57: 名無しさん :2020/04/12(日) 21:45:16 HOST:opt-183-176-150-93.client.pikara.ne.jp
某関東の港
そこには1機の巨大な飛行艇が停泊していた。
大型輸送飛行艇「蒼空」であった。

その8発のエンジンに支えられた輸送力は伊達ではなく
高い輸送能力を誇るが、もちろんこれの民間機版のも存在し
その機体が神崎島から本土へ繋ぐ定期便として就役していたのである。

神崎島からの様々なお客様、艦娘、妖精、深海棲艦、イゼイラ人が
ワイワイと騒ぎながら降りていく中、一人の女性が憂鬱そうに降りてきた。

「はあ・・・・こんな形で故郷に帰ってくるとは思わなかったよ」
その女性名はターニャ・フォン・デグレチャフであった。


彼女は元々日本生まれであったのに、敬ぬ!などというどうでもいい理由で
存在Xによって幼女の姿のまま、戦場に放り出され、彼女の先進的な考えの所為で
前線につぐ前線並びに精鋭部隊から戦闘団を持つに至った。

当然、敗北による吊し上げなんて食らってたまるか!と祖国のために
戦い続けたが、やはりどうにもならず、死を偽装し、表舞台から姿を消したのである。

そして、彼女も寿命による死を迎えたが、気が付けば、彼女一人だけ
神崎島という深海棲艦と終わりなき戦争を繰り広げたヴァルハラへと連れてかれたのである。


勿論戦争なんてもうこりごりだ!なんて言っても食をやっていかないといけないから
後方任務に志願したが、たまたま神崎島鎮守府に敵深海棲艦が上陸し
それを成り行きで迎撃の指揮をとってしまったことで

あれよあれよというまに海軍陸戦隊として配属されて
深海棲艦との敵前上陸を何度も繰り広げてしまった。
中には大発に乗せたまま陸上姫型に突っ込まれ死ぬかと思った。

そして、ようやく深海棲艦と和解が成り立ち
戦争をやらずに済むと思った矢先に、元の世界に帰り
中独韓と戦争をやりだしそうな雰囲気となり、そのまま軍に残らされたのであった。


そんな、彼女が日本にやってきた理由は
ふと、元の自分はどうなったのだろうか?両親は?と気になったからである。

もちろん、女性の姿となった今となっては信じてもらえないだろうが
妖精さんの中には元男、現在女性となった人もおり、その説明が付きそうだったのはありがたい。


こうして、彼女の自分探しの旅が始まった・・・・

58: 名無しさん :2020/04/12(日) 21:46:22 HOST:opt-183-176-150-93.client.pikara.ne.jp



数時間後、とある公園のベンチで彼女は黄昏ていた。
彼女はいきつけのお店で買ったはずのお気に入りのコーヒーであったが
一切口をつけていなかった。

しばらく、そのままの格好であったが、やがて手に持ったコーヒーを持ち上げて
口につけて一言
「まさか・・・私がいた証がこうも徹底的にないとなるとはな・・・・」


まず、ターニャ・フォン・デグレチャフとなったきっかけであった
あの駅に向かってみたが、花束など置いておらず、駅員に聞いてみたらそんな事故はなかったという
そんな、馬鹿なと思ったが、自分もネットで調べてみたら本当になかった。


では、会社は?と行ってみたが、会社はあるにはあったが
私の前世で勤めていた人はいないという。
腹ただしいことに、私が勤めていた人事課長にはあの突き落とした男が勤めているという
あの男にやらすなんて、あの会社には人の目を見る目がないのだろうか。


こうして、学校・住んだ場所・両親の家と徹底的に調べてきたが
『私』という証拠が一切になかった。


(まあ、これも罰なのかもしれんな。存在Xに対し・・・あの戦争に対し・・・
様々な罪が積み重なったことによる罰かもしれんな)


そうターニャは自虐するが、フッと笑ってしまう。


(まさか、この私が神に対して罰などと思ってしまうとはな。
これも神崎島にいたり、イゼイラの人と交流した所為なのだろうか。
        • でも、もし神様がおるというならば、私に一度願い事叶えてみせてやらんか?)
そこまでターニャは思って、つぶやく



「ああ、もう一度、ヴィーシャと会い「ターニャ・フォン・デグレチャフ・・・・殿?」っ!!」
その声に思わず、頭を起こすと、ターニャの目の前で心配そうに見つめる
ヴィクトーリヤ・イヴァーノヴナ・セレブリャコーフと似た人が立っていた



その後、ターニャはヴィーシャを神崎島に連れて帰り、同棲し
日本のあちこちで転生していた、サラマンダー軍団の人員がいたようで
神崎島に集まり、サラマンダー軍団がもう一度結集したという・・・・

59: 名無しさん :2020/04/12(日) 21:47:21 HOST:opt-183-176-150-93.client.pikara.ne.jp
終わり。
幼女戦記はその後マヴラブ世界にいってたそうですから
神崎島というか艦これ世界にも言ってるんじゃないかと想像。

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最終更新:2020年04月24日 15:03