114: 陣龍 :2020/06/24(水) 12:29:42 HOST:124-241-072-147.pool.fctv.ne.jp
「合衆国の軍人として、そして一人の男として、その身に恥じぬ奮戦を期待する。我ら一人の死が、我が祖国の栄光の礎と成らんことを」

――――ケンタッキー決戦直前、合衆国軍にて行われた訓示の一説。この訓示を受けた多数の士官、下士官、兵士の多くは、その訓示の通りに母国の土へと還った。


「なんてこった!あいつら死ぬのが怖くないのか?!」

――――遣米幕府軍のとある下士官の絶叫。塹壕と機銃の防御陣地を文字通り『戦友を踏み越えて』自軍に襲い掛かる米合軍兵士の姿は、遠く日本本土での現場を知らないが故の能天気な楽勝ムードをぶち壊す一因となった。


「何人死んだ?何人殺した!?」
「分かるかそんな事!考えて居る暇有ったら目の前の敵を撃て!撃たんと殺されるぞ!」

――――人海戦術による飽和攻撃により突破された陣地内での米合軍と幕府・米連連合軍の文字通りの殴り合い。幕府が誇る火中車のような砲火力も、敵味方が入り乱れる塹壕内では何の役にも立たなかった。


「……死兵とは決して正面切って戦うな、と言うのが古来からの戦術の鉄則だが、こんなのどうしろと言うのだ」
「火力だ、やはり火力が足りない。あの狂人どもを寄せ付けず叩き潰すには、もっと多くの火力が、もっと強い火力が必要だ!!」

――――参戦前には想像だにしていなかった損害と戦訓を前に、前線後方問わずに異口同音で飛び交った言葉。この後の日本軍は、偏狭的なまでの大火力絶対主義へと更なる進化を遂げる。


「何とか勝利に持ち込めたとは言え、たった一戦で此処までの兵が死ぬとは予想外過ぎるぞ!」
「こうなったら兵を更に集めるだけだ!例え如何に強固な陣地でも米合軍の底力を持ってすれば勝利出来るのは証明された!足りないのは兵の数だけだ!!」

――――なまじっか『歩兵のゴリ押し』で戦術的勝利から一時的戦略的優勢、そして講和へと持ち込めてしまった事から、兵法の常道を投げ捨てた独自路線への突撃が決定した米合。その為米合軍の体質も完全に不健全に変容するのだが、それはまた後日の話である。



ケンタッキー決戦(仮)が発生した場合の日本と米合の反応はこんな感じでしょうかね?因みに米連は独立成功と戦争での消耗で少しの間燃え尽きており、灰からの再起動してからは軍の強化も国力滋養と共に健全に行っている模様(と言う事にして置く)

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最終更新:2020年06月27日 12:56