を駆けていく。
しかし行けども行けども神社へは出ない。
"逢魔ヶ時の夕方は異界に繋がるんだぞ"
ファルンの語った怪談を思い出し泣きそうになり戻ろうと言う、しかし暁は絶対大丈夫だと言って聞かない。
仕方なく暁と共に再び歩き出した。
とうりゃんせ、とうりゃんせ
しばらく歩くと路地が開けた。
多くの提灯が吊るされ露店が並び、多くの人々が行き交っている。
祭りだ。姫迦はホッとした。
しかし暁の顔は強張っていた。
違う、姫迦の家の近所にこんな大きい神社はない。
その言葉に姫迦は神社を見渡した。
確かに大きいし見たこともない神社だ。
ファルンとマルマが結婚式を挙げた伊勢神宮と同じくらい広いかもしれない。
それに見たこともない手足の生えた浮き輪や大きなオタマジャクシ、角の生えた鬼みたいな人が歩き回っている。
そして後ろを見れば出てきた筈の路地はなく草木が生い茂るだけ。
異界に来ちゃったのかもしれない
姫迦がそう呟いた。
姫迦と暁は泣きそうになった。
あら、姫迦ちゃんに暁くんじゃない
翔鶴姉?
突然声を掛けられた。
振り向けば緑の法被を着て鶴の模様の入った浴衣を着た銀色の髪を持つストレートヘアとツインテールの見知らぬお姉さんが二人。
どうしたの五航戦?
あへあ、ふぃめひゃんじゃないへふか
赤城さん口の中の物なんとかしないと(汗)
そういう飛龍もその両手一杯の食べ物どうにかしたら(汗)
ついでに青、赤、黄、緑の浴衣を着たお姉さん達も来た。
勿論法被を着ている。
全員見たことも無いほど美人だ。
姫迦は自分と暁を知っているということは両親の知り合いかと思いホッとした。
隣では暁がポケーっとお姉さん達に見惚れてたために抓っておいた。
姫迦は女性達に自分達は迷子になったことを話した。
さっきフェルさんと柏木さん見かけたから連れて行きましょう
食べ物で両頬を大きくしていた赤い浴衣のお姉さんがゴックンと食べ物を飲み込みそう言った。
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赤い浴衣のお姉さんに連れられ姫迦と暁は女性の手を握り露店の間を歩く、落ち着いて見渡せば多くのイゼイラ人やダストール人に日本人の姿も見えた。
中にはピンクや緑の髪の人もいる。
そしてそこかしこで歩き回る浮き輪や大きなオタマジャクシはなんであろうか。
そして赤い浴衣の女性の知人ともすれ違い挨拶を交わす。
茶色いサイドテールと金髪に赤い目のお姉さん
ピンクのディフォルメされたあんこうの浴衣の姉妹なお姉さん
遠くヨーロッパのカンサッリスプクを着た銀髪のお姉さんとサラファンを着た同じく銀髪の少し幼いお姉さん
そして茶色いショートヘアーのお姉さんと丸眼鏡の優しそうなおじさん
比叡よ、この子らは…
え!陛下、本当ですか!?ヒエー!?
姫迦はそのおじさんを日本のエルバイラに似ていると感じた。
そして大きな鳥居に辿り着くとお姉さん達は鳥居の手前で止まり頭を下げる。
姫迦と暁が不思議そうな顔でお姉さんを見るのに気が付くとお姉さんは真剣な顔をして何か呟いた。
この子達本当に私の知る姫迦ちゃんと暁くんかしら…?あのフェルさんの子なら神社について一通り教え込んでる筈…
鳥居を潜り暫く歩くと両親の見慣れた後ろ姿が見えた。
姫迦は女性の手を離し両親の元へと駆けていく。
ファルン、マル…!?
姫迦は言葉に詰まった。
マルマが着ている浴衣、自分はあんなの知らない。
濃緑の生地に腕に走る灰銀のライン、帯は黄色で袖には日の丸、そして背にデカデカと書かれた漢字、マルマはあんな浴衣は持ってない筈だ。
アリャ?ヒメチャン?
姫迦?アレ?瑞雲柄の浴衣はどうした?
どう見ても両親だが何処か違う。
姫迦が警戒していると赤い浴衣のお姉さんは両親に似た二人に近付き何かを話し出した。
マルマとファルンに似た人物は赤い浴衣のお姉さんと会話をして何か納得した顔をしている。
二人と話し終えた赤い浴衣のお姉さんが姫迦と暁の元へと戻って来り二人の目線に合わせてしゃがむ。
二人とももう気付いてると思うけどここは貴方たちの居るべき場所ではありません
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そう言うと二人の手を引いて参道の脇道へと逸れていく。
他の者もその後に続く。
脇道には人通りもなく姫迦と暁は不安そうな表情で女性を見つめる。
暫く歩くと小さな神社の様なものがある場所に出た。
その前には自分達よりも少し年上の金髪のお姉さんがいる。
夜海門大神を祀るここなら大丈夫でしょう
赤城、その子達がそうかい?
はい、お願いします
はいはい、じゃあ二人共両親や家族、帰る場所を思い浮かべな
何故か二人は素直にお姉さんの言うことを行った。
両親やファルタとマーレル家族、自分の住む家を思い浮かべた。
もうこっちに来ちゃダメですよ
赤い浴衣のお姉さんの言葉を最後に意識が遠のいた。
意識を失う直前、姫迦はお姉さんの名前を尋ねようと声を出し意識失った。
私の名前は赤城、航空母艦赤城です
赤城お姉さん…
姫迦!
暁!
聞いたことのある声に目を開ければ、両親達が涙を浮かべ自分を覗き込んでいた。
ああ、帰ってこれたんだ…。
615: 635 :2020/02/29(土) 07:34:59 HOST:119-171-231-231.rev.home.ne.jp
以上になります。
転載はご自由にどうぞ!
最終更新:2020年02月29日 16:23