132: ナイ神父Mk-2 :2020/08/18(火) 23:36:27 HOST:p12178-ipngn901akita.akita.ocn.ne.jp
憂鬱スパロボ 未来編小ネタ
鉄血のオルフェンズ編 その2
鉄の華が咲くまでに
「そんな所に立っていないで楽にしてくれ」
そう目の前の存在から声を掛けられた事でオルガは目の前で起きている事が現実だと漸く認識した。アルゼブラ火星支社本部で有るとされた恐ろしい程までに巨大な足を持ったMWの様な兵器の中に通されたと思ったら、内部では社長に有って貰うとCGSよりも遥かに広く清潔な廊下を案内されいざ社長室へと入ると目の前にはCGSでは見た事も無いような長躯とガッシリとした体格に緑色の肌をした男が執務室の椅子に座っていたのである。横目で見れば、ビスケットだけでなく相応に人脈も有るであろうバーンスタインまで固まっていると成れば自分の見識不足と言う訳では無く、コレが非常識な事で有るという事はオルガも理解できた。あまりにも状況が状況であったために固まったままでいたオルガ達は掛けられた声に動かされる様に少しぎこち無い動きで其々ソファへと腰掛けると柔らかいクッションの感覚と来客用に出された紅茶の香りを感じて幾らか精神が落ち着いてきた。そして、執務用の机から移動してきた緑色の肌をした男はテーブルを挟んだソファに腰掛けて一息ついたようで有った。
「君たちがCGS元三番隊か?」
「あ、あの…」
「?ああ、失礼した。そう言えば名乗って居なかったな…私はペトローフ、このアルゼブラ火星支社長だ。」
「CGS三番隊改め、鉄華団のオルガ・イツカだ…こっちは団員のビスケットと三日月」
「よ、宜しくお願いします。」
「ふむ、若いのに中々…」
其処まで行った所で緑色の肌の男…ペトローフは何か考え込む様な仕草を見せると徐に近くに控えていた秘書に目配せをした。それに合わせるせてテーブルには分厚い写真付きの資料が置かれておりそれに機体の写真が載っている事から何らかの機体資料で有ることが伺える。
「君たちがクーデリア氏の契約を継続していく事は先に報告が上がっている。これからの事を考えればMWと立った数機のMSでは任務を達成することは困難だろう。
其処で我々の方で旧式等では有るが幾らか機体を用意している。少なくともMWよりは性能は保証できる。」
「それは、有難い話ですが…」
「申し訳ありません機体を頂いても支払いが…」
「それに関しては問題は無い。コレは君たち鉄華団への先のCGS防衛時の任務報酬のだと思ってくれ」
「けど、それにしても…」
「其れだけ君達の実力を認めているという事だ。それに連携の問題もある任務成功率を上げる為の支援とも考えてくれ」
「…わかりました。」
「契約は成立だな…無事依頼を果たしてくれ」
オルガ達が納得した所でペトローフは契約書を渡すとオルガ自身の手でそれにサインを行い正式に鉄華団とアルゼブラとの契約は終了、それに対して一安心と言った表情をしたあと手元にあった紅茶を飲み干すとカップを置いて一息ついた。商談を終えたせいか表情も幾分か柔らかくなっており、先ほどよりは身長から来る威圧感や圧迫感と言った物は薄れた様にも見える。
133: ナイ神父Mk-2 :2020/08/18(火) 23:37:14 HOST:p12178-ipngn901akita.akita.ocn.ne.jp
「ところで…」
「?」
「オルガ君の後ろに立っているのが三日月君で良いのかね?あのガンダムに乗って戦闘に参加した。」
「ええ、そうですが・・・」
「そのガンダムに関してだが此方で改修させて貰えないだろうか?此方に関しては純粋な研究目的だ、データ取りと引き換えに改修と修理をさせてもらいたい。」
「それは願ったりですがなんで又…」
「…ガンダムと言うのは少々此方では特別な機体でね…その辺を含めて調査を行いたいんだ。」
「…ミカ、良いか?」
「オルガがやれって言うなら…」
「お願いできますか?」
「解った機体は出来次第君たちに引き渡そう。」
「他に何か聞きたい事は有るかね?」
「あ、あの」
「何か?」
「失礼なのでその、その肌の色は…」
其れ迄黙っていた。クーデリア・藍那・バーンスタインの言葉に対してオルガやビスケットは思わず固まった。何らかの事情は有ることは想像できて居た物の、本人や近くに居た社長秘書が触れなかった事から自分たちも触れて居なかったものの本人の護衛の契約に関する事と言う話を聞いて同道を希望した為、付いて来てもらっていたがその彼女がまさか此処まで切り込むとは思ってもみなかったのである。思わずオルガはペトローフを見ると聞かれた当の本人は気にしたそぶりも無さそうであることから内心でオルガはそっと胸をなでおろした。
「ああ、そう言えば此方だと連合からの人員も余り来ていないからな無理も無いか…」
「という事は連合だとそう言った肌の色も珍しくないので?」
「肌の色位で驚いて居たら身が持たないぞ。まあ、疑問には答えよう私はゼントラーディと呼ばれる種族でね…この肌は我々には良くある物なのだよ」
「それでですか…」
「今は君たちと同じくらいだが、本来は10m近くある巨人族の一つでもある。何れ元の姿で生活しているゼントラーディにも有る事が有るだろうから、コレからも連合と付き合っていく以上はそうした実情も調べていくべきだろうな…」
「ご教授ありがとうございます。」
一波乱は有った物のこうして成立した鉄華団とアルゼブラの正式契約によって鉄華団は正式に結成、この世界の現地勢力に置いては珍しくMT等の連合の販売兵器を主力として使用したPMCの存在はその後各地の戦闘に置いても広がっていく事となり連合の支援を受けた火星の発展・地球を訪れたクーデリアの動きと共にPD世界の国々や勢力に対して徐々に大きな流れ変化を生んで行く事となる。
134: ナイ神父Mk-2 :2020/08/18(火) 23:38:08 HOST:p12178-ipngn901akita.akita.ocn.ne.jp
以上です。取り敢えず鉄華団結成周りの描写を少々…
最終更新:2023年10月10日 21:43