275: ホワイトベアー :2020/06/06(土) 13:10:04 HOST:om126133202089.21.openmobile.ne.jp
日本連合ネタSSーー「太平洋合同大演習 1」

「この光景、圧巻の一言につきるな。子供の頃から望んでいたこの光景を、私が海軍軍人として見ることができたことだけは、あのゲートに感謝するべきかね」

アメリカ合衆国海軍が現代に蘇られた鋼鐵のリヴァイサンである戦艦アイオワの艦橋からの光景を見た太平洋艦隊司令官は、その見るものを魅了する大艦隊にポツリとそう感想をこぼした。

当然だろう。この日、ハワイにはアメリカ海軍
期待の最新鋭空母である《エンタープライズ》《ジョン・F・ケネディ》《ジェラルド・R・フォード》の3隻と20世紀から世界各地で活躍を見せたニミッツ級の最終艦である《ジョージ・H・W・ブッシュ》、を中核とした4個空母打撃群と、最新鋭の強襲揚陸艦である《ブーゲンヴィル》《トリポリ》《アメリカ》を中核とする3個遠征打撃群、さらにアメリカが日本連合に触発され甦られた戦艦《アイオワ》《ウィスコンシン》を中心とした2個水上打撃群からなる史実世界最大の水上艦隊であり、史実世界ならば最強の戦力がリムパックに参加するべく結集していたのだ。

また、この時のハワイにはアメリカ太平洋艦隊にとどまらず、異界の日本が生み出した超大型戦艦である戦艦《敷島》《武蔵》の2隻と、ジェラルド・R・フォード級を越える技術の固まりであり、並列世界では圧倒的なまでに不利な状況であっても大きな活躍をした伝説の戦艦の名を受け継ぐレーザー核融合炉搭載空母《加賀》を筆頭とした大型空母4隻を中核とし、アメリカ太平洋艦隊主力にも匹敵する規模である日本連合軍第1連合艦隊もリムパック参加の為にハワイに停泊していた。

276: ホワイトベアー :2020/06/06(土) 13:10:50 HOST:om126133202089.21.openmobile.ne.jp
さらに《プリンス・オブ・ウェールズ》を中核とし、45型駆逐艦2隻と23型フリゲート3隻、アスチュート級原子力潜水艦1隻、フォート・ヴィクトリア級補給艦1隻から構成されるイギリス海軍機動艦隊、

《ヴィクラント》を中核とし、デリー級ミサイル駆逐艦1隻、シヴァリク級フリゲート3隻からなるインド海軍機動艦隊、

《キャンベラ》を旗艦にホバート級ミサイル駆逐艦1隻、アンザック級フリゲート2隻からなるオーストラリア海軍機動部隊、

《いずも》を中核にまや型護衛艦、あきづき型護衛艦、あさひ型護衛艦からなる海上自衛隊機動部隊なども結集しており、

最終的にハワイには戦艦4隻、正規空母9隻、軽空母2隻、装甲巡洋艦2隻、ミサイル巡洋艦20隻、ミサイル駆逐艦44隻、汎用駆逐艦2隻、フリゲート12隻、強襲揚陸艦7隻、潜水艦18隻、その他補助艦艇多数が終結しており、このときには100隻以上の艦艇が集合していた。そして、それらの艦艇は今、演習海域に向かう為に次々と出港し、港湾部から外洋に出ていた。

「しかし、日本連合の兵力には驚きを隠せないですな。なにせ、こちらに我々と同規模の艦隊を派遣してなお日本にはハワイに集結した艦隊と同規模の戦力が控えているのですから」

あきれた様な参謀の1人の言葉で提督は現実へと戻された。

そう、日本連合は今回の演習で太平洋艦隊主力に匹敵する戦力を送り込んでおいてなお、史実日本に空母7隻を中核とする機動艦隊と装甲巡洋艦2隻を中核とした水上打撃部隊、複数の揚陸部隊を待機させていた。

これは日本連合加盟日本の数の多さゆえにできる単純な力技であったものの、それゆえに小手先の策で破る事ができない状態であった。また、日本連合結成当初こそ抱えていた連携に関する問題もこの頃には解決しており、実戦で相手にはしたくない状態になっていた。

「対して我々は議会ではF/A-XXの予算こそ通ったものの、次期主力戦艦に関しては足踏みしている議員も多いらしいですし、そんな状態でありながら
民主党の馬鹿議員達はファシスト連合である日本連合を倒すために軍事力の行使を含めたあらゆる手段を取らなければならないなどとほざき、一部の自称リベラルはそれを称賛する始末・・・全く、いつから我が国はこのような愚民が増えたのでしょうな」

別の熱心な共和党保守派支持者の参謀はどこか自嘲を含ませたようにそう言うが、それを嗜めるものはこの場にいない。
むしろ、この場にいる全ての軍人、民主党支持者、共和党支持者を問わず、が口には出さないものの同じような思いを胸に抱いていたのだ。

彼らは少し調べればわかる事実を理解せず、ただ自らの狂言に酔って訳のわからない事をほざき続ける国内の自称リベラリストと言うものに彼らは怒りを越え、憎悪すら抱いていた。

実際に彼らリベラリストの発言は日本連合内でも反アメリカ感情とでも言うべきものを確実に育てており、日本連合内では日米蜜月、汚英、日米枢軸など親米派日本の活動やアメリカンファーストを唱え、リベラリストとの対決姿勢を隠さない現米国政権の必死の説得などで何とか親米政策をとっているがそれがいつひっくり返されても可笑しくはなかった。

「だからこそ我々はこの演習を何としても成功させる必要がある。今回の演習を通じて日本連合に我々の力を知らしめると同時に、彼らと親善を深め、国内のバカどもに現実を理解させなければならない」

この場にいる部下達の内心を察して、太平洋艦隊司令は彼らの士気を高める為に発した言葉に異を唱えるものはいなかった。

(そのためには大統領閣下からの密命を何としても達成しなければならない・・・か)

「しかし、我々の力を知らしめると言っても、これから行われる各種演習はともかくとして最後に控えている日本連合艦隊と我々との模擬戦でそれができるでしょうか?」

「別に彼らに完全勝利する必要はないのだから、簡単とはいかないだろうが不可能ではないだろう。それに我々にはいくつかの秘密兵器もある。楽観視することは避けなければならないが、そこまで悲観する必要はない」

提督は静かに、だが力強くそう断言する。そして、そう言い終わるとほぼ同時に、《アイオワ》が出港し、湾から外洋にでる番になったことが無線から知らされる。

「提督、新生アイオワの初めての“実戦“、その出港の号令をお願いできませんか?」

「・・・いいのか」

「かまいません」

《アイオワ》の艦長はそう言い、太平洋艦隊司令に出港の号令を求めた。

「そうか、ありがとう。・・・では諸君、アイオワの帰還を知らせるために、我々の晴れ舞台へと行くとするかーーーー機関、両舷前進微速!!」

太平洋艦隊司令の言葉に「アイ・サー」と返事が返ってくる。そして、響く力強い振動と共にゆっくりとアイオワが動き出した。

そうして、現代では、いや歴史上でも最大規模として記録される海の一大ページェントの幕が上がる。

277: ホワイトベアー :2020/06/06(土) 13:13:11 HOST:om126133202089.21.openmobile.ne.jp
以上、日本連合ネタその2でした。

仕事のせいで予定より大分時間がかかりましたが、無事に上げる事ができました。

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最終更新:2020年06月07日 16:36