334 :名無しさん:2012/01/19(木) 17:48:47
ひゅうが氏の作品
→265のその後を、想像してみました。
→265の出来事から数時間後、事の次第はレムシャイド伯により
緊急連絡という形で、帝都オーディンに伝えられた。
連絡を受けた国務尚書リヒテンラーデ侯は、その報告のあまりな内容に
卒倒しかけたが、何とか気力で持ち直し、レムシャイド伯との通信を終えると
傍らで控えていた秘書官ワイツに、先程の事を文章に纏める事を命じ
極秘で女婿二人を新無憂宮に呼び出した。
-新無憂宮・小部屋-
呼び出された女婿たちと国務尚書は、室内のソファに腰を下ろし
善後策を協議した。
「・・・何という事をしてくれたんだ・・」
侯から渡された文章を見た、ブラウンシュヴァイク公はそう言うと
天を仰いだ。
「・・・・・」
335 :名無しさん:2012/01/19(木) 18:23:05
リッテンハイム侯は、あまりの事に声も出ず文面を凝視していた。
そんな二大貴族たちを見ながら、リヒテンラーデ侯は口を開いた。
「起きてしまった事は、仕方ありますまい・・・
問題は、どの様にこの事を解決するか、ですじゃ」
その老侯爵の台詞に女婿二人は、渋面を作るしか出来なかった。
ややあって、公が溜息のような台詞を吐き出した。
「・・仕方あるまい・・・そのスピッツベルゲンとやらには・・・
退場してもらう他、あるまい。罵倒した相手が悪すぎる・・・」
重苦しい雰囲気の公爵に続いて、義弟に当たる侯爵も口を開いた。
「・・・まったく、相手の素性の確認もせぬうちに
余計な事をペラペラと・・・同じ階位かと思うと、
情けなくなる・・・
それよりも公、退場させると言うが如何するのだ?」
義弟の疑問に公爵は、暗い笑みを浮かべながら答えた。
「フフフ 決まっておる。この事実をカストロプめに付きつけて
奴自身に始末をさせる。元々は、彼奴がでしゃばらなければ
起きなかった問題だ。落とし前は、付けてもらう・・・」
この密談の数日後、カストロプ公が国務尚書名義で呼び出された。
341 :名無しさん:2012/01/19(木) 18:43:01
→334-335の続き
-新無憂宮・国務尚書執務室-
呼び出されたカストロプ公オイゲンは、他の帝国貴族とは違った
古代ローマ貴族の様な姿で国務尚書と相対していた。
「何ですかな国務尚書、御用と承ったが?」
役儀上は上司に当たる国務証書に、そう問いかける財務尚書だが
態度はどう贔屓目に見ても、自分の方が爵位が上なんだぞ、というのが
ありありと出ていた。
そんな、自分の後任で財務尚書になった男の事など気に留めるでなく
リヒテンラーデ侯は、例の書類を公に示し、目で読むように促した。
最初は不機嫌そうに書類を読んでいたカストロプ公だったが、読み進む内に
段々と顔色が悪くなり、最後の方は顔面蒼白となった。
344 :名無しさん:2012/01/19(木) 19:09:54
→334→335→341の続き
その様を冷ややかに眺めていた国務尚書だったが、ここに来て財務尚書が
入室してきてから、初めて口を開いた。
「用向きは分かったかな、財務尚書?
卿の素晴らしき一門に対し、『善処』するように、というのが用件じゃ」
普段から険しい瞳をさらに険しくさせ、老侯爵は冷然と言い切った。
その言葉に打ちのめされたのか、財務尚書を勤める公爵は足取りも怪しく
侯の執務室を退出していった。
その後、オーディンに召還されていたスピッツベルゲン侯が急な病で亡くなり
その家族も領地への帰還途上に「偶々」レーダーが故障していた事が原因で
宇宙船が隕石との衝突事故を起こし、船諸共爆死した。
後継者の居なくなったスピッツベルゲン侯爵家は断絶となり、
何故かカストロプ公もこの件に関しては沈黙していたので侯爵家の
領地・財産は帝国に接収された。
【あとがき】
ちょっと長くなりましたが、
→265のその後を妄想してみました。
359 :名無しさん:2012/01/19(木) 20:04:03
→344の続きを書いてみました。
皆様が、納得されるか分かりませんが、こんな感じです。
スピッツベルゲン侯爵家の「偶然の不幸の連続」の後、カストロプ公は
体調不良の為、暫くの間、財務尚書職を休職する旨、宮中に届けを出し
それが勅許を得たので、彼は自分の領地の惑星ラパートに帰還した。
その際、勅使である女婿二人(何故か立候補し、皇帝も許可した)から
陛下の御言葉であるとして、『懇ろな』見舞いの言葉を賜り
それに恐縮したのか、ぎこちない動きで自家用宇宙船に乗り込み
以後、領地に着くまで自室から出てくる事は無かったという・・・
公の休職を受けて帝国政府は、財務次官でリヒテンラーデ侯が財務尚書在職中、
その補佐役を勤めていたゲルラッハ子爵を尚書職代行にすると発表した。
【あとがき】
如何だったでしょうか?
その後、公は一度復帰しますが、影響力はがた落ちとなっており、
再び失職します。その後に例の「カストロプ動乱」が起こります。
最終更新:2012年01月30日 22:27