10 :ルルブ:2012/01/22(日) 21:04:25
ネタ03です(><)
IF もしもひゅうが様の大日本帝国との接触が原作開始とほぼ同時期だったら?
という妄想です。
宇宙暦796年、1月。アスターテ会戦前夜。自由惑星同盟はエア恒星にて一つの国家と接触した。
名を「大日本帝国」。
西暦、紀元前から延々と続く歴史と伝統、そして最先端の科学技術と高度な国民教育に支えられた一大国家である。
アスターテ会戦は同盟軍の辛勝と言う形で終了する。
第4艦隊、第6艦隊は司令部ごと壊滅。第2艦隊も半壊。
3名の中将も負傷した。
それから数か月後。銀河帝国はヤン・ウェンリー少将貴下の第13艦隊によりイゼルローン要塞を奪取し、
夢幻会の知る『歴史』に従って帝国領侵攻作戦を開始した。
ハイネセン
「議長。
改めて確認しますぞ?
大日本帝国の特別大使であるコノエ宰相、シマダ宇宙軍大将、ツジオオクラ大臣、ヨシダ外務大臣との接触は取れたのですな?」
「ああ、トリューニヒト国防委員長。
いよいよだ。
長きに渡って現世(うつしよ)から消え去った古き民の末裔達、それが今再び現れる。
そして、帝国との仲介も彼らがやってくれる。
無論、フェザーンとその回廊、パイプを通して、な」
多くの議員が力強く一斉に頷く。
「トリューニヒト委員長、そして諸君。
行くぞ。
我らでこの150年続いた戦争を終わらせるのだ。
同盟を帝国に認めさせるという難問を、な」
最高評議会の議長、ロイヤル・サンフォードはいつにない強い意志と、若き頃に失った、そして今再び蘇った情熱を持った目で彼らに厳かに告げた。
宇宙暦796年7月下旬。
銀河帝国領侵攻艦隊のうち、第3艦隊、第7艦隊が新国家、大日本帝国への対策の為、帝国領から撤退する。
それを契機に同盟軍帝国領侵攻艦隊は戦線縮小の名目で前進を鈍化。
続いて同盟軍は同盟市民に対し、帝国領辺境部で焦土戦術が取られている事をメディアに公表。
辺境の惨劇と呼ばれる銀河帝国の非人道性を、同盟のマスコミが苛烈に報道する中、サンフォード議長ら最高評議会は大日本帝国との接触を公式に発表した。
議会制民主主義を維持してきた古く新しい、共通の理念を持ち、同盟同様、帝国から弾圧された『友邦国』として。
宇宙暦796年9月
銀河帝国上層部が、自由惑星同盟軍が新国家との接触と言う異例の大混乱の渦に巻き込まれた一方、最高評議会は冷徹に判断を下した。
シドニー・シトレ元帥と国防委員長ヨブ・トリューニヒトを中心に大日本帝国へと護衛に新造艦トリグラフを中心とした100隻の艦艇を含む使節団を派遣。
同月、第5艦隊、第12艦隊、スコット提督指揮下の補給艦隊がキルヒアイス艦隊、ルッツ艦隊、ワーレン艦隊と交戦。
アムリッツァ前哨戦と呼ばれる戦いで、双方2割程度の損害を出す。
これを受け、ロボス元帥は指揮下の予備兵力である第1艦隊をハイネセンより出撃させる。
一方、第8艦隊、第9艦隊、第10艦隊、第13艦隊は占領地域から撤収。
宇宙暦796年10月、帝国領侵攻軍、アムリッツァ恒星系まで後退。
自由惑星同盟軍は第1艦隊、第5艦隊、第8艦隊、第9艦隊、第10艦隊、第12艦隊、第13艦隊の7個艦隊が銀河帝国軍ローエングラム伯爵指揮下の帝国軍と交戦。
俗にいうアムリッツァ会戦である。
そして、宇宙暦796年12月。
第1艦隊と第9艦隊を7割弱、第8艦隊も6割に達する艦艇を完全に喪失したものの、第5艦隊、第10艦隊は6割、第12艦隊は7割、第13艦隊は8割の残存戦力をもってイゼルローン要塞に帰還。
この時点で無傷の艦隊は第3艦隊、第7艦隊、第11艦隊のみとなる。
11 :ルルブ:2012/01/22(日) 21:05:06
一方、アムリッツァ会戦の勝者であるローエングラム伯爵はこの功績をもって宇宙艦隊司令長官に就任した。
自由惑星同盟と銀河帝国ゴールデンバウム王朝は大日本帝国を利用すべく行動を開始する。
同盟は対帝国連合結成の為、帝国は帝国内部の不穏分子掃討の為。
宇宙暦796年10月、『歴史』通りに皇帝フリードリヒ4世死去。
銀河帝国はリヒテンラーデ・ローエングラム枢軸とブラウンシュバイク・リッテンハイム連合に分裂。
宇宙暦797年3月、銀河帝国内部にて内乱発生。
「リップシュタット戦役」である。
やがて、リップシュタット戦役は門閥貴族の壊滅、リヒテンラーデら旧宮廷貴族の一掃、ラインハルト・フォン・ローエングラムの独裁体制が確立。
同盟は新国家『大日本帝国』への脅威論や対銀河帝国過激派の蠢動により、4月にクーデターが発生。
約半年間、同盟軍同士が相打つ戦いが行われた。
そう・・・・・本来であればこれで終わる筈であったリップシュタット戦役と同盟の救国軍事会議によるクーデター事件は大きな波紋を呼んだ。
宇宙暦797年10月。ハイネセン。
サンフォード議長、クーデターの責任を取って辞任。
トリューニヒト、極秘裏に締結させていた条約を盾に、日本義勇軍とイゼルローン要塞の第13艦隊と共にクーデター派の第3艦隊、第11艦隊を撃破、首都ハイネセン奪還の功績をもって暫定最高評議会議長に就任。
宇宙暦797年12月8日、大日本帝国政府、自由惑星同盟政府と通商・安全保障条約を締結。
同日、ヨブ・トリューニヒトを中心とした新政府が成立する。
銀河帝国ローエングラム独裁体制に対して共同声明を発表。
1大日本帝国との国交樹立を宣言。
2同盟軍、日本軍、両軍の軍事交流開始を宣言。
3銀河帝国政府に対して、自由惑星同盟領への軍事行動の即時停止を要請。
4自由惑星同盟の国家認証を要求。
5銀河帝国政治犯の釈放、農奴制の廃止、議会の設置、憲法制定を要請。
6三カ国会談の実地を提案。
以上を持って、新体制であるローエングラム体制に対して共存共生を要求した。
これを受けたラインハルト・フォン・ローエングラムは亡き親友、ジークフリード・キルヒアイスとの盟約を果たす為にこれを黙殺。
軍の再建と銀河統一の為、大遠征への準備を開始した。
大日本帝国の夢幻会は『歴史』通り進むであろう、ラグナロク作戦に対応するべく行動を開始。
自由惑星同盟も艦隊再建とランテマリオ恒星系を中心に絶対国防圏を確立すべく蠢動。
帝国、同盟、日本。
この三カ国はそれぞれの道を歩み始める。
新たなるプレイヤーの存在、大日本帝国の登場によって。
それは旧秩序、ルドルフ・フォン・ゴールデンバウムが生み出した世界、その破滅への第一歩であった。
最終更新:2012年01月30日 19:15