253: 名無しさん :2020/06/05(金) 22:15:17 HOST:p373066-ipbf408imazuka.yamagata.ocn.ne.jp
【ネタ】OGクロス会話集4【融合惑星篇・時系列無視】改定版
「どうです? 黎明期のモビルスーツ、ザクⅠのテスト映像は? わたしがホシオカ重工の社長令嬢に負けた、恥ずかしい映像でもあるんですが」
「まさかスラスターを推進のみに使い、スペースデブリの中を泳いで宇宙ステーションのパーツを取り換えてまた泳いで帰ってくるとは。しかも帰りは妨害装置でレーダーは使用不可……」
「まあこういう経験があると、まず考えるのは乗っているパイロットがやりたいことになる。次にそれを実現するOS、最後にハードウェアである機体という風に考えるようになってしまうわけです」
巌谷中佐と大洋連邦の藤田中佐の会話。
「ハンター中佐に続いて、君が白銀君と模擬戦をするわけだが――期待してますよ」
「お任せください。ハンター中佐とは別の限界性能を引き出してみせます」
「うん。双方機体は蜃気楼で、兵装は長刀一振りに突撃砲一丁。そして模擬戦の時間は十分でいいんだね?」
「白銀中尉にはハンター中佐との演習の疲労がありますし、それ以上だと整備班が泣きますから」
「ま、ニュータイプの君が言うんだ。その通りにしましょ」
白銀中尉との演習前の藤田中佐と本田大尉。
「都市部でフルブースト!?」
「しかも跳躍地雷を飛ばした方向に走り出してる!?」
「あの動きの緩急のつけ方……大尉はいつも通りすごいけど、中尉も負けてない」
「両方とも連続の裏廻り……旋回半径がおかしいよ」
「どっちも『します』、『させます』、『させません』をしっかり分かってる動きしてなぁ」
「なんなんですその『します』、『させます』、『させません』って?」
「あん? 自分にとって有利な行動を『します』、自分にとって都合の良い行動を敵に『させます』、自分にとって不利な行動は敵に『させません』の略だ」
「お言葉ですがそれは――」
「ああ、そんなことが簡単にできれば世話はないって言いたいんだろ? でも実戦は致命的な瞬間の連続。その瞬間に何をしたらいいのか、また何をされたらまずいのかが体に染みついているかいないかで動きが全然ちがうさ」
演習の映像を見るA-01部隊とリンクスたちの会話。
「おー、チャロンだ。チャロンの動きだ」
「キュイィィィーン!」
「似てる似てる」
「八つ橋、車庫入れその他のバーチャロンのテクニックを、きっちり使いこなしてますね」
「どっちもSマインの使い方がうまいな。さすがテムジン使いたちだ」
「白銀君はテムジンじゃなく、カイゼルですよ」
横浜基地、大洋連邦区画で本田大尉と白銀中尉の演習の映像を見る転生者たち。
254: 名無しさん :2020/06/05(金) 22:16:19 HOST:p373066-ipbf408imazuka.yamagata.ocn.ne.jp
『状況終了! 各機、帰投せよ!』
「決着つかず……白銀中尉、今回の演習はどうでしたか?」
『えーと……こんなことを言うと怒られるかもしれませんが、楽しかったです』
「私も楽しかった。これだけは、はっきりと言えます」
演習直後の本田大尉と白銀中尉の通信。
「最後の攻防について説明する。双方長刀のみとなったわけだが……ここで白銀中尉が、左右に動きながら接近。最後にしゃがんでから旋回したわけだが、これは人間の視界と習性を利用したテクニックだ」
「視界と習性……ですか?」
「そうだ。人間はある程度横に広いものを見ると、意識がそこにとらわれてしまう。舞台や映画のスクリーンとかな。白銀中尉は左右の動きを見せて視界の上下の部分を意識から遠ざけ、いきなりしゃがんでから後ろに回り込んだ。これは日本大尉から見ると消えたようにしか見えない。普通ならここで旋回の勢いをつけた斬撃で終了だが……大尉は後方に小さくジャンプすることで、さらにその後ろを取ろうとした」
「読んでいたんですか!?」
「そこまではわからんが、驚いて棒立ちが一番まずいのは確かだ。そしてこの動きを察知した白銀中尉は、旋回中にさらにブーストダッシュを選択して日本大尉の右斜め前方の遮蔽物へ向かって逃げた……ところで状況終了した。ちなみに白銀中尉の最後の裏廻り始動から状況終了までの時間は――0.88秒だ」
「一秒にも満たない攻防……」
「これが白銀中尉が求め、新OSが可能とした動き。そして新時代のスタンダードになる機動の一部だ」
A-01部隊に演習での両機の動きを解説するタケミカヅチ。
「~♪」
「お、上機嫌だねぇ。演習中も笑い声上げてたし……白銀クンもだけど」
「失礼しました中佐……これは……その、大昔の電脳世界の青春が再起動したといいますか……」
「いやいや、気にしなくてもいいよ。こっちも良いデータが取れたから」
演習後、機体から降りて機嫌よく「in the blue sky」アレンジを口ずさむ本田大尉をからかう藤田中佐。
「ふふっ、へへへ」
「なに気持ち悪い笑い方してんのよ……立て続けの演習で頭がおかしくなった?」
「ひでぇ! まあハンター中佐も本田大尉も、強くてしんどかったです。でもなんつーか、日本大尉とは噛み合ったというか……楽しかったんで」
「……素人目にもあんだけおかしい演習して、『楽しかった』? 今から医療班呼んでこようか?」
「ちょ、勘弁してくださいよ!」
演習後の白銀中尉と香月博士のやりとり。
「演習のご褒美……というわけじゃないけど、大尉のシナンジュの新しい兵装が届いたよ。
アムロ大尉たちが持ち帰ったムラマサブラスターのデータを基にしたやつだ。前にバーチャロンやってた連中に投げておいたから、形状はテムジンのスライプナーとほぼ同じになってる」
「本当ですか!? ありがとうございます。あとはパワーボムさえあれば言うことはありません」
「……それはちょっと難しいねぇ」
演習終了後三日目の藤田中佐と本田大尉の会話。
最終更新:2020年06月07日 16:07