443: 名無しさん :2020/09/14(月) 22:03:53 HOST:KD106154128200.au-net.ne.jp
『勝ち逃げ王レオポルド』

「ヨーロッパ最悪の宗主」
史実におけるベルギー国王「レオポルド2世」のコンゴでの評価である。すでに時代遅れになっていた植民地獲得に邁進し、国ではなく個人の所有物としてコンゴを獲得し、私費で植民地政策を進めるも挫折、最終的にはコンゴの人口の70%を死滅させるような圧政で巨万の富を得るも、その圧政がバレて欧州王族の鼻つまみ者になった彼に対する評価としては妥当であると言わざる得ないだろう。

そんな彼であるが、漆黒世界における「独仏大戦までのベルギー国内」の評価は「類まれなる賢王にしてベルギーを大国に押し上げた英雄」という非常に高いものであった。
 なぜ彼の評価がこれほど高いかといえば理由は簡単で、この世界における彼のコンゴ個人所有を後押したのが、悪名高き「アメリカ合衆国」だったからである。
 そう、すでアフリカに真っ黒な利権を持っていた合衆国にとって、コンゴを国王個人が所有するという状況は鴨ネギに他ならなかったのだ。故に彼らはレオポルド2世を全面的にバックアップした。そしてコンゴ取得こそ叶ったものの、植民地経営など全くの素人であったレオポルド2世も合衆国を頼り、ここに両者の強い絆で結ばれた…結ばれてしまった
 あとは単純であった、レオポルド2世に全権を委任された彼らは史実のような愚かな圧政など行わず、合理的にコンゴの全てを富へと変えてその多くをレオポルド2世にへと還元し、そのうえでレオポルド2世にこの巨万の富をベルギー本国へと還元することを提案したのだ。初めは渋っていたレオポルド2世だったが、これによって自身の植民地獲得構想が正しかった事がベルギー国民に納得されると理解するやいなや態度を豹変させ国内へ(合衆国より購入した工業機械等で)積極的な還元を行うようになる。これによってベルギーは史実を上回る工業力を獲得し、独仏大戦では欧州の武器工場として空前の好景気に突入することになるのである。

444: 名無しさん :2020/09/14(月) 22:05:25 HOST:KD106154128200.au-net.ne.jp
さて、ここまで書いて皆さんは疑問に思わなかっただろうか?「日本とイギリスはなぜこのレオポルド2世の行動を無視したのか」と。
 結論から言ってしまえば日本とイギリスは無視したのではなく機会を伺っていたのだというのも合衆国の動きは日本とイギリスの手口を知り尽くしており、そうであるが故に彼らはコンゴの闇に関する尻尾を簡単には掴ませなかった。だからこそ日英は史実のようにベルギーが独仏との戦いに巻き込まれ、国が実質陥落したタイミングで悪事の全てを明らかにする準備を整えていたのだった。

だが、結果としてこの目論見は早すぎたドイツの電撃戦によって破綻し、ベルギーは欧州の武器工場としてこの世の春を迎えることになり…合衆国同様に日英の標的となることが確定するのだが…その時のベルギー国民の怨嗟を受けるべきレオポルド2世はすでに崩御しており、故に第二次世界大戦後の彼は賢王ではなく「暗黒王」と呼ばれる事になるわけだが、世界的には計画通りに事が進まなかった日英関係者が彼が崩御した時に呟いたとされる「勝ち逃げ王」が通り名として有名である。

以上になります。転載等はご自由にどうぞ。

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最終更新:2020年09月16日 17:49