644: 635 :2020/09/22(火) 16:07:03 HOST:119-171-231-231.rev.home.ne.jp
銀河連合日本×神崎島 ネタ フェルさんは見守られているようです



都内某所


何台もの警察車両が集まり規制線が敷かれ大勢の見物人が見守っている。
そこへ一台の警察車両が止まり何人か降りてくる。
公安の山本やセマル達だ。


「で害者は?」

「被害者は追ってた例のヤツらの一人です。」

「フリンゼの命を狙っていた不届き者達デスネ。」


セマルがフンと鼻を鳴らしざまあみろといった表情をしている。
山本達は"鳥居"を潜っていく。
そしてブルーシートで囲われた中へと入っていき山本の知り合いの刑事へと声を掛けた。


「お疲れさん。」

「ああ山本か…、ということは被害者は"また"フェリフェリアさん狙ってた?」

「そっちから速攻で送られてきた生体情報でドンピシャだ。でしかも"また"エラい変な死に方してるって?」

「たく…、これでその関係の変死体何件目だ?」


刑事はぼやき、山本は地面に拡げられていたブルーシートを捲り眉をひそめた。


「数えたくもない。この前が神崎提督渡米時に黒人の艦娘がいないと喚いてた黒人運動家、
 大陸に島の黒人の解放をとそそのかされフェルフェリアさん襲撃を企んでいる途中、白昼堂々公衆の面前で謎の首吊…。」

「その前の仏さんが日本にどうにか残留出来たのに本国に鼻薬嗅がされて同じことしようとしてたドイツ人…原因不明の死からの翌日には白骨化…。」

「今回が大手町の騒ぎで倒れてたが生きてた半島人、出所後逆恨みで同じく…全く公の慈悲を無駄にしたな…。」


セマルは腕のPVMCGを用いてブルーシート下の人であった"もの"をスキャンする。


「…今回は特に酷いな…。」

「ああ、鑑識の調べじゃ全身の骨が無理やり曲げられたように骨折してこんな四角に纏めたようだという話だ。」

「ウわあ、中々スゴい状態デスネ…。」

「セマルどうだ?」

「イヤどうもこうもコノ人、強い力で無理やり箱状の物に押し込められ刑事サンの言ってるような状態になったみたいデス。デモ…。」

「でも?」

「死因は骨折が直接的な原因じゃないミタいデス。これ以上ゼルクォートのみで調査は無理ですネ。専門の設備がいりマス。」


セルマの言葉に刑事はマジかという顔をし山本は境内入り口の社の名前が刻まれた石柱へと目を向ける。


「この前の首吊も、一日で白骨化した遺体も死に場所の"神社"同じの祀った所だったな…。」

「ん?ああ…。」

「こりゃ俺らじゃ手に負えかどうか…、"O(オー)"かもしれん。」

「"O(オカルト)"案件か…。」


山本が目を向けた石柱にはこう刻まれていた"蛭子"と。

645: 635 :2020/09/22(火) 16:09:02 HOST:119-171-231-231.rev.home.ne.jp

ワタシ、フェルフェリアは多分夢を見ている。
目に辛うじて映るワタシの手は小さい、幼い頃の夢かとも思ったが違う。手の色がマサトサンと同じ色。
身体は動かない、動かせないのではなく動かナイ。
そんなワタシを夢の中のワタシのファルンとマルマは草の船に乗せて大洋に流シタ。
両親との別れ、船の中でワタシは両親を想い泣き続けた…。


「マタあの夢…。」


両親との別れを思い出し涙を流した。



「ふあああ…。」

「フェル眠そうだな。」


いつもの柏木家の居間、今日は休日な柏木とフェルは家にいた。
フェルは眠そうに大きな欠伸をしている。


「んにゅ、最近夢見が悪くて余り眠れてないデスヨ。」

「ハハ、布団がヘタレてきたか?そんなに眠れないなら睡眠ポッドでも使った方がいいんじゃないか?」

「睡眠ポッド使っても悪い夢見るデスヨ。」

「睡眠ポッドでも?どんな夢見るんだ。」

「良く分からない夢デスヨ?ニホン人サン?な両親の元に生まれたワタシがショウガイシャサンで草のオ船に乗せられて海に流されるってイウ。」

「……。」

「どうしたんデスカ?ってコンナ時間!行ってきマス!」


フェルの言葉を聞いた柏木の表情が凍る。
それをフェルは訝しげ感じるが出かける時間が差し迫ってるのを思い出し慌ただしく出掛けて行く。


フェルが出掛けて行くのを確認すると柏木はソファーから立ち上がり自分の書斎へと行き書類を持って戻ってきた。
少し前山本より渡された書類だ。


「フェルが気に入られてるかも…か…。」


柏木はちらりと我が家の神棚に目を向ける。
瑞雲祭りを行った場所の神様だから我が家にもと珍しくフェルに強請られて常世神宮に分祀してもらったものだ。
柏木はそこに誰かがいるように話し掛ける。


「フェルは恒星間航行可能な宇宙船に乗りこんだ両親と離別し、あなたは日本書紀では鳥之石楠船神に乗せて流され両親と離れ離れとなった。」

「フェルがあなたと似たような経験してるから気に掛け見守ってくれているのは有り難い。だが連れってちまうようなことだけはやめて下さいよ…。、」


柏木に誰かが笑った気がした。

646: 635 :2020/09/22(火) 16:10:47 HOST:119-171-231-231.rev.home.ne.jp
以上になります。
原作中時間で言えばティ連加盟後、ふそうがヂラールの騒動に巻き込まれる前になります。
転載はご自由にどうぞ!

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最終更新:2020年09月26日 13:31