171: ホワイトベアー :2020/05/14(木) 22:00:37 HOST:36-2-32-252.tokyo.fdn.vectant.ne.jp
日本連合ネタSSーー「太平洋合同大演習 序章」
20XX年 日本国 横須賀基地
かつて大日本帝国海軍の鎮守府として整備され、戦後はアメリカ合衆国と日本国海上自衛隊が共同で使用する世界有数の軍港である横須賀に一隻の巨大な戦闘艦が停泊していた。
その戦闘艦は史上最大クラスの主砲である56cm見るものを圧倒させる3基の巨大な主砲とハリネズミの様に膨大な対空火器を有し、史実世界ではすでに過去の産物となっていた《戦艦》である事が軍事に詳しくないものでも一目でわかた。
そして、まさに海に浮かべる鋼鉄の城とも呼べる姿を威風堂々と晒していたその戦艦のマストには日本の象徴であるライジングサンと、日本国を占領した日本連合に加盟する
日米枢軸世界を意味するヤタガラスと鷲が描かれた旗が掲げられており、少し事情を知っているモノなら枢軸日本の運用する大和型戦艦、その2番艦である戦艦《武蔵》(※1)であることも把握できるであろう。
「ああ、せっかくEUや英連の目がない異世界に来たと言うのに、上層部の連中がこっちの列強の視線を気にしすぎているせいでまともな戦闘訓練もできやしない。しかも、この世界には大和級を超える戦艦すら存在しているのにその戦艦との戦闘訓練すらできないとは。退屈だ、非常に退屈だ」
そんな史上最大クラスの戦闘艦の艦橋で、派遣されている艦隊の司令も兼ねている水上打撃部隊の司令がそうボヤいた。
日本連合の結成によって派遣された彼の部隊であるが、あくまでその意味は日本国内外に対する抑止力兼他の大日本帝国に対抗するためであり、派遣されてからの日々は海軍屈指の戦艦狂愛者で、自由に砲撃訓練を行えると期待していた彼に多大なるストレスを与えていた。
「上層部の判断は仕方ないことだと思います。何しろ、私は我が国の持てる技術の粋を集めた最新鋭艦ですので。そして、その判断に子供みたいに反対しまくるのはどうかと思います。ーー以上」
そんな、提督(文字通りの意味)に彼の横にいた黒の長髪を後ろで纏め、メイド服を着ている巨乳の成人女性、この戦艦《武蔵》の艦長としての権限を持つ自動人形 武蔵が抑制の効いた声で声を返してくる。
「相変わらず武蔵ちゃんは辛辣だねぇ。まあ、わかってはいるが・・・。私はしつこくて諦めの悪い人間なのだよ」
「かっこよく言っているようですが、ようは周りから嫌われるタイプなのですね。それでよくここまで出世できましたね。ーー以上」
「辛辣すぎない!? と、話を戻すが武蔵ちゃん、何か面白い話でもない?」
「露骨に話を反らされた気がしますが、それに乗りましょう。面白い話と言えばアメリカ合衆国が記念艦にしているアイオワ級の再就役を完了したとか。ーー以上」
「ああ、
アメリカで建造が決まった新戦艦が就役するまでの繋ぎとして就役したあれか。いくらなんでも80年近く前に就役した戦艦を再就役するわけないと思っていたが、まさか本当に実施するとはな」
172: ホワイトベアー :2020/05/14(木) 22:04:08 HOST:36-2-32-252.tokyo.fdn.vectant.ne.jp
アメリカ合衆国は日本連合の保有する戦艦群のスペックを知らされるや否や航空機による攻撃が自殺行為である事を把握、これらの戦艦群を大きな驚異と考え、こうした戦艦群を撃破するために新規に戦艦を建造する事を決断した。
しかし、戦艦の建造に関するノウハウなど完全に喪失していた事もあって、短期間での戦艦の建造などは不可能であり、まずはこれらのノウハウを再取得することが重要とされる。
そして、その手段の一環兼新造艦完成までの繋ぎを欲しった海軍の要望で行われたのが保存されていたアイオワ級戦艦2隻(アイオワ・ウォスコンシン)の近代化改修と再就役であり、日本連合によって日本国が占領されるや否や実行されたそれがようやく完了したのだ。
「現実は小説より奇なりと言う言葉を改めて思い知らされたよ。それで、それだけではないのだろう」
「はい。
アメリカは今年開くリムパックで改装したアイオワ級を大々的に御披露目するらしく、我々、日本連合の戦艦群の参加も希望しているようです。推測ですがーー以上」
「・・・ほう。もしそれが本当なら
アメリカらしからぬ嫌らしい手だな。だが、わたしが退屈することはなさそうだ」
「?。ーー以上」
「それにも以上をつけるんだ」
武蔵が?マークが浮かんだような表情をしたあとにつけた語尾に提督は突っ込みを入れるが、武蔵はそれを無視して話を続ける。
「何故リムパックへの参加打診が嫌らし手なのですか。むしろ盛大な自爆に思えますがーー以上」
「なに簡単なことさ。
アメリカはこの演習を通じて新造戦艦の建造を議会に認めさせ、さらに我々の戦艦の情報をより詳細に集める気なのさ」
「なら断ればよいのでは。ーー以上」
「いや、それだと我々の事を軽く見る勢力が出てきかねないし、大陸情勢の悪化がなければそれでも良かっんだけど、現状だと上の連中は逆に全力を見せてやれと言うと思うな」
「・・・なるほど、実力差をはっきりさせることで改めて
アメリカや大陸の心を折るということですか。ーー以上」
「そこまではいかないだろうが。少なくとも時間は稼げるし、我々日本連合と軍事的に敵対する事の無利益さを
アメリカ国民に理解させる事はできるんじゃないかな」
そんなたわいもない会話をしながら彼らは今日も横須賀で国内外の様々な勢力に睨みを効かせていく。
なお、実際に彼らの会話は当たっており、この何気ない雑談が行われていた日から暫く経った後にアメリカ合衆国は両国の有効の為と称して正式に日本連合にリムパックへの参加と戦艦部隊の派遣を打診。この提案に対して日本連合も承諾を発表。日蘭のリュシュリーほではないが全面的な改修を施し、アメリカが蘇らせた古の巨竜、アイオワ級と並列世界の日本が産み出し、日本に送り込んでいた巨竜達(敷島型と大和型)がハワイ沖にて一同に会する事となる。
(※1)
日本海軍の運用している大和型戦艦の2番艦。自動人形による運用を前提とした改装を受けており、艦長以下主要な操艦要員としては人間ではなく自動人形がついている。
ちなみに武蔵と大和の艦長である自動人形 武蔵の外見や性格についてだが、当初は「艦これ」閥の圧力もあり、艦娘の武蔵と大和にすることが決まりかけていた。しかし、衣装をどうするかでノーマル武蔵派と改二武蔵派を中心に「艦これ」閥全体を巻き込んだ内ゲバが勃発、そこをついて密かに暗躍していた海軍の傍流である境界■上のホライゾン(都市世界)」閥が巻き返しを図り、結果として艦長タイプの自動人形は「境界線■のホライゾン」の《大和》と《武蔵》の外見や性格が採用された。
173: ホワイトベアー :2020/05/14(木) 22:12:11 HOST:36-2-32-252.tokyo.fdn.vectant.ne.jp
以上になります。
以下あとがきと言う名の言いわけタイム
リアルがゴタゴタしている+久しぶりに書いたのでリハビリもかねているので短めになってしまい日米枢軸以外を描写できませんでした。しかし、次回には他の日本連合加盟国や
アメリカなども登場させれるはずです。
最終更新:2020年05月24日 12:50