540: ナイ神父Mk-2 :2020/10/08(木) 00:26:53 HOST:p12178-ipngn901akita.akita.ocn.ne.jp
憂鬱スパロボ 未来編小ネタ

鉄血のオルフェンズ編 その6

争いの火種は…

クーデリアが出発する数か月前、火星に置いてノブリスの通商網を掌握したアルゼブラはそれによってより詳細な武装組織や海賊の根拠地の割り出し或いは火星内における犯罪組織の存在を突き止め壊滅する事に成功していた。同時にノブリスの通商網がコロニーの労働組合まで伸びて居た事で状況が大きく変わる物も存在した。コロニーに於ける労働者階級の不満は労働状況や環境と合わさり爆発寸前の所も多く存在、その為各地で秘密裏に武装も辞さない過激な労働組合も組織されておりノブリスが販売する兵器を購入する団体も少なくなかったのである。その為、アルゼブラ及び連合はギャランホルンへの報復行動の一環として元々ノブリスが行っていたコロニーへの労働改善運動への支援を決定。旧ギャランホルン系のMWの改良型や一部の鹵獲されたグレイズや武装が為されたビスコー級クルーザーが各地の労働組合側に流されただけでなく、OSへの戦闘用改良と称して予め仕掛けて有ったギャランホルン側の細工を無力化する等の処置が行われている。そして、それはクーデリアを送る護衛艦隊が寄港する予定に入れていたドルトコロニー群も例外では無かった。

ドルト2のコロニーには現在見慣れない艦艇群がコロニー港湾部へと入港していた。一隻は船体下部に付いたブリッジとそれから前後に設置された大型のコンテナ型の貨物室を持つ艦艇と残りは或いはシュモクザメにも似た特徴的な艦首をした小型の輸送艦であった。所々色の違うコンテナが見えている事から船体を延長してその下に後付けのコンテナを輸送してきている事が解る。コロニーに入港した各艦は艦から出た人員と港湾部に待機していたドルトの住民たちの手に寄って運び出されている。倉庫に安置された輸送コンテナにドルトの人間が近づくとコンテナを開放して中身を確認する。

「MW12機と予備弾薬、銃火器540丁とその予備弾薬確かに」

「これで注文と成って居た武装は全てだな?」

「はい、それだけでは無くコレだけの武装を…火星には感謝しています。」

「本来はもう少し支援出来ればよかったんだが…」

「我々の目的はあくまでも状況の改善です。それ以上は望んでいませんよ」

そう話すドルトの労働者組合長であるナボナの横を武装を各地に隠す為に組合員たちがコンテナ再び武装をしまい込む、或いは作業用へと外装を被せて作業機運搬用のトレーラーで各地の武装集積地点へと集められている。それ以外にもドルトの作業員に交じって偽装したアルゼブラの作業員達が各地でスピナロディの調整作業を行っておりそれに関連してギャランホルンの工作の上書きも行われている。

「しかしまぁ、ギャランホルンも随分な念の入れようだな…」

「戦闘域での推力の使用でガス欠、非ナノラミネート塗装の使用とそれを正常だと誤認させるダミープログラム果てはノブリスがニセの武器の準備とまぁ…」

そう言いながらもアルゼブラの技術者達はスピナロディの内部機器を弄りながら或いは接続した端末からプログラムを調整しながら会話を続けていた。周辺にはアルゼブラの警備部門の人間がコロニーの警備隊に偽装して周辺を監視しており周りも偽装の指示書に寄って整備員が入る事が予め予定に入れられていた事から不審に思われる事なく作業が進められている。作業を行っている技術者たちの会話はその間にも進んでおり話題はギャランホルンの兵士たちの技量にも及んでくる。

「しかし、此処迄細工しないと成らない程ギャランホルンは自軍の兵士の腕が不安なのかねぇ?」

「さあな?聞いた話じゃ余り射撃兵装による優位差が出ない分、白兵戦って言う諸に技量の差が出る方法が主力に成ってるからベテランでも万が一が有るって話だが…」

「其れにしたって此処迄察知できてるなら止めた方が早いんじゃないか?」

「そんな事俺に聞くな、精々チャンスが有ればギャランホルンのお偉方に聞いてくれ」

そんな事を言いながらも技術者たちは所定の作業を終了して撤退、コロニー警備員に扮装していたアルゼブラの兵士たちも徐々に撤退を開始し痕跡を残す事なく工作部隊は撤退に成功している。更にスピナロディにはアルゼブラの改装後に改めてギャランホルンのダミーデータが正常に動いている様に見える様に改装が進められており、ラスタル更迭の余波もあり混乱している中で強行された労働者の一斉蜂起鎮圧という事で現地の工作の変化にギャランホルンは気づく事が出来ないでいた。

541: ナイ神父Mk-2 :2020/10/08(木) 00:27:37 HOST:p12178-ipngn901akita.akita.ocn.ne.jp
混乱の陰で

イオク・クジャン、クジャン公による条約による禁止兵器の使用によるクーデリア襲撃は慎重な対応を行うべきとする経済圏の方針に対して大きくずれる行動としてセブンスターズ内でも実質の査問会が開かれるなど厳しい状況に成って居た。又、クジャン公の監督を行っていたラスタルに対する追及や責任を求める声はさらに大きくなっており同時にアリアンロッド内部でもラスタルの手腕を疑問視する声も出始める程で有った。それと同時にアリアンロッドの一部ではラスタルを見限り一部では独自の派閥を形成、これまでラスタルの手腕とセブンスターズと言う看板の元にまとまっていたアリアンロッド内にも大きな亀裂が生まれ始めていた。

特にセブンスターズに次ぐ地位の家の出身者が指揮を取る、アリアンロッド第5艦隊は反ラスタルの急先鋒の一つと言える存在であった。当然と言えば当然では有るが現在セブンスターズの多くの家は後継者不足か極端に若い人材かで分かれており後継者と言える人材をしっかり育てる事が出来ているのがボードウィン家やファリド家と言った状況である事から何れはセブンスターズもその多くが引退やそうした状況に陥るのは目に見えていた話である。更には今回のラスタル更迭やイオクの行動に対する行動を見てその状況が早まりそうだと見たタッキー二家の当主であるリッカルド・光政・タッキー二准将は予想よりも早いチャンスの訪れに艦内自室にて腹心である艦隊の副指令と共に祝杯を挙げていた。

「どうやら思った以上に我々に幸運が向いてきた様だな…」

「はい、現在少なくともエリオン公は今回の件で大きくその権勢を失い後継者も居ない今であるなら」

「引責にて艦隊職は解任最悪はエリオン家事態も汚名を雪げる後継者も居らず…家としてはも終りか…」

「その通りです…」

副司令から聞いたその言葉を聞いたリッカルドは話を酒で更に気分が良くなったのか笑みを深めると手に持っていたグラスに入ったワインを一気に飲み干したそしてグラスを机に置くと再びワインを注ぎながら更に話を次に行われるドルトコロニー鎮圧へと話が向けられる。

「所で、今度のドルト鎮圧の予定だが…」

「準備は出来ております。クジャン公が倉庫を開けてくれた隙に」

「そうか…一度有った事は二度ある…ウィンター指令には悪いが彼等に悪役を引き受けて彼諸共火星の連中を…どうした?」

リッカルドが其処まで話した所で副指令は少し不安そうな顔をする。それを不思議に思ったリッカルドは副指令に問いかけると副指令はゆっくりと口を開いた。

「火星の部隊へと使うのは良いのですが…しかし、情報収集を収集を行ってきた部下からはダインスレイブが無力化されたとの報告も…」

「その事か…正直信じ難いが、まあ仮に彼らが無傷でも『ラスタルの影響下に有る部隊が又やった』という事が大切なのだ…この際なら火星の連中で無くとも構わないだろう。寧ろ武装の比較的少ない労働者や或いは民間船舶でも良いかもしれん」

そうリッカルドは話すを再びグラスを口へと運び始めた。この数日後、ドルトコロニーでは大規模な暴動が発生それに近くで演習中だったアリアンロッド艦隊が即応した事で約二個艦隊がドルト鎮圧の為に攻撃を開始し、同時にコロニーを訪問していた火星の代表であるクーデリアの護衛艦隊や暴動に参加した労働者集団との間に大規模な武力衝突が発生することとなりアリアンロッド艦隊へと更なる以外が発生することと成って居る。

542: ナイ神父Mk-2 :2020/10/08(木) 00:28:34 HOST:p12178-ipngn901akita.akita.ocn.ne.jp
短いですが以上です。取り敢えずは弥次郎氏のネタに加えてちょっとドルトの動きの補足をば…

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最終更新:2020年10月11日 10:11