782: 陣龍 :2020/06/10(水) 09:24:25 HOST:124-241-072-147.pool.fctv.ne.jp
「南部が独立してしまった……」
「西に加えて南にも敵を抱え込んだ上に、奴隷を得られなくなったのは致命的だ……」
「……逆に考えるんだ!『敵が増えて兵器と兵士の使い先が増えた』と考えるんだ!奴隷、もとい『労働者』はアフリカから得ればいい!!」
「「「  そ  れ  だ  !  !  」」」

――――南北戦争敗戦後の北米支配層の言動。この後北米は欧州の良く居る白人主義者でも青ざめる程の『煉獄』へと更なる変貌を続ける。


「『それだ』じゃ無いだろ馬鹿野郎……幾ら何でもこれ以上は、白人がどうの、アメリカの誇り云々以前に、人間として着いていけない……」
「あなた……じゃあ……」
「幸運にも、南部にはそれなりに友人と伝手がある……沈むのが分かり切ってるボロ船で舞踏会に参加する程、私は狂っては無い」

――――その後、この家族は映画化された程の冒険活劇の末に南部へと脱出に成功する幸運に恵まれはしたが、狂気を深め続ける北米から脱出する『まともな人間』は、日を追うごとに減少していった。


「主様!主様!ど、奴隷解放と言う事は、私どもは一体どうすれば……!?」
「大丈夫だ心配するな、奴隷解放して身分上は『労働者』となったが雇用主は儂、つまり給与が出るほかは今までと同じだ」
「(凄まじい大歓喜の声)」
「……お、おう。喜ばれているようで何よりだ(汗)」


――――とある優秀な白人の奴隷所有者と忠誠心溢れる奴隷たちとのやり取り。この後の白人と元奴隷たちによる企業設立と経済活動により、南部経済は飛躍的進歩を遂げる。


「今日のノルマは後どれ位だ?」
「……残り37『体』だな」
「うえぇ、意外と残ってんな……」
「仕方ないだろ、軍需工場とかに入れなかった底辺がやれる仕事とか、こう言うのしか無いんだから」

――――枯渇する人的資源を補う為に活動する北米の『人狩り部隊』。国内の孤児や犯罪者等に留まらず、カナダ方面を除く北米周辺からも『収穫』を実施する為に、加州と南部の国境警備隊や警察が凄まじい膨張を強制される一因となった。


「素晴らしい!本当に素晴らしい!これほどまでに投資のし甲斐が有る『市場』は生まれてこの方初めて見ますよ!」(ジュルジュルリ)
「……主様、この日本人大丈夫なのでしょうか?病院に送った方が良いのでは無いでしょうか」
「……まぁ、変わったヤツでもあのゴールドは本物だから失礼の無いようにな。滅茶苦茶変わったヤツだが」
「聞こえてますよ?!あ、よだれ出てた」(フキフキ)

――――南部への大規模投資の為に視察に来た日本人と南部人達の会話。分かり安い位の面白凸凹漫才トリオが北米最強の油田の支配者になるとは、この先誰も知る由は無い。


「……漏れ伝わる南部とは違うな。我が誇りあるアメリカ合衆国の『金の卵を産むガチョウ』と言うのは」
「稼ぐ手段が限られているのですから致し方ないかと。それに我が国の『伝統産業』でも有ります」
「……此処の『管理者』になってから長いようだが、逃げ出した『前任者達』とは何か違うのかな」
「『存在しない』のです。此処には、『人間』は『存在しない』。『前任者達』はそう割り切れなかったから、皆『何処かに逃げた』のです」


――――北米の狂気の象徴の一つ『人間牧場』で視察に来た官僚と牧場管理人とで交わされた言葉。様々な怨嗟と絶望、そして嬌声が漏れ聞こえる中、牧場管理人は質問に対して常に『全てが抜け落ちた表情』で答え続けていた。


南北戦争終結後から南部発展し始める辺りは大体こんな感じ何だろうかね。国境挟んで天国と地獄がクッキリ別れ過ぎて笑えない(´・ω・`)

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最終更新:2020年06月13日 14:25