100: 加賀 :2020/10/03(土) 16:02:23 HOST:om126194120198.10.openmobile.ne.jp



「敵ィィィィィ急降下ァァァァァァァァ!! 直上ォォォォォォォ!!」

 0723、最初に狙われたのは史実通り『加賀』であった。マクラスキー少佐の小隊が『加賀』に急降下をする。無論、『加賀』も被弾を避けるために回避運動と対空射撃を行う。

「ドンピシャだ!! 貰ったぜミートボール!!」

 マクラスキー少佐は『加賀』の飛行甲板に描かれた日の丸に狙いを定めて投下索を引こうとした瞬間、機体に衝撃が走りエンジンから火を噴いた。

「なっーーー」

 機体は一瞬のうちに火に包まれたがマクラスキー少佐は包まれる前にとある機体と交差したのを確認している。

「ズイ……ウーン!?」

 その直後、マクラスキー少佐の機体は爆発四散するのであった。マクラスキー少佐の小隊に襲い掛かったのは第七艦隊から全速力で駆けつけた瑞雲隊であった。

「間に合ったか。敵爆撃機の妨害に専念だ!! 空母に被弾させるな!!」

 瑞雲隊の隊長はそう叫びながらも20ミリ機銃弾を爆撃経路に入っていたSBDに叩きつけて撃墜する。この瑞雲隊の乱入で『加賀』を爆撃しようとしていたSBDは乱舞させる事に成功した。しかし飛来した瑞雲は僅か5機、後続に16機が駆けつける予定だがまだ間に合ってはいなかった。不意を突けた瑞雲隊だが瑞雲に出来たのはそこまでだった。

「隊長!! 『蒼龍』が……」
「しまった!?」

 0725、『蒼龍』はレスリー少佐の『サラトガ』隊14機のSBDに襲われ飛行甲板に爆弾三発が命中、『蒼龍』は瞬く間に炎上した。
 0726、『赤城』は三機のSBDに襲われベスト大尉機が放った爆弾一発が命中、誘爆により飛行甲板は吹き飛び『蒼龍』同様に炎上する。
 0728、最後に襲われたのは空母『翔鶴』であった。『翔鶴』は五機のSBDに襲われ三発が命中した。だが『翔鶴』は幸運だった。先に被弾した二空母に比べて格納庫には何もなかったのだ。
 そのため『翔鶴』は誘爆せずただ炎上するだけであり機関も最大速度で航行していたのである。

「『赤城』『蒼龍』『翔鶴』被弾、炎上中!!」



101: 加賀 :2020/10/03(土) 16:04:58 HOST:om126194120198.10.openmobile.ne.jp
クソッタレ……俺は何のためにこの場面を回避しようと思っていたんだ……これでは……。

「『赤城』『蒼龍』『翔鶴』被弾!!三空母とも手が付けられない状況のようです」

 第二航空戦隊首席参謀の伊藤中佐は炎上する三空母を見つめる山口に報告をする。

(クソッタレが……今度は『翔鶴』もやられたか……何のためにMO後から応急修理をやったと……)
「司令官……?」

 山口は決断する。まだ『飛龍』の他にも『加賀』『瑞鶴』は生存している。更には『龍驤』『隼鷹』も参戦していたのだ。やるなら……今しかない。

「……八戦隊司令に発光信号。『我、航空戦ノ指揮ヲ取ル』」

 そして山口は伊藤らに視線を向ける。

「敵空母は全て沈めるぞ。このままじゃあ日本海軍は末代まで舐められるぞ!!」
『はい!!』

 斯くして『飛龍』以下の空母は反撃を開始するのである。0830、敵攻撃隊が引き上げた後に山口少将は敵機動部隊への第一次攻撃隊を発艦させた。

 『飛龍』
 零戦6機 九九式艦爆18機
 『加賀』
 零戦9機 九九式艦爆18機 九七式艦攻30機
 『瑞鶴』
 零戦9機
 『龍驤』
 零戦9機 九九式艦爆18機
 『隼鷹』
 零戦6機 九七式艦攻12機

 攻撃隊指揮官は『加賀』艦攻隊隊長の楠美少佐である。また『隼鷹』攻撃隊の中にはとあるペアの艦攻乗り達がいた。

「雨宮、今度は敵空母を叩けるな」
『今度もやってやるよ』

 彼等もちゃっかりいたりする。その間にも第一航空艦隊ではミッドウェー島爆撃に向かった攻撃隊を収容、補給をさせつつ経路を米機動部隊に向けていた。そして第七艦隊でも独自に行動をしていた。

「米機動部隊へ進路を向けろ。前進して米機動部隊を砲撃する」
「本気ですか?」
「奴等に一番近いのは第七艦隊(我々)だ。やれる事をやるのみだよ」

 五藤少将はそう決断をして第七艦隊も米機動部隊へ前進を開始する。そして0956、楠美少佐の攻撃隊は米機動部隊を発見したのである。

「クソ、護衛に戦艦もいやがるぞ!!」

 双眼鏡で覗いていた楠美少佐は舌打ちをしながらも『トツレ』を発信させる。零戦隊は既に上空にいたF4F隊と空戦を展開していたが零戦隊が有利に動いておりF4F隊は敗走していた程である。

「全軍突撃せよ!!」

 攻撃位置に付いたと判断した楠美少佐はト連送を発信し攻撃隊は米機動部隊に襲い掛かったのである。先に攻撃を始めたのは小林道雄大尉率いる『飛龍』艦爆隊であった。
 『飛龍』隊は対空砲火で7機を喪失しつつも空母『サラトガ』に急降下爆撃を敢行、『サラトガ』の対空砲火で小林大尉ら3機が撃墜されるも250キロ爆弾を五発命中させ爆風により機関室にも影響が及ぼす効果を発した。
 小川大尉の『加賀』隊18機は小川大尉機が被弾炎上しながらも体当たりしたのを含み八発を空母『ワスプ』に叩き込む事に成功。防御が弱い『ワスプ』は誘爆を繰り返し、攻撃隊が引き上げる頃には飛行甲板にまで波が浸かっていた程である。
 『龍驤』隊18機は空母『レンジャー』に狙いを定めたが『レンジャー』の周囲を護衛していた戦艦『ワシントン』『ノースカロライナ』の対空砲火により13機を喪失するも三発を命中させる事に成功したのであった。
 そして艦攻隊は更に悲惨であった。楠美少佐は『加賀』隊30機を半数に分けて米機動部隊の左右から突撃させた。同じく『隼鷹』隊12機は左舷から突撃を開始する。

「畜生、何て対空砲火だ!?」
『雨宮、右だ右!!』

 『隼鷹』隊は突撃した位置が悪かった。『隼鷹』隊は炎上する『レンジャー』に突撃したが上記にも言ったが『ワシントン』『ノースカロライナ』が護衛しておりその対空砲火は他より三倍以上であった。瞬く間に隊長機を含む4機が撃墜された事で雨宮飛曹長は他の3機を率いて対空砲火が薄かった『サラトガ』の右舷に突撃した。

『警戒艦通過!!』
『距離1000!!』
「用意……」

 『サラトガ』の対空砲火で更に2機が撃墜されたが雨宮機ともう1機は距離750で魚雷を投下して離脱する。

「福島、戦果確認しろ!!」
『待ってください!! ……やった、命中!! 命中ですよ雨宮さん!!』

 2機が投下した二本の魚雷は『サラトガ』の右舷艦尾付近に命中した。そしてこの攻撃は『サラトガ』を更なる運命に見舞わせる事になるのであった。

102: 加賀 :2020/10/03(土) 16:23:11 HOST:om126194120198.10.openmobile.ne.jp
  • 瑞雲!瑞雲!瑞雲!
  • 帝国海軍は末代まで舐められるぞ!
  • 攻撃隊、被害甚大
  • 雨宮、魚雷命中させる

さて、次は……

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最終更新:2020年10月26日 22:55