80: 弥次郎 :2020/05/01(金) 00:32:47 HOST:p2580066-ipngn200609tokaisakaetozai.aichi.ocn.ne.jp
憂鬱SRW IF 融合惑星編SS リンクスたちの日常とお仕事2
一目連の一日は多忙だ。
政威大将軍である煌武院悠陽の指南役と一言で言っても、四六時中一緒にいられるというわけではない。
まずは朝。日が登る前から一目連は既に覚醒している。朝食の前に瞑想を1時間近く、ついで形稽古を1時間。
それが終われば汗を軽く流し、衣服を整えて朝食だ。味わいながらも手早く終わらせたのちに、フォールド通信により、融合惑星からC.E.地球との間での定時連絡を行う。この間に一日の予定や融合惑星にいては把握できない連合の動き、あるいは
夢幻会の会合での話し合い、決定事項の通達、情報の交換が行われる。
これが終われば出仕の時間となり正装となって帝都に赴くことになる。帝都に着けば、煩雑ではあるがあいさつ回りを済ませ、β世界側の人員との予定の確認や打ち合わせを行い、その日のスケジュールの最終調整を行う。
そうして慌ただしく移動した後に、β世界の近衛の人間と共に将軍との朝の謁見を済ませる。
ここでようやく師弟が顔を合わせるが、ここで言葉を交わすのは儀礼上のもの以上ではない。
謁見が終われば、今度は多くの武家や政治家との挨拶や社交辞令を交わし、連合に対するβ世界大日本帝国のアクションを受け付ける。
指南役というのは半分は本気であるが、もう半分は大義名分だ。連合との外交チャンネルの一つとして、特に武家と政府の二重構造の帝国のための、武家側が独自に持つ外交の窓口的な役目を追っているのが一目連とその部下たちなのだ。五摂家を始め、上は山吹、下は一般武家まで、順番や陳情の時間に暗黙のルールが存在しながらも、彼らは変わり始めている帝国で生き残るべく連合との伝手を得ようとしている。
この後悠陽は執務に入る一方で、一目連は移動して近衛軍への教導を行うことになる。
役職としては将軍の指南役ではあるが、かと言ってそれ以外の指導の依頼が無いというわけではない。生身、戦術機問わず、一目連に稽古をつけてほしいという志願者は多く、一目連は多くの時間をそれへの対応で忙殺されてしまう。
瞬く間に時間が過ぎて昼になればようやく昼食であるが、この間も各所との連絡を取り合い、あるいはスケジュール調整を行う。
また、午前の間にたまったメールを読み、返信をうつのも仕事の内である。多くは悠陽であったり、紅蓮中将であったり、あるいは月詠姉妹であったりと連合から個人用携帯端末を渡されている人員との連絡も取り合う。
慌ただし気な昼食を終えれば次もまた教導を行う。午前中とは別のグループが一目連の元を訪れ、あるいは基地に赴いて訓練を行う。
手加減はするが容赦はないのが一目連のやり方だ。甘えを殺す方法を、一目連は長い人生と転生の中で学んでいる。
そして午後も3時を過ぎたころ、ようやく一目連は悠陽と顔を合わせることができる。
とはいえ、謁見の順と手順を踏み、時間を限っての会話は短い。ここで悠陽が一目連に稽古を命じる形で予定を伝達する。
そこからは夕食までの短い時間をフルに使っての訓練が始まる。基礎としてはすでに出来上がっているので稽古自体はそこから発展したものが中心だ。
時には生身のままに、あるいは戦術機を用いて、もしくはフルダイブ型のシミュレーターを用いての訓練。限られている時間だからこそ、一目連は濃密に訓練を課している。それはかなり厳しいものであり、悠陽はその訓練が終われば最低でも1㎏は痩せてしまうほどだ。
無論悠陽の側も食事のメニューを体力がつくものに変え、喫茶の時間にまで詰め込んではいるのだが、それでもなおカロリーの消費は激しかった。
さながら、スポーツ選手の如き逆ダイエットである。そうでもなければ、とてもではないが追いつけないのだ。
81: 弥次郎 :2020/05/01(金) 00:33:46 HOST:p2580066-ipngn200609tokaisakaetozai.aichi.ocn.ne.jp
そして、夕食。時には師弟で共にとることもあるが、基本的には別々にとることになる。
悠陽が希望することも多いのだが、生憎とそれがかなわないことも多々ある。彼女がこなすべき会食というのは多数あり、場合によっては大洋連合から出向している一目連でもあまり情報として伝えるべきでないことも含まれているためだ。
夕食が終わり、湯浴みなどが終われば、再び一目連は悠陽に呼ばれる。ここから先は日によって異なる。
稽古をさらに重ねるか、あるいは最近何処からともなく手に入れたゲームに興じたり、あるいは一目連が経験した戦いを語るなど、多くのことを若人へと引き継ぐために時間を費やす。
そして見送りを経て退出した一目連であるが、まだ彼の一日は終わらない。
拠点に戻れば一日の報告を文書としてまとめてC.E.地球に送り、あるいは紅蓮中将をはじめとした近衛に報告書を送る。
一日の稽古を終えて今後はどうするべきか、何が改善すべきところなのか、そういったことをまとめて送るのだ。
さらにはC.E.地球にある一目連の実家との連絡を取り、家族とも歓談し、もしくは
夢幻会の連絡員との連絡を済ませる。
形としては単身赴任であり、やはり一つの流派の嫡流であり後継者である一目連がβ世界にいるというのはそれなりに苦労があるのだ。
そうしてとっぷり日が暮れたところで、一目連は自身の稽古を行う。時間と場所が限られているので、全力とはいかないのだが、持ち込んできているシミュレーターを用いての訓練を行い、あるいは地形や家屋に影響が出ない程度に体を動かす。
最初こそ真夜中まで続く訓練に驚かれていたのであるが、今となっては殆ど日常と化していた。
なぜ、わざわざ行うのか。それは一目連が自らに課している枷、あるいは自重という我慢により溜まった、言うなればストレスを発散するためであり、日頃積み重ね、これまで重ねてきた感覚や体を崩さないようにするためだ。β世界基準に合わせなければまともな教導もおぼつかないので、一目連に限ったことではないが、連合の人員はかなり窮屈な思いをしている。そして、それは自らを鍛えぬいている一目連にとってはある種マイナスだ。
だから、さび付かないように自分自身を調律し、メンテナンスを行い、鍛え上げる。その為にできることは自分でできる。
そうして汗を流して日付も変わろうかという頃にようやくすべてが終わり、一目連は準備を整えて床に就くのであった。
これがほぼ毎日、時には予定が変わることもあるが、休みもあまり含まずに繰り返されていく。これもまた、大洋連合の、地球連合の目的のために。
それとは別に、一目連としても未来ある若人を自ら鍛えるということに楽しみを見出し、そして、このβ世界における「鳥」の候補者の成長を楽しんでいた。
全てを焼き尽くす鳥の候補者であろうとも、こういった生み出し、育てることができる。それが喜びなのであった。
82: 弥次郎 :2020/05/01(金) 00:34:31 HOST:p2580066-ipngn200609tokaisakaetozai.aichi.ocn.ne.jp
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会話が一切ない形になりましたが、一目連さん@β世界の様子を…
最終更新:2020年05月04日 14:00