851: トゥ!ヘァ! :2020/09/04(金) 20:46:03 HOST:FL1-118-109-165-4.kng.mesh.ad.jp
スパロボクロス 未来編 列強伝記 その2


ここはモブ星。つい最近この宇宙に来てしまった不幸な星の一つである。

その星を統治するモブ国家。多分名前はきちんとあるが面倒なのでモブと呼ばれているこの国の中枢ではモブ大統領が部下から報告を聞いていた。


「やはり列強と呼ばれる国の中では連合の評価が抜き出ているか」

「はい。次点ではフォーリナーと呼ばれる勢力が、最後にヴォルガーラと呼ばれる勢力の評価が続くようです」

大統領と部下の話は、この宇宙における列強への評価である。
具体的に言えば傘下に付くならどの勢力がいいのかという評価であった。

外宇宙に多数の調査員を飛ばした結果得られた情報は多数あった。

連合は穏健、フォーリナーは中道、ヴォルガーラは過激。
バジュラと呼ばれる宇宙生物には手出し無用。暗黒枢軸や協商連合など列強には及ばないが他にも独立勢力が存在していること。

特に力を入れていたのが列強と呼ばれる勢力に関する情報である。
調査の初期段階でこの宇宙が決して平和でないことを理解したこの国の上層部は独立独歩の道ではなく、どこかの傘下に付くことを選んだのである。

いや500万隻単位が通常の宇宙蛮族とか、それと張り合うだけの量を持つ宇宙生物の群れとか挙句の果てにそういった連中の間を縫いながらも略奪を行っている宇宙海賊とか控え目に見てもヤベー奴らばかりであり、到底自前の戦力のみでは遠からず滅亡不可避であった。

彼等の選択を容易きに流れる、自助努力をしない者と蔑むのは簡単だが、この宇宙ではそういった判断すら下す暇もなく滅んだ文明も数多くいるのだ。
それらを考えてみれば決して彼らの判断を馬鹿にはできない。
自分の足で立とうとするには、この宇宙は過酷すぎるのだ。

とは言え、どこの勢力の傘下に付くかは重要である。
下手に気難しいところに付いて酷いことになっても問題である。

そういうわけでは調査員の調べた三列強はどこを選んでも真摯に対応して傘下に付けば酷いことにはならないだろうというある意味理想的な国々であった。

しかし、しかしである。それでも三列強どれが入りやすいのか、大事にしてもらえるのかということを出来る限り調査はした。

結果評価が最も高かったのが連合である。次点でフォーリナー。ヴォルガーラは機械化が怖いのと蛮族味高いので却下された。

というわけで国の中では連合とフォーリナーどっちに付くかの議論が交わされた。
そして30分経たず連合に付こうと決定される。
まぁそうなるな…

集めた情報によると連合は真面目にやってる中小国には優しいとのこと。
連合について集まった記録の7割程は好意的な意見で占められていたのが大きい。
無論色々黒い噂もあるが、それはデカい国ならどこでもあるものである。モブ星は気にしなかった。

「気にしてもどうすることもできない問題だし…」
とは政府高官のセリフ。

結局のところ集めた情報を基に一番マシっぽいところを選ぶしかないのだ。
そういう意味ではモブ国家目線では連合はほぼほぼ100点であった。

結果モブ星のモブ国家は連合に加盟する方針で決定。
取りあえず交流するための使者を連合に送ることにした。

後に無事に連合加盟に成功。企業からの支援などを受けながら順調に発展していくのは、まだ未来の話である。

852: トゥ!ヘァ! :2020/09/04(金) 20:47:04 HOST:FL1-118-109-165-4.kng.mesh.ad.jp
〇収集した情報一覧
独立商人へのインタビュー。なおコメントは全て別人物。


「連合?あそこは良い所だよ。うちの故郷は身分について煩い国だったんだけど連合に入ってからは大分緩和されてね。俺みたいな平民生まれも色々な職に付けるようになったんだ。感謝しているよ」



「フォーリナーねえ。あそこは高慢ちきなところが好かねえな。あれならまだヴォルガーラの方がいいね。ああ、でもきちんと約束事は守ってたなぁ。これは他の列強もそうなんだよな。
連合、フォーリナー、ヴォルガーラ。一度決めた約束事はきちんと守る。だから安心して商売できるよ」



「そうですね…一番怖いのはヴォルガーラでしょうか。文化が違い過ぎていつの間にか向こうの嫌気を買っていないか冷や冷やしますよ。それこそ「そういう目をしたあ!」って言って切り殺されることもありますしね。
あなたもあそこと商売する時には気を付けた方がいいと思いますよ」



「連合か。まあ列強の中では一番付き合いやすいタイプだな。俺達みたいな領外の独立商人相手でも平等に取引してくれる。良い国だよ。無論騙すようなことをすれば凄惨な報復が待っているけどな」



「フォーリナーは高慢ちきに見えるのは実は言動だけなんだ。服従交渉はともかく、服従後は結構気を使ってくれるし、平等に接してくれるよ。まぁ言葉の裏や意味がわからない人たちからすればやりにくい相手だろうけどね」



「ヴォルガーラなあ… 俺はなんか知らないけど取引できてるんだよな。時間に間に合わないと必死に戦場突っ切ってヴォルガーラの陣地まで物資運んだら何か気に入られたんだ。
それから何度も取引があって、今じゃ彼らの言ってることや内心も何となくわかるようになったよ。
しっかし本当なんで気に入られたのか未だにわからないわ」



「連合はねー 黒い噂もあるけど基本は一番取引しやすい国。まあデカい国なんて黒い噂の一つや二つあるのは当たり前だし、フォーリナーやヴォルガーラは噂じゃなくて真実だしね。ま、必要以上に気にしていたら商売なんてできないよ」



「連合と取引する時は誠実に。フォーリナーと取引する時は平身低頭。ヴォルガーラと取引する時にはひたすら無心に。独立商人が列強と取引する時の心構えだね。
これを守れない奴は列強とは関わらない方がいいね。じゃないと首が飛ぶから」



「列強なんて全部ろくなもんじゃない。国家なんて俺達商人を無理矢理抑えて上前撥ねてこようとする屑だ。えぇ?それならなんで取引しているのかって? そっちの方が儲かるからよ」



「怖いのは連合。恐ろしいのはフォーリナー。意味不明なのがヴォルガーラ。連合は切れていても一見してはわからないし、フォーリナーは舐められたと思えばわかりやすい形で報復してくる。ヴォルガーラはもう何が原因で切れたのかわからない。
列強と取引していない商人が良く言う話よ。あなたも気をつけなさいね。彼らはそこら辺の支配者よりは寛大だけど決して優しいだけじゃないから」

853: トゥ!ヘァ! :2020/09/04(金) 20:48:10 HOST:FL1-118-109-165-4.kng.mesh.ad.jp
投下終了。

この前色々話集めていたモブ星の出来事について。

体制が気に入らない、やり方が気に入らないだのを叫べる国はまだ良い方という事実。

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最終更新:2020年09月06日 11:44