902: 弥次郎 :2021/05/16(日) 11:09:33 HOST:softbank126066071234.bbtec.net



憂鬱SRW 未来編鉄血世界SS「鉄の華が咲いた日」2(改訂版)




  • P.D.世界 火星 クリュセ自治区 CGS拠点地下 動力室



 オルガの切り札たるMSの準備は雪之丞、ヤマギ、ビスケットらメカニックたちの手により着々と進められていた。
阿頼耶識に対応したMWのインターフェイスをコクピットへと移植して接続することに始まり、武装の搭載、各部の調整や状態確認など、様々な仕事が待ち受けていた。
 このMSはもともと社長であるマルバが広い、搭載されているエイハブリアクターをCGS施設の動力源として扱っていたものであった。
 ゆくゆくは転売をもくろんでいたこのMSは、本来ならばCGSにとっての最高機密であった。
 だが、たびたび動力室を休憩場所として利用していたオルガはこのMSの事を知っており、時間を稼ぐ切り札として使うことを決めた。
 最悪、アルゼブラの増援が遅れることを見越しての事だ。
 無論の事、このMSで勝てるかどうかはわからない。
 そもそも、うまく起動するか確証は全くない。さらに、起動するまで時間がかかって全滅する恐れだってあった。
 いや、それに加えてMSの操縦が如何に阿頼耶識によって行えるからと言って、いきなり動かせるとも限らない。
雪之丞が整備しながらも三日月に忠告したように、MSの操縦において発生する情報量は単純な構造のMWの比ではない。
最悪、情報のフィードバックによって阿頼耶識を通じて脳や神経に致命的なダメージが入る。
 不確定事項だらけの選択で、まさに綱渡り。
 だが、そんな綱渡りの選択であっても、オルガは選ぶしかなかった。そうでなければ、死ぬだけなのだから。

 そんな光景を、クーデリア・藍那・バーンスタインはただただ見守ることしかできなかった。
 自分は無力だと、改めて思わざるを得なかった。革命の乙女などと言われているが、語る理想とは違い、目の前の少年兵たちを救う事さえできない。
自分はそういう境遇の人々を救いたいと思っていて、そのために行動してきた。
 だというのに、結局彼らを鉄火場に送り出すことしかできないのだ。
 かつて、貧民街を訪れて助けを求める多数の手を前にして何もできずに逃げかえることしかできなかった、あの時のように。
 あるいは、ごく最近、カラール自治区を訪れ、火星とは思えない盛況ぶりを知り、違いすぎる状況に絶望さえしてしまったときのように。

 命が惜しくないのかと、危険を恐れないのかと、コクピットで調整を続ける三日月・オーガスに問いかけもした。
 阿頼耶識という危険極まりない操縦方式を使ってMSを操ろうなどと、誰が考えて実行に移すだろうか。身の危険があるというのに。

『大事に決まってるでしょ。自分の命も、みんなの命も』

 その疑問はひどく当然で、それを思わずぶつけた。
 だが、それへの三日月から帰ってきた返答は、鋭い切っ先のようだった。
 弱い彼らは、弱いからこそ必死に抗うことしかできない。それをしらないのかと、言われた気がした。
 悔しいことに、それは事実だった。
 クーデリアが革命運動を行うことが出来たのは、自分がそういう状況が良くないと知り、変えていかなくてはと考えるだけの土台があったゆえだ。
 またバーンスタインという名家の力---財力・権力・伝手などを使えたからこそなのだ。
 少年兵、しかも身寄りがここしかなく、学も乏しい彼らから見れば十分な強者ということになる。

(私は……)

 何も知らなかったでは済まない。火星の現状を変えようとしていたのに、変えるべき現状をろくに知らない。
自分から彼らCGSに依頼を出しておきながら、火星独立を掲げておきながら、なんという無知であろうか。
誰も責めているわけではないのに、クーデリアは疎外感に襲われていた。
彼らと自分の間には、まだまだ隔てる壁があるのだと。彼らは彼らで動いていて、そこに自分は結局加われないままだ。
 また大きな揺れが体を襲う。ギャラルホルンが自分をとらえるためにMSまでも投入したというが、果たして地上で抗う少年兵たちは無事であろうか。
 しかしながら、まったく非力なクーデリアできることはただ一つ、ただ無事を祈るしかなかった。

903: 弥次郎 :2021/05/16(日) 11:10:06 HOST:softbank126066071234.bbtec.net

 オーリス・ステンジャの過ちは、任務よりも己の快楽を優先したことに尽きるだろう。
 歩兵部隊が想定より早くに察知され、また、MW隊がCGSのMW達に翻弄されてしまったのでMSで前線に出たのは間違いではない。
状況を打開するために上位の戦力を投入するというのは一般的な解決法だ。まして、MSというカードは半ばジョーカーに近い。
ギャラルホルンが他の勢力に対して有している圧倒的なアドバンテージがMSの組織的運用であり、その戦闘力であった。
宇宙海賊や自警団などでMSを有する組織は多数いるとしても練度などで上の組織というのはほぼ0。ゆえにこそ、出せばほぼ勝利が決まりということだ。
MSを出した時点でさっさと降伏を迫り、僚機であるアイン・ダルトンやクランク・ゼントらとともに抵抗戦力を排除。
そのうえで、あらためて歩兵やMWをもって基地を制圧すれば、クーデリア・藍那・バーンスタインの身柄の確保はできるだろうし、それでことは済む。

 だが、そうはならなかった。オーリスは自らの楽しみのためにCGSのMW隊を追いかけまわしてハンティングに興じ始めたのだ。
作戦が、歩兵部隊の浸透に始まるクーデリア・藍那・バーンスタインの身柄確保は歩兵部隊のミスに始まってケチがついていたのだ。
それに苛立ち、自らしびれを切らして飛び込んだ彼は、その苛立ちをMWにぶつけたのだ。
 その行動と選択は、セントエルモスの増援到着までの時間稼ぎを狙うCGSにとってはありがたい愚行であった。
 だが、同時に命がけの鬼ごっこの始まりとなってしまった。言うまでもなく、また繰り返しになるがMWとMSでは戦闘が成立しない。
オーリスとてバカではないからライフルも使って攻撃してくるし、MWに後れを取るほど操縦が下手なわけではない。
それでもCGSは必死に抵抗した。阿頼耶識の操縦によって機敏に逃げ回り、数でかく乱して狙いを定めさせない。

「ちょこまかとぉ!」

 ただ、楽しみがうまくいかなければいら立ちもする。やがて、その狙いは走り回りながら指示を出すMWに定められた。
 すなわちオルガが同乗しているユージン・セブンスタークのMWへと。

「貴様が指揮しているな!」
「やべぇ!」

 そのことを直感的に理解したユージンは全力でMWを飛ばす。だが、悲しいかなグレイズとの速度差は語るまでもない。
ユージンの必死の操縦で直撃こそ回避しているが、先ほどからライフルの至近弾がMWを大きく揺らしている。
 まさに絶体絶命。
 そして、彼我の距離は瞬く間に狭まり必殺のアックスが振りかぶられた。これだけ接近されれば、至近弾など期待できようはずもない。
自分たちはMWごと吹っ飛ばされ、死ぬしかない。そこに奇跡もかけらも期待できない、非情な現実だった。
 だが、オルガは決してあきらめていない。MSと正対し、怯まずに睨みつけ、最後まで目をそらさない。

「こんなところじゃ終われねぇ……そうだろ---ミカァ!」

 オルガの叫びに答えるように、地上に繋がるハッチの一つが吹き飛び、巨大な影が、MSが飛び出す。
 それは完全に意表を突き、オーリスはそちらに気を取られてしまい、動きを一瞬止めてしまう。
 だが、それは命取りだった。
 そして、悪魔が、長い長い眠りから覚めたガンダム・バルバトスが、その手にしたメイスでグレイズを叩き潰したのだった。
まさか、ありえない。そんな思考を最期に、オーリス・ステンジャの意識は肉体の圧潰に伴い、永久に停止した。

904: 弥次郎 :2021/05/16(日) 11:10:50 HOST:softbank126066071234.bbtec.net

 丁度、同時の事であった。
 CGS拠点の上空の空間が一瞬歪み、次の瞬間には全高14mほどの人型2機、空中に出現していた。まさしく突如として出現した、という言葉がふさわしいものだ。
 また、その人型は背中に全長8mほどのユニットを接続しており、機体の各所から日に輝く粒子を放出していた。
 その二機の人型は、企業連の派遣部隊「セントエルモス」に所属するネクスト「ジュピターソン」「カノプス」だった。
 ジャンプ・ブースターにより一瞬で転移してきた二機は、跳躍完了の確認もそこそこに、センサー系を地上へと、CGSの拠点へと向ける。

「状況はどうなっていますか?」
「直前までの状況だと、MSが出てきていたようだったけど……」

 一瞬の精査で状況はおおまかに把握された。
 ギャラルホルンのMS、先程までMW隊を襲っていた機体だろうが、それが新たに出現したMSによって叩き伏せられている。
それは明らかにギャラルホルンが用いているMSではない。事実、残りのグレイズはそのMSに対して明らかに警戒を示していた。
 というよりも、それより重要なことはその出現したMSだ。ツインアイ、ブレードアンテナ、人の顔を模した頭部の造形。
その特色は、連合が用いているMSにおいても同様の特色を持つ機体が存在しており、二人の知るところであった。

「あれは……ガンダムタイプMS?」
「この世界にも、ガンダムタイプMSが存在していたとは。収束進化にしては恐ろしいですね」

 ともあれ、とセントールはジャンプ・ブースターをパージして自立飛行モードで待機させる操作を行う。
 同時に、メインシステムを戦闘モードへと切り替えながら明星へと告げる。

「CGSは何とか持ちこたえたようです。我々は我々の仕事をするとしましょう」
「ええ、行きましょう」

 PMS特有の刹那の会話は数秒にも満たない、わずかな時間。
 そして、二機のネクストはその力を解き放つべく、降下した。



 翻って、地上。
 上空から接近する機体に先に気が付いたのは、というか、次の瞬間に至近距離に出現したのを感知したのはクランクだった。
クランクをして、自分の目の前に突如として人型が現れたことは驚愕だった。センサーに反応はなく、まさに「出現」したのだから。
 だが、敵意を向けられ、こちらに武器が向けられていると咄嗟に理解し、対応しようとした。
 同時に、回線でアインに警告を送ろうとして、間に合わなかった。

「アイン!?」

 アインは何が起こったのかさっぱりわからなかっただろう。クランクでさえ、把握しきれなかった。
 辛うじてわかったのは、急接近した敵機がアインのグレイズを一瞬で解体してしまったことだろう。
手にした長い獲物が振りかぶられた次の瞬間には閃光が走り、グレイズがばらばらになって崩れ落ちたのだ。
 認識できたのはそこまで。次の瞬間には別な1機が自分へと襲い掛かってきたためだ。
 敵機が振りかぶったのは刀。片手で軽々と扱うそれは、自分のグレイズを仕留めるべく振り下ろされようとしていた。

(受け止め…いや、間に合わない!)

 クランクはグレイズに持たせたアックスで受け止めようとして、即座に中止した。
 相手の動きは途轍もなく速い。グレイズのそれをはるかにしのいでいる。理屈ではなく直感で理解できた。
 だから、間に合わないと判断し、バックステップを踏んで辛うじて回避。
 だが、回避した筈であるのに、衝撃が機体を揺さぶる。それは、とてつもないパワーで振られたことによって発生した遠当てだ。
ガクンと機体が衝撃で硬直し、動きが一瞬遅れる。不味いと思いつつ必死に操縦桿を動かすが、そんなものよりネクストの方が速い。
振り下ろし、次の瞬間には横に薙ぎ払う一閃へと変化した一撃は、回避も間に合わないグレイズの膝から下を綺麗に切り落とした。

「馬鹿な…!?」

 クランクも長年MSに乗ってきたからわかるが、ナノラミネートアーマーの装甲を持つMSは頑丈だ。
高所から落下させたとしてもパイロットを考慮しなければ無事だし、破壊したければ大質量の物体を叩きつけるなどしなければならないのに。
 それを切り裂いた?ただの刀で?一体どういう原理で?理解できない。

905: 弥次郎 :2021/05/16(日) 11:12:04 HOST:softbank126066071234.bbtec.net

 そういうわけもあり、クランクをしてこの経験は初めてであり、困惑した。
 だから、浮遊感と共に落下していくのをただただ見ているしかなかった。

「ぬぐっ…!?」

 地面に落下した衝撃を受けながらも、クランクはそれでも抵抗しようとした。
 両足がもがれたとはいえ、まだ武器は手にあるのだから、抵抗はできるはずだ、と。
 だが、操縦桿を再度握り直してモニターを確認した時、そこでようやく両足だけでなく両腕も綺麗に切り落とされていることが分かった。

「馬鹿な……あの一瞬でだと?」

 自分が乗るグレイズは脚部を破壊され、地面に倒れていった。
 その間はほんのわずかな時間しかなかったはず。何時の間に破壊したのか。
切り落とされたとわかったのは、辛うじて無事だった頭部のカメラで四肢の状況を確認したためだ。
叩き潰したり、砕いたりしたわけではない。野菜を切れ味の良い包丁で切ったかのように綺麗に切られているのだ。
 コンピューターは機体の損傷が著しい状態と判断してアラートを鳴らして脱出を促している。だが、それもかないそうになかった。
敵機が、ここでようやくまともに見ることが出来たが、見たことのないMS(実際はACネクスト)が手にした刀を突きつけているのだ。
もはや抵抗さえできない。しようとした瞬間、串刺しにされるがオチだ。

『表に出なさい』

 近距離通信で女性の声に促され、クランクは大人しく従うことを選んだ。もはやそれしかできない。
 そして、クランクはハッチを開いて外に出る。眼前にはMSより一回り小さい人型兵器がこちらを睥睨している。
ゲイレールやグレイズ、あるいはロディ・フレームなどとは明らかに違う造形を持っている。それに何だろうか、機体の周囲に粒子が浮かんでいるのが見える。
 もう一機の方を見れば、こちらは何やら薄い膜が周囲に見える。錯覚ではなさそうだ。しかし、一体なんであろうか。

『良い判断ね。あなたは捕虜になった以上、人道的な扱いを約束するわ』

 外部スピーカーの声にふと見れば、アインもまたコクピットから出てきている。降伏を選んだのは自分と同じだったらしい。
そして、いつの間に現れたのか、三機目の機体もまた武器を何かに向けている。恐らく撤退中のMW隊だろう。

(完敗、か……)

 オーリスの手綱を手放した結果がこれか、とクランクは自嘲するしかない。
 もし最初から共同で行動に移っていればこんな目に合わなかっただろうという予感がする。
 だが、もはやせんのない事。自分達はあっという間に敗北し、こうして無力化されてしまったのだから。
 そして同時に思うのだ、一体彼らは何者なのかと。事前情報ではCGSにMW以上の戦力は存在しなかったはずだ。
 だというのに、オーリスのグレイズを撃破した機体を含め、MSが4機もいる。情報が誤っていたのか、それとも別な理由なのか。

(ともあれ……)

 そこで、クランクは考えるのを中断した。どう考えても、思考が追いつかない。ただ、敗北を受け入れるしかないのだ。
 だが、そこに悪感情はなかった。こうにまで圧倒されてしまうと、逆に爽快感さえあるほどだ。今はそれで十分だった。

906: 弥次郎 :2021/05/16(日) 11:12:34 HOST:softbank126066071234.bbtec.net

「おい、あれって……」
「MS……なのか?」
「あれに三日月が…乗っているってのか…」

 突然のネクストの出現は、CGS三番組にとっても驚きだった。
 地下からMSが出てきたことも驚きだったが、それ以上なのがネクストだ。鎧袖一触という言葉のままに、ギャラルホルンのMSが解体されたようだ。
 ようだ、というのは、その様子が誰の目にもとまらぬ速さで行われてしまったためだ。
何とか動きがあったのだろうと推測は出来たが、はっきりと見切ることが出来たのはほとんどいなかった。
気が付けば、あっという間に勝負がついていたようにしか見えなかった。

『あー、あー……聞こえるだろうか?
 こちら「セントエルモス」所属のセントール。CGS、応答願う。こちら「セントエルモス」所属のセントール。
 救援に駆けつけた。そちらの状況を知らせてほしい』

 茫然とした彼らを現実に引き戻したのは、ネクストチームのリーダーを任されているセントールの声だった。
 慌ててオルガはインカムで応答する。

「こちらはCGS三番組を任されているオルガ・イツカだ。あんたらが、その、アルゼブラの増援なのか?」
『その通り。よくぞ救援が駆け付けるまで耐えたな、CGSの諸君』

 その返答に、オルガは体の力が、というか張りつめていた緊張の糸が一気に緩むのを感じた。
 助かった。
 シンプルに安堵と達成感が、オルガの身体を支配していた。
 自分の命も危ういところだったが、三日月とアルゼブラの救援部隊が助けてくれた。
 大人の声だったが、不快な声でも罵声でもなく、むしろ褒められたのだ。不思議と、悪い気分ではなかった。

「……おかげで助かった、礼を言う」
『何、このくらいは提携先にすることとして当然だとも。それより、負傷者の治療などを急いだ方がいい。
 それと、ギャラルホルンの兵士たちは降伏させたので武装解除と拘束を頼む。無体な扱いはしないでくれたまえ。
 念のため、そちらに一人こちらの人員を送る。必要なら指示を仰いでくれ』
「わかった」

 何とか会話しているが、現実感がまだあまりなかった。ギャラルホルンの部隊を相手に勝ってしまったこと。
 そして、自分を含め三番組全員が命の危機を脱したこと。アルゼブラの救援部隊があのギャラルホルンを圧倒したこと。
非現実的なことがたくさんありすぎて、正直なところどうにかなりそうだった。

『オルガ?』
「ミカか、お疲れさん。助かった」
『別にいいよ。で、あの人たち何?』

 敵か?と言外に聞いてくる三日月を、オルガは何とかいさめる。

「いや、CGSの提携先の会社の連中だ。俺たちを助けに来てくれたんだとさ。まさか、本当に来てくれるとは思わなかったけどな」
『そう、分かった』
「とりあえず、ミカもこっちに戻ってくれ。ご苦労さん」
『了解』

 通信を切り、何とか一息。
 ひとまずは、この戦闘の後片づけだ。負傷者は多くいるし、死亡した奴もいた。歩兵戦とMW戦に加えて対MS戦までやったのだから当然だ。
 ぐるりと視線を巡らせれば、激戦の跡がよく見える。砲弾の着弾痕やら擱座したMWやら地雷の爆発した跡やら。
それだけではない。CGSの拠点も攻撃を受けていて、MS用のライフルの弾痕が痛々しい。
 だが、それでも生きている。

(あとは……)

 脳裏に浮かぶのは、自分達を見捨てていった一番組のことだ。
 事前の仕込みで囮になってもらったことで自分達はいくらか助かったが、同時に囮にされたことに気が付いているだろうし、激怒していることは間違いない。
しかし、まさか自分たちがアルゼブラからの増援と共にギャラルホルンを撃退しているとは想像していないだろう。
 ともかくとして、連中が戻ってきたら対処しなくてはならない。いや、その準備も含めれば今のうちに行動をしておかなくてはならないかもしれない。
 まだ、終わっていない。
 それを強く感じながらも、オルガは一つの山場を乗り切った、心地よい疲労に浸るのだった。

907: 弥次郎 :2021/05/16(日) 11:13:23 HOST:softbank126066071234.bbtec.net
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最終更新:2023年06月07日 19:18