159: 陣龍 :2020/09/09(水) 22:17:41 HOST:124-241-072-147.pool.fctv.ne.jp
帝国警備(Kaiserliche Garde)社長 アドルフ・ヒトラーの政治家転身の道
『世界大戦』と言う名の実質的独仏戦争に置いて、ドイツ第二帝国は人類史上初の総力戦に勝利した。序盤の電撃戦にてフランス共和国の首都パリを一撃で陥落させ、その後も首都陥落の混乱で援軍に来た日英軍の足並みを軒並み引っこ抜くフランスと言う大いなる敵失によりもぎ取れた半ば妥協的な日英、そして無理矢理連行されたフランスへの見舞金を引換とした領土獲得による講和、日露戦争での損害から未だ立ち直れなかったロシア帝国軍を蹂躙し続け革命を引き起こさせた上でドイツ側にウクライナ地方割譲などの圧倒的有利な講和を結べた戦果は、この戦争を勝利に導いたドイツ帝国陸軍の権威を天井知らずのモノとした。だからこそ、なのだろう。この『戦勝』後のドイツ帝国にて巻き起こった自業自得の七転八倒振りは。
敵対していた日英らと講和したとは言え、ロシアでは社会主義革命と言う異端の政府がロマノフ王朝を追い出す形でソヴィエト連邦として成立しており、当然イデオロギー的に皇帝を戴くドイツ帝国との相性は最悪である。しかも先の戦争ではロシア人を一方的に殴り倒して広大な領土、それも豊かなウクライナやベラルーシ地方をも割譲させていたのだから、余計にロシア人からの強い恨みを買っていたのは言うまでも無い。日英の後見と支援で東部に逃れた立憲君主制ロシア王国とも強烈に対立しているので若干ドイツ側に向けられている兵力は少ないが、ドイツ側としては手を抜けられる程では無かった。そもそもソヴィエト=ロシアとの国境線が長いのだ。貼り付ける兵力の要求量は必然的に多くなる。現地人兵士である程度補うにしても、ドイツ軍はどうしても必要だった。
そして首都を陥落させてその国土を日英軍とのリングとしていたフランスに関しては、ドイツ軍がフランス軍を途中から殆ど意に介していない程に叩き潰し続けてフランス軍を蹂躙しまくった事も有り、講和後も表面上以上の外交交渉が出来ていない程に激烈な敵意をフランス政府に持たれていた。正しそのフランス政府も先ずは【自国の裏切者】への摘発と粛清、そして『国土奪還』と『パリ復興』を旗印とした地方への抑圧と徴収を精力的に実行した結果、戦争での大敗による権威崩壊と合わさって猛烈な反発からの地方の武装蜂起による内戦状態へと突入しており、此方も此方で頭が痛い状況だった。フランス政府も蜂起した軍閥もドイツとは没交渉状態であり、まともな統制力の無くなったフランス軍の分裂体や残骸、民兵未満の連中はドイツ側に略奪を頻回に繰り返したりしていた。しかも間の悪い事に、先の戦時中に地方へ疎開させた工業力が相応に大事にされ生き残っていたので、ドイツ側に略奪を仕掛けて来る連中の中には武装トラックどころか、旧式戦車すら持ち込んでくる輩すら居た。当然、一般市民や警察程度では抗戦出来る筈も無い。
160: 陣龍 :2020/09/09(水) 22:20:55 HOST:124-241-072-147.pool.fctv.ne.jp
それぞれ方向性は違うが質の悪さは両方酷い東西の大問題に対して、これに対応すべき帝政ドイツの守護者足るドイツ軍の動きは鈍かった。
終戦で動員解除され、軍事予算も幾らか減らされたと言うのも有るが、一番の問題はこの頃のドイツ陸軍が、先の大戦で正規軍との度重なる戦闘を繰り返して戦勝へと導いた成功体験から、所謂『決戦脳』状態に陥ってしまっていた事だった。この『決戦脳』問題は日露戦争に置いてフィリピン沖海戦でロシア帝国海軍のバルチック艦隊相手に完全勝利を成し遂げた日本海軍が『海軍の仕事は艦隊決戦での勝利であり、商船護衛等はただの余芸』と言う壮絶な勘違いを一部海軍将兵がしていた事からも、鮮烈過ぎる行き過ぎた成功体験は毒にしか成らないと言う好例だろう。尚その後壮絶な勘違いをした『決戦脳』な日本海軍の一部は、徹底的なまでの『通商護衛戦』の再教育によって正気を取り戻して事なきを得ている。再教育の途中から全員目の光が消え去ったと言う複数の証言は見間違いか気のせいである(公式発表)。
『我が栄光ある独逸帝国陸軍は敵軍を華麗に撃滅するのがその任務であり、治安維持等と言う【些事】に関わって等居られない』と言う軍隊の存在意義からして本末転倒な思考と結論に凝り固まったドイツ軍に、ドイツ政府は文字通り頭を抱えた。戦勝による権威の暴騰で、陸軍視点で『非合理的』と見做された政府命令は公然と拒絶する事例が頻発し、政府高官が何度もドイツ陸軍に訪問して説得を繰り返してようやく政府の求める最低限度を、ドイツ陸軍が嫌々かつ恩着せがましく実行する事も珍しく無くなり、そして取引材料として戦費返済で逼迫する国家財政から余計に【対ソ、対仏への兵力増強】を大義名分として陸軍への軍事予算を増額要求する等、急激にドイツ陸軍が帝国の『ガン細胞』へと成り果ててしまっていた。そして国家財政的には比較的多く配分され湯水の如く使用する陸軍予算もドイツ陸軍には不満たらたらな額であり、先の戦争で余り活躍出来ずタダでさえ肩身の狭く最低限の予算しか与えられていないドイツ海軍からも上から目線で無遠慮に海軍予算を強奪しようとして海軍から本気で激怒される等、額面上の立派さと精強さとは裏腹に、ドイツ帝国軍内部では思いっ切りガタが起き始めていた。
そんな内部分裂が起き始めているドイツ上層部を他所に、勲章を授与されそれなりに有名にはなれどあくまで兵士レベルでしか無く上との繋がりは無いのでそんな事は全く知らないアドルフ・ヒトラーは、独仏国境の治安悪化にまともな対処をしないドイツ帝国軍に痺れを切らせ、ドイツ帝国の一部地方自治体や企業の後援の下に帝国警備(Kaiserliche Garde)を設立。後世で言う所のPMCの走りとも言える総合警備会社は、天性の演説の才に富み、戦時中に出来た伝手や飛び込み演説にてこの帝国警備の設立に漕ぎ付けたヒトラーを頂点として、動員解除されて故郷に戻れたは良い物の、戦後不況で仕事が無かったドイツ兵や、フランス国内の争乱に絶望し、ドイツに逃れて来た身元の確かな元フランス軍の兵士が現場の根幹を担い、中間層には『決戦脳』に冒されたドイツ軍上層部と折り合いの付かなかった元ドイツ軍の佐官や士官、そして同じく暴走して内戦を引き起こしたフランス上層部に絶望してドイツに逃げ込んだ元フランス軍や政府の中堅層が固め、極少数だが戦争中に捕虜としてだが救出された事でヒトラー個人に心酔した極めてモノ好きな人間で構成されていた。つい先日まで戦争していた者同士と言う事で仲の悪さが設立前から懸念されていたが、帝国警備の設立記念行事に行われたヒトラー社長の『我等は騎士、力無く暴力に成す術を持たぬ無辜の民を救う正義の騎士団なのだ』と言う出席した『社員』をおのずから熱狂させた激励演説に加えて、元フランス兵の大半はドイツ軍よりも無謀過ぎる戦争指導を実行したフランス軍上層部の方に敵意が向いていたので、懸念していた事は余り起きる事なく意外とすんなり『同僚』となれていた。因みに後方事務や整備業務に加えて航空機部隊に関しては、割合としては女性比率が少ないながらも男女混合である。
161: 陣龍 :2020/09/09(水) 22:22:29 HOST:124-241-072-147.pool.fctv.ne.jp
そしてこの帝国警備と言う名の軍からの払い下げや旧式兵器で武装し、ドイツに侵入する軍閥兵や治安悪化に便乗した重犯罪者を容赦無く機関銃や迫撃砲、戦闘機や爆撃機の銃爆撃に少数の対戦車ライフル等で排除する準軍隊とも言えるこの組織は、ドイツ陸軍が深い関心を向けない【些事】を熟していると言う事で陸軍からは『雑用係』の様な認識をされた為に会社設立から立ち上げの期間何も特に妨害する事無く見過ごされ、その間に堅実ながら立派に【業務】を果たして急速に治安を回復させた事からドイツ地方自治体や地方警察、そして民衆から大きな支持を得ていた。何度も繰り返される直接的被害を目に見える形で激減させた事に自治体や民衆が喜んだのは当然ながら、地方警察に関しても、持っているのが個人所有のモノを除けばそれこそ拳銃程度しか無いのに対して軍閥兵は軍用ライフルや装甲車、時には戦車を繰り出してくるのに、それらを相手に軍事訓練も受けていないただの警察官が市民を退避させる為に拳銃一丁で遅滞戦闘を展開すると言う地獄から解放されたのだ。喜ばない道理など何処にも無い。
独仏国境地帯での【業績】を残した帝国警備は、高まる一方の人気と共に次々と集まって来る資本金や良質な人材、ドイツ軍地企業が提供する機材にて規模を拡大、そして独仏国境地帯のみならずドイツ帝国が拡大した各地の警備依頼も多数舞いこんでくるようになり、気が付けば何時の間にか治安の悪いフランスやソ連との国境地帯への【警備業務】にも大きく参入するようになっていた。行政との繋がりが極めて強く実質的な半官半民に近い企業形態ながらも、民間企業の効率化や業務改善が行われている為に、事治安維持に関して言えばドイツ陸軍よりも割安の予算でドイツ陸軍よりも大きな功績を残せるまでに急激に成長していた。その為今更ながらにこのヒトラー率いる帝国警備を敵視したドイツ陸軍上層部が妨害活動を仕掛けようにも、既に国民や地方自治体、更には治安改善の恩恵を諸に受けたドイツ企業等の強い支持によって余り上手く行かなかった。
余談だが、『決戦脳』の陸軍上層部曰く『軍隊未満の愚連隊』と言う事で『伍長親衛隊』と言う隠語が作られたが、どう言う経路でか当の帝国警備にも伝わった際に何故かコレが従業員らにも受け、ヒトラー個人に心酔していた少人数を軸に非公式に『武装親衛隊』『一般親衛隊』なる俗称が爆誕していた。社長であるヒトラー自身は蚊帳の外で置き去りにしたまま既成事実的に。
そんな傍目から見て下らない陸軍上層部の策動を他所に、フランスではいよいよ内部分裂と軍閥化が進み過ぎて完全に内戦状態へと突入し、フランス人同士での覇権争いに忙しくなったのかドイツへの侵犯は少なくなり、そして目ざとくその事に目を付けたドイツ陸軍が『不必要な予算は削減すべし(そして陸軍に寄越せ)』と言い出してそれに地方自治体が抗議文を連名で叩き付ける等の事件が勃発した直後に、ドイツ軍の権威が爆破倒壊される大事件がウクライナにて発生する。この頃には既に帝国警備は現地自治体の悲鳴染みた依頼を受けて進出しようとしたのだが、タダでさえフランス国境地帯やポーランド等で実績を残していた帝国警備に不快な感情を抱いていたドイツ陸軍が介入し、現地自治体の依頼をその政治力で無理矢理に撤回させ、ウクライナに進出の為事前準備を行っていた帝国警備の『親衛隊』を力づくで追い出したのだ。もし追い出した後でまともにウクライナ地域の防衛をドイツ陸軍が行えていたのなら帝国警備とドイツ陸軍との関係が断絶する程度で済んだのだが、現実と言うのはとても非情なモノで、ドイツ陸軍の行動でウクライナに混乱が起きたと見たソ連軍が『領土奪還』を掲げて局地紛争を仕掛け、国境防衛に置いていた少数のドイツ軍は数に押し切られる形で揉み潰され、遅れて押っ取り刀でドイツ軍主力が現地に駆け付けた時にはウクライナ領に食い込む形でソ連軍が簡易的な野戦要塞を構築しており、ソ連軍を完全に侮ったドイツ陸軍上層部の命令で突撃したドイツ軍が逆に大敗する惨事が発生したのだ。
162: 陣龍 :2020/09/09(水) 22:24:17 HOST:124-241-072-147.pool.fctv.ne.jp
その後も『欧州最強のドイツ陸軍』のメンツに泥を塗られて怒髪冠を衝く上に今なおソ連軍を根本的に見下してるドイツ軍上層部の命令でソ連軍が籠る野戦要塞に攻撃を仕掛けては損害を負うループであり、しかもこの野戦要塞に注意と戦力を向けすぎた為に複数のルートからソ連軍がウクライナ奪還を掲げて大挙侵攻を始め、慌てる様に予備兵力を各地に向かわせたが広大過ぎる防衛範囲に対してドイツ陸軍の兵力だけでは不足し切っており、現地ウクライナ兵の編成もドイツ軍がソ連軍を侮り過ぎかつ自軍を強く見過ぎたせいで全然進んでおらず、当のソ連軍にそう言う意識は余り無かったのだが、結果的に長大な国境線を逆手に取った多方面飽和攻撃と言う戦略にドイツ軍は自業自得に翻弄された。もし帝国警備を追い出す事無く協調していたとすれば、この様な無様な劣勢には陥る事は無かっただろう。陸軍上層部からは『伍長の親衛隊』呼ばわりされている警備会社だが、その実態は限定的でも正規軍と殴り合える準軍隊以外の何者でも無かったのだから。
そんな劣勢な戦況の中、帝国警備はソ連軍の進撃に巻き込まれた現地ウクライナの市町村から電報や馬で駆け込んで来た人々からの救援要請を受諾し、混迷を極めるドイツ軍を横目に【警備活動】を開始。情報通信の時間差から現地の情勢を中途半端にしか理解出来ていない陸軍上層部はこの『陸軍の邪魔をする勝手な行動』に激怒したが、ソ連軍の波状攻撃に苦戦する現場としては歓呼の声を以て『戦友』を無条件で迎え入れ、途中参戦した帝国警備の『武装親衛隊』は、各地の戦闘で得られた戦訓を元に帝国警備とスポンサー企業のドイツ軍需企業の共同開発にて改良された軽装甲トラックや【軽戦車】を多数投入。多少の攻撃力よりも取り回しの良さと足の良さを重点的に置かれたこの『独自開発兵器』は、工業力が未だ貧弱で実質面で『歩兵の群れ』に過ぎなかったソ連軍を撃破。現地ウクライナ人への帝国警備による独自の慰撫工作と雇用によって現地民から様々な情報をドイツ陸軍より多数入手出来た事も有り、【侵略者ソ連軍】を撃退すべく蜂起したウクライナ人と共にウクライナ領からソ連軍を叩き出す事に成功した。無論かなり無茶な機動戦や継戦を繰り返したために損害は甚大であったが、彼らは帝国警備の設立記念行事に行われたヒトラー社長の『我等は騎士、力無く暴力に成す術を持たぬ無辜の民を救う正義の騎士団なのだ』と言う訓示を、その命を以て守り切ったのだ。
一方その頃、ウクライナの地にて『民間企業』が陸軍の命令も無く勝手に戦争に乱入したとして、陸軍上層部の手によって帝国警備社長のアドルフ・ヒトラーが半ば罪人扱いで国会へ引っ張り出されていた。ドイツ陸軍だけでは敗勢だったのをたかが『民間企業の警備会社』によって救援され、しかもその『警備会社』によってソ連軍をウクライナ領から叩き出したと言う事実は、『精強無敵のドイツ帝国陸軍』のメンツに賭けて到底認められるものでは無かった。そしてメンツを守る為には、この『対ソ連戦の劣勢の責任』を『勝手に戦場に乱入した民間警備会社の責任』とするより他無かった。やってる事が自分達が侮蔑した首都陥落後のフランス軍と殆ど同一なのだが、『決戦脳』に凝り固まり過去の栄光にしがみ付いている老人共に取っては関係の無い話であった。そして古い老人たちであるが故に、地位を笠に着て『伍長』に命令すればどうとでもなると、アドルフ・ヒトラーを余りにも甘く見過ぎていたのが唯一にして最大最悪の致命傷であった。
163: 陣龍 :2020/09/09(水) 22:26:39 HOST:124-241-072-147.pool.fctv.ne.jp
陸軍によるヒトラーへの糾弾の後、弁解と言う名目でヒトラーに演説可能なフリーハンドを渡した時点で、全ての勝敗は決していた。
国会の場にいた全員が、それこそヒトラーを追い詰める側であった陸軍高官すらもヒトラーの始めた演説に完全に【呑まれ】ており、与えられた時間制限を軽く超えた事にも誰一人として気付かないままヒトラーの独壇場は一時間以上続き、演説を終えて悠然と立ち去る時には誰しもが自ら立ち上がり万雷の拍手を送ってしまっていた。当然最早ヒトラー率いる帝国警備に責任を擦り付けて糾弾する事など不可能になってしまい、しかもこの時国会にはドイツ皇帝が臨席しており、ヒトラーの演説に好意的態度を取ると言う最悪の政治的状況へと転落してしまっていた。先の戦勝により稼いだ『権威』も、長々と続いた不合理な軍政と対ソ連戦に置ける劣化著しい上層部の作戦指揮によって完全に崩壊して居た為、挽回の余地は何処にも無かった。如何に唯我独尊志向が著しく、政府や皇帝をも『陸軍有ってこその国家』として半ば下に見ていた節の有るドイツ陸軍であっても、破れかぶれのクーデターと言う選択肢も当のドイツ陸軍の実働部隊が絶対に賛同しない為、完全にチェックメイトだった。
その後は組織防衛本能を発揮したドイツ陸軍の動きは手早く、『決戦脳』に侵され帝国警備との連携や地方との防衛を軽視していた旧来の決戦派閥は、ドイツ的完璧主義通りに綺麗サッパリ一掃され、連動してプロイセン的な先軍主義もある程度は修正され、粛清された決戦派閥の穴埋めに『決戦脳』に異議を唱えて閑職送りとなっていた将官の復帰に有望な若手士官の早期昇進を行い、組織全体の新陳代謝にも成功。ヒトラー率いる帝国警備も、国会での大演説が新聞やラジオを通じてドイツ全土に流れたが為に帝国警備の株価が暴騰を起こし、そしてオマケにスポンサー企業であったドイツ軍需企業にも余波で株価が跳ね上がり社長筆頭にてんやわんやになったりもしていたが、この一件で曲がりなりにも『軍閥兵』では無い『正規軍』と立派に渡り合える事を満天下に証明した帝国警備は、将来的には兎も角現時点では現状維持とする事が決定していた。例えドイツ陸軍が理想的作戦能力を得て帝国警備が不要になったとしても、今の状況で『ドイツ陸軍下に編入』等と言い出したら今度は真面目にドイツの参謀本部に国民から火炎瓶が飛んで来かねない。それだけの人気が帝国警備には有った。帝国警備がPMCの能力を事実上不要とするのは、第二次世界大戦が終わってからさらに先の話である。
164: 陣龍 :2020/09/09(水) 22:28:01 HOST:124-241-072-147.pool.fctv.ne.jp
そして最後に、今回本土ベルリンで帝国警備の命運を一身に背負って大立ち回りを演じて見せた社長のアドルフ・ヒトラーだが、国会での演説で数多の政治家勧誘の話が引っ切り無しに舞い込み、始めは帝国警備の社長業務を理由に断っていたものの、元々陸軍上層部の暴走を止められなかった現在のドイツ帝国の政治家や政府に不満を抱いていた事も有り、最終的には帝国警備の社長職を辞職後に、何だか能力は極めて高いのだが心酔っぷりが少々怖い後任のドイツ人に任せて出馬を表明し、選挙区の対抗馬相手にただでさえ支持率で格差が有ったのにダメ押しのヒトラーの演説でもってドイツ政治史上空前絶後の完全勝利を飾って政治家へと転身する。
この事に遠く極東のとある超大国の要人が複数名お茶を噴き出して書類をダメにする惨事を巻き起こしていたが、そんな事は後のドイツ帝国の宰相となるアドルフ・ヒトラーが知る事は無かった。
165: 陣龍 :2020/09/09(水) 22:30:52 HOST:124-241-072-147.pool.fctv.ne.jp
以上完投に御座います。ちょっとドイツ陸軍上層部の劣化が急激過ぎる気もしますが、戦争の勝利の栄光に酔っぱらっていれば、
まぁこんなもんじゃ無いかなと。史実日本海軍の通称護衛軽視見たいなもんですしね。
後ヒトラーの演説能力が初期段階から限界突破してますが、まぁコマけぇことはきにするな(迫真)
最終更新:2020年09月11日 18:07