104: 名無しさん :2020/10/12(月) 12:36:31 HOST:p420159-ipbf308imazuka.yamagata.ocn.ne.jp
OGクロス会話集・未来編その6

「ダイクン代表に対して、どんなことを言い放ったかはテレビで見たよ。
 あんなのを議員として当選させる国民がいる国に、連合に加盟してほしくないね」

「長征1万光年だったっけ? それをやり遂げた偉大な人たちが、今の同盟の議会を見たらどう思うかしらね? 自分とは違う意見に、耳を貸す理性すらないじゃない」

「銀河帝国? こちらが派遣した代表に発砲しておいて、良くこれたわねって感じ」

「星間国家築くレベルの文明持っているのに、人間を農奴――物として扱う。そんな国を連合の国民がどのように受け取るかを、議員の方々には考えてもらいたいね」

 幼年士官学校視察一日目終了後の夕方のニュースでの街頭インタビュー



「大洋の幼年士官学校は、中学卒業から3年間在学後に高校卒業資格を得て少尉任官でしたよね? そして、今日の対戦相手は最上級生と」

「ああ、そのはずだね」

「最上級生から選ばれたはずなのに、小学生が混じってましたよ?」

「レディの体つきをとやかく言うのはどうかと思うよ?
 それよりも、あの大きくてたくましい生徒が皇子様というには驚いた」

「ミンチメイカーが痩せて見えますからね」

 対戦する生徒の紹介後の同盟側の雑談。



「あのー、アレいいんですか?」

「思考するのには大量にカロリーを消費しますので、自費で購入したものに関しては許可してますね」

「そうですか。でも流石に多すぎるんじゃ……」

 戦術シミュレーターの自分の席にミルクチョコレート10枚入り3箱と、乳酸飲料のペットボトルをダンボール1箱持ち込んだ陽仁に呆れるアッテンボロー。



「帝国側の士官が圧倒しているな」

「でも損害は最小限にしてますね。上手いもんだ」

「あ、食べる速度が上がった――って、あれれ、おかしいですよぉ?」

「皇子が一気に反攻に転じた!」

「このままなら――ほう、帝国の士官が盛り返してきたな」

「でもこれ時間が――あ、終わった」

「判定は……皇子の勝利か」

「ひゃあ、大逆転ですね!」

「そうだね。でも実戦なら、あの後はたぶん帝国の士官――キルヒアイス少尉が勝ってたんじゃないかな?」

 夢幻会ですら予想していなかった番狂わせに驚く同盟側。



「お見事です、殿下」

「いえ、あのまま戦闘が続いていれば負けたのはこちらでしょう」

「……ひとつ、よろしいでしょうか?」

「何でしょう?」

「敬語はやめていただけませんか?」

「出来ません。ここには幼年学校の生徒としておりますので」

 戦いが終わった後の陽仁とキルヒアイスの会話。

105: 名無しさん :2020/10/12(月) 12:37:15 HOST:p420159-ipbf308imazuka.yamagata.ocn.ne.jp
「三度だ。このシミュレーションで私は三度、貴様をしとめる機会を得た」

「そーですね」

「だが貴様は三度それをしのいで見せた」

「そーですね」

「ナオヤ・フジマルだったな。覚えておこう」

「……行ったか。なんでぼろ負けした上、ガンつけられなきゃいけねーんだよ」

 戦いが終わった後の尚哉とラインハルトの会話。



「……う、嘘だ……このような……」

「シュターデン! しっかりしろ!!」

「医務室にお連れします、こちらへ!」

「すまん。頼む」

「あそこで……いや……無理だな……お、おおお……」

「うわぁ……ひどいことになってる」

「15000対15000の戦いで結果が15000対0。その0の側に立たされたらああなるよ」

「将棋の対局中継で見たことがあるな。ああなったのを」

 和哉に負けたシュターデン、精神崩壊。



「さて、生徒たちと反徒どもの戦いだが――」

「なっ? 皇子がいきなり強襲!?」

「機先を制した様ですな。相手は先ほどのキルヒアイス少尉との戦いのイメージに引きずられたようです」

「まずは生徒側の一勝でしょう」

 陽仁対ワイドボーン戦、早々に決着がつく。



「……あ、あああ、ああああああああああああああ!!」

「フォーク!? いかん、医務室へ!」

「手伝います!」

「すまん!」

 和哉にシュターデンと同じ負け方をしたフォーク、本日二人目の精神崩壊を起こす。




「すさまじい戦いだったけど、君はどうして幼年士官学校なんかに?」

「……棋士になることを、すっぱりと諦めるためです」

「キシ?」

「将棋というチェスの様なボードゲームのプロプレイヤーです。小学校の頃はそっちを目指していたんですが、同門の後輩に天才がいたので自分ではこの道でやっていくのは無理だと」

「……十分挫折を味わっているわけだね。 あー、ちなみにその天才というのは?」

「自分の弟です。高校一年生ですが、すでに八つあるタイトルの二つを手に入れてます」

 和哉に質問するヤン。



「はい本日はお終い。本番の明日から」

「そうそう、明日からが本番」

「調子がいいな、連敗コンビ」

「まあまあ。しかし和哉、『五分の勝ちを上とする』と常に言ってるお前にしては珍しい勝ち方だったな」

「星は五分だぞ。俺とお前が二勝。ターニャが一勝一敗」

「内容の事だ」

「……ああ、あれは帝国の金髪の少尉が『事と次第によってはこの者たちと戦うかもしれん』と言っていたから――」

「言っていたから?」

「トラウマを刻んでやろうかなと」

「お、おう、そうか」

 二日目が終わって食堂へ向かう生徒たちの会話。

106: 名無しさん :2020/10/12(月) 12:37:58 HOST:p420159-ipbf308imazuka.yamagata.ocn.ne.jp
「しかし魔法ねえ……」

「まあ言いたいこともわかる。僕らは科学しか知らないから、どうしても胡散臭いものに感じてしまう。」

「ま、実物を見ればわかるでしょう」

 三日目の魔法の座学の視察後の同盟側の反応。
 帝国側もほぼ同じだった。



「がああああああああ!!」

「か、か、かゆいいいいいいいいいいい!!」

「ば、馬鹿者!! 栄光ある……帝国装甲擲弾兵がっ、痒みごときでええ、うろたえるなああああああ!!」

「うわっ、ひどいことになってる」

「というよりもあれだけ隣で帝国の陸戦隊が騒いでるのに、うちの連中は横たわってピクリともしておらんのだが……どうなっておる?」

「藤丸立花生徒が使ったのは睡眠の魔法ですね。本田生徒が使ったのは御覧の通り痒みの魔法です。
 しかしオフレッサー閣下は凄いですな。彼女の魔法の効果が発動して、まだ立っておられるとは。まあ……実戦ではこのようなお優しい魔法は使わないですが」

 午後に実際に魔法を受けることになった、ローゼンリッターと帝国装甲擲弾兵たち。



「いやぁ、すごいものを見せてもらったよ」

「恐縮です」

「それで、他にはどのような魔法を使えるのかな?
 先ほどの様なお優しい魔法は実戦でまず使わないと、こちらの教官は言っていたけれども」

「教官、答えてもよろしいでしょうか?」

「そうだな……二級までなら構わん」

「分かりました。では、お答えします。
 私が実戦で一般的なヒューマノイドタイプかつ魔法に対する対抗策のない相手を制するならば、窒息の魔法を一番最初に思い浮かべます」

「……窒息?」

「はい、対象を窒息死させる魔法です」

「それは……恐ろしいね」

「軍用魔法ですので」

 ヤンの質問に対して毛並みの良い剣牙虎の様な笑みを浮かべる本田ターニャ生徒と、いつもと変わらぬ朗らかな表情の藤丸立花生徒。

107: 名無しさん :2020/10/12(月) 12:38:57 HOST:p420159-ipbf308imazuka.yamagata.ocn.ne.jp
以上です。
並行世界の魔法関係も100年も研究が進めばこうなるかなと。
まとめへの転載は自由で。

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最終更新:2020年10月16日 21:36