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銀河連合日本×神崎島 ネタ 民俗学者が見た神崎島その七
雑誌『民間傅承』 現代の異界、神崎島 サキノシマ その一
神の前(サキ)或いは、常世の先(サキ)とも呼ばれる神崎島、
現在日本ではその神崎島の神話は日本神話、記紀神話に属し失われた記紀の一部であると見做すのが主流である。
故に神崎島が存在した常世を含め神崎島は記紀神話における常世国、或いは根の国、黄泉に比例される。
そしてそれは妖精となった父祖らの存在からも肯定され、神崎島と常世は記紀神話における死者の世界であり異界であると日本人には認識されている。
我々は現在その異界、かつて常世にあった神崎島について多くを知ることが出来る、そこが日本であり地球上に存在し日本人の行き来もあるからだ。
しかしそこは本当に現世であるのだろうか?一般的に考えれば地球上に存在する以上そこはこの世のものであると認識される。
最新の物理学、天文学では我々の住む天の川銀河においてはブラックホールですら物理法則が変化することはない、
されど我々地球から見て宇宙の最遠においては物理定数が変化することが示唆されている。
しかし神崎島はどうか?
地球上に存在するにもかかわらず物理法則が異なり空間が歪み距離を無視するような現象が度々発生している。
我々知的生命体の認識範囲外では妖精の力なくしては時間が加速し植物は急激に成長し人工物は朽ち果てていく。
また、低緯度地域にもかかわらずオホーツク海のように水が氷結するような陸地もないのに発生する流氷や色鮮やかなオーロラすら観測される。
日本の様に秋には紅葉が見られる地域もあれば、地中海気候が存在し、冬の東北日本海側の様な豪雪地帯が一つの島の中に存在する。
然程標高差等も存在せず、島自体は熱帯気候に属しているにもだ。
このように我々の世界の常識から掛け離れた神崎島は本当に現世に存在するものなのであろうか?
「神崎島は確かに地球上に存在するが物理法則を鑑みてそこが我々の知る物理法則下の世界、この世であるとは言い切れない即ち科学的な意味でも異界とも言える」
神崎島を調査したある科学者の言葉あるが、科学的に見た場合でも神崎島は異界と言える、だがそれは世界を越えるとかそのような話ではない。
我々にとって既知の世界に接しながらも知り得る常識の範囲外である場所、それが神崎島である。
その異界たる神崎島は龍宮やマヨイガのような我々の世界と連続する異界の例にもれず特定の人物しか渡ることは出来ない。
より正確に言えば島の者や島そのものに呼ばれるか島への悪意なく偶然渡るかしか島を訪れる方法はない。
かつて島を訪れた者を挙げれば、平家の落人に補陀落渡海によって流れ着いた熊野の僧や明治の軍艦畝傍の乗組員などどれも偶然常世へと流れ着いた者しかいない。
島が恐らくは千年以上ぶりに現世に現れた現在では島に接触するために訪れた自衛隊やアメリカ海軍、その後は鎮守府により島を訪れることを認められた人間しか訪れていない。
中国や韓国の軍艦、環境団体の船舶などを見て分かる通り島に対し悪意や欲望を向ける者は辿り着くことは出来ない。
それどころか強引に海域を突破しようとすれば命を落とすばかりかその身体、魂さえも亡者に堕ち現世に帰ること叶わず永久の夜と大禍時の間の夜海を彷徨うこととなる。
島そのものが興味本位や巫山戯て触れて良い代物ではない。
現世へと帰還し閉じた異界である常世にあった時に比べれば訪れやすい神崎島ではあるがその本質はやはり我々の住む現世と異なる場所なのだ。
神崎島は人が安易に触れざるべき神の世界たる異界そのものであり、正しく神の前(サキ)の島なのである。
99: 635 :2020/08/19(水) 07:13:30 HOST:119-171-231-231.rev.home.ne.jp
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最終更新:2020年08月22日 10:11