464: 名無しさん :2020/06/16(火) 22:51:03 HOST:M014013212160.v4.enabler.ne.jp
えー、先ほどは大変お騒がせいたしました。お詫びになりますが漆黒アメリカルート「宗教戦争大戦後日談 カルマ」を投稿させていただきます。弥次郎氏はじめ皆さまどうぞお楽しみください。

1958年10月9日
「全く、今思い返しても地獄のような戦いだった」

そうこぼすのは、大日本帝国首相にして夢幻会のトップ嶋田繁太郎である。
彼が言及したのは宗教世界大戦と化した第二次世界大戦についてだ。キリスト教の教皇とイスラムのカリフを錦の旗として結成された中東諸国・欧州各国連合十字軍は、カルト連合であるアメリカ合衆国、ナチスドイツ、神聖中華帝国との地獄の争いを繰り広げた。当初彼らはたかがカルトなどすぐにこの世から消し去ってやるとお互いに士気を高め、教皇やカリフは「キリストとアッラーが合わされば邪教徒など一年で浄化して見せる」と発言したそうである。

465: 名無しさん :2020/06/16(火) 22:51:49 HOST:M014013212160.v4.enabler.ne.jp
しかし、人の業は彼らの想像をはるかに超えていた。カルトによって狂った人々は、薬物によって自らを高揚させた特攻部隊を始め、白人を含めた「神の教えに反する罪人」による肉の防護壁、体内に毒ガスやクラスター爆弾を埋め込んだ「神の寵愛」部隊、敵地で自ら生物兵器を飲み干し敵を死に至らしめる「神の救済」部隊など国際法など影も形もない凶器の産物が姿を現していた。さらに敵兵及び民間人はカルト連合の兵士たちによって「洗礼」と「浄化」を受けたのち、食料不足の中華に「救済の巡礼」に派遣され、その対価として中華からは万を超える「神罰部隊」が途中インドや中央アジアに「神の愛」を与えながら欧州に「救済」をしに行くと言う吐き気を催す邪悪な光景が現れていた。

466: 名無しさん :2020/06/16(火) 22:52:48 HOST:M014013212160.v4.enabler.ne.jp
こうして、カルト連合の全国民や世界中に潜むシンパがあらゆる手段を文字通り行うゲリラ戦士と化し、海を隔てるという幸運の上、圧倒的な軍事力を持った大日本帝国や大英帝国、そのサポートを受ける朝鮮王国や東南アジア諸国、極東ロシアや加州、アメリカ連合、中南米は辛うじて余裕を持って敵を文字通り殲滅できていたが、それ以外の世界中の場所では地獄が顕現し、軍の派遣が厳しく年齢、性別、立場、思想、宗教何もかも違う民間人が協力して重度の武装と強固な拠点、物資の補給ルートの確保を行なって生き残れると言う世紀末状態であり、軍や政府もそうした行動を容認し積極的に進めるという異常事態が発生していた。

467: 名無しさん :2020/06/16(火) 22:54:01 HOST:M014013212160.v4.enabler.ne.jp
そんな中、ユーラシアやアフリカ、欧州の危機に立ち上がったのはソ連であった。史実では人間不信であったスターリンは、ここでは異常なまでの宗教嫌いであった。と言うのもロシア皇帝一家を逃がし極東ロシア帝国を建国されるという屈辱を挽回すべくスターリンは日本に一泡ふかそうとアメリカ合衆国にスパイを送り込み利用しようとしていた。しかし、調べれば調べるほどロシア帝政の圧政が天国に思えるようなディストピアが広がっており、人生最大の衝撃を受けたのである。

468: 名無しさん :2020/06/16(火) 22:54:37 HOST:M014013212160.v4.enabler.ne.jp
そして暴走した共産主義もこのようになる可能性を悟った「どのような思想でも行き過ぎれば毒である」との教訓を得たスターリンは極東ロシア帝国との融和を行い合衆国を引き合いに出して「我が国はこのようなディストピアに陥ってはいけない」と共産主義の行きつく可能性としてソ連のライバルたちを三日三晩説得し、資本主義と社会主義をミックスした独自のスターリン主義を打ち出した。このことは夢幻会に大きな衝撃を与えたが、彼が敵にならないならと安心してもいた。

469: 名無しさん :2020/06/16(火) 22:55:33 HOST:M014013212160.v4.enabler.ne.jp
そうしたスターリンの行動で史実よりは温厚になったソ連だが、自らの影響力を強めるべくロビー活動は史実よりも充実させていた。そんな中起こった宗教大戦でカルト連合による外道を聞くと、スターリンは激怒し「カルトの糞どもが、たとえ便所に隠れていても息の根を止めてやる」と発言し、連合十字軍及び大英帝国、大日本帝国への協力を呼びかけ後にカルト連合壊滅に最も貢献したとされる「大粛清」を発動した。
詳細は省くが有名な作戦の一つとして世界各国に浸透させたスパイ網をフル活用し、民間人などによって作られた特定の拠点や軍事施設への避難勧告を行い、その後外にいるものは即刻射殺、中華帝国やナチスに無差別爆撃を24時間交代制で行うと言ったものがある。

470: 名無しさん :2020/06/16(火) 22:56:30 HOST:M014013212160.v4.enabler.ne.jp
「大粛清」には無罪のものも含まれていたとの指摘があるが、スターリンがこの作戦を発動していなければ欧州・アフリカ・中東・中央アジアは壊滅した可能性が高いと言われている。
「大粛清」によってカルト連合が押された際、大日本帝国、大英帝国、アメリカ連合によるオペレーション「ディエスイレ」が発動。世界各国のカルトを殲滅した後、アメリカ合衆国、ナチスドイツ、神聖中華帝国に新型爆弾を中心とした無差別投下が行われ、最後に三発の超破壊爆弾「ラグナロク」がそれぞれの国に投下され、カルト連合は壊滅した。なお、この宗教戦争は1939年から1949年まで行われ、最終的な死者は軍人、民間人を含め数十億人となった。

471: 名無しさん :2020/06/16(火) 22:57:35 HOST:M014013212160.v4.enabler.ne.jp
多大な犠牲を払いながらも世界の人々はこう思った「よかった。正しき神々の加護によって我々は勝利できたのだ」。そして、十字軍の筆頭であったキリスト教とイスラム教へは絶大な支持が集まりこれらの宗教が正しき正義であるとの声も多く上がった。神道や仏教を崇拝する大日本帝国の反応が怖かったが、天皇陛下も戦争の終わりを喜ぶ声明を出し、多神教ではあるが先の大戦で勝利に共に勝利へと導いたキリスト教、イスラム教とは今後もよき関係を築きたいとおっしゃられたこともあり、大きな反発は生まなかった。

472: 名無しさん :2020/06/16(火) 22:59:31 HOST:M014013212160.v4.enabler.ne.jp
しかし、キリスト教、イスラム教がともに世界中で大きく取り上げられ様々な人物がよりよく知ろうと詳細な調査を行った。そうした彼らの何人かはパンドラの箱を開けることになる。彼らの調査は善意であったが、それはカトリックの児童強姦、イスラム教の児童婚の強制などの宗教の闇を世界で最も注目され、一つの頂点にいる時に暴露し、混沌と災厄の時代の到来を招くことになる。世界の人々はあまりのショックから、一神教への懐疑や無宗教、無神論者への転向、廃れかけたり伝承になっていたりしていた土着信仰や多神教の信仰復活を招くことになった。

473: 名無しさん :2020/06/16(火) 23:00:43 HOST:M014013212160.v4.enabler.ne.jp
世界はまさに混沌の時代にあるのだ。

「まったく、史実のアメリカ合衆国への反発がこのような形で現れるとは」
アメリカ合衆国の膨張を阻止したことが、狂った合衆国を生み、宗教戦争を引き起こし、ついには一神教の崩壊の危機を招いている。これでは、かつての大津波を引き起こした際と何も変わらないのではと思いかけたが、IFを考えても仕方ないと嶋田は気を取り直した。

474: 名無しさん :2020/06/16(火) 23:01:38 HOST:M014013212160.v4.enabler.ne.jp
今日のテレビの放送にはピウス12世がローマ教皇庁へと、多数のマスコミが招かれ緊急生放送を行っている。
史実よりも進歩した治療技術のおかげが脳の異常は早期発見されたが、カトリックの児童強姦に対応するため世界各国を飛び回りその顔には疲労が見えている。その放送を見ていると嶋田の脳裏にふとある考えがよぎった。
「史実アメリカへの反発が形を変えて現れたのなら、かの同時多発テロ事件もおこるのだろうか」

嶋田は馬鹿馬鹿しいと思いテレビを消そうとすると何やら様子が変だ。何か変な音がする。まるでこれは飛行機が墜落する際の━

475: 名無しさん :2020/06/16(火) 23:03:02 HOST:M014013212160.v4.enabler.ne.jp
補遺:1958年10月9日に起きたバチカン、ローマ教皇庁の二機の飛行機墜落後、多数の死者を出し、直後に教皇は辛うじて生存しているとの通信が入るがその後ローマ教皇庁が多数の不審者による自爆特攻の後大爆発を起こし、全員の死亡が確認された。この放送は全世界に中継され、同時にハイジャックによって元一神教信者を中心に構成された呼称ネオ・カルト連合によって犯行声明が出され、彼らや共感するものによって多くの惨劇が生まれ、国連が完全壊滅を宣言したのは1991年12月26日となった。

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最終更新:2020年06月23日 10:21