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注:修正版です

銀河連合日本×神崎島 ネタ 妙高姉さんが龍神…納得出来すぎるわ…(初風談)


とある民俗学者の手記


某月吉日、私は新潟県妙高市の関山神社を訪れてた。
民俗学研究の一環として現在日本で広まりつつある艦娘信仰というべきものについて調査するためだ。
艦娘信仰といっても艦娘そのものを神として奉るのではなく艦娘を通して神を信仰するというなんともまあ日本らしい信仰である。
艦娘は巫女であり神の座する神籬でありそれを擁する神奈備、つまりは依代である。
艦娘は信仰の対象ではあるが真に信仰する対象は艦娘に降りる八百万の神々なのだ。

遠く出羽では重巡洋艦鳥海が鳥海山の大物忌神の権化として信仰されている。
ある時大物忌神が艦娘鳥海の姿を借り幼子を助けたという話が本当に存在しそれに拍車を掛けている。
しかしその時大物忌神の姿は何故か同一視される稲荷神の創作上の姿に多い狐の耳と尾を持つ姿で権現しており実に不思議である。
熊野の地では艦娘がすでにこの世の者でなくなったことに気づかず山中で修行を続ける僧に己が既に死んでいることを悟らせ成仏させたという話も存在する。
その行者は艦娘により補陀落浄土へ渡ったとの話もあるがこれは確認のしようもない。
そしてここ関山神社近辺では同神社を艦内神社とする重巡洋艦妙高(以下妙高)が妙高山の神関山権現の権化として信仰されている。

関山神社に祀られる関山権現は神世七代最初の神、国之常立神であり本尊として聖観世音菩薩像が安置されている。
この関山神社は元々火山である妙高山の神と関川の治水と農業を司る水神を祀る聖地であったと思われるが上代に新羅系がこの地に入植し新羅系の神と融合し、
その後和銅元年(708)裸形上人が妙高山に登り霊威を感じ麓に三所権現を勧請したのが始まりとされている。
その証拠か聖観世音菩薩像は朝鮮三国時代の新羅仏であるとされている。
また水神を祀っていた影響か山頂の池には龍神が住むという言い伝えがある。
さて妙高が関山権現の依代として信仰されている由縁であるがこれもやはり実際に起きた話が始まりである。


妙高山が見下ろすある集落で一人の若い娘が急に気が狂い家を飛び出した。
家族が後を追うと生ゴミを漁り食べていた。
なんとか家に連れ帰ると今度は家中のありとあらゆる食べ物を食べ始めた。
両親や家族が止めようともいかなる時も一心不乱に食べ続けので家族は病院に行かせようとしたが女とは思えない力で抵抗した。
なんとか病院へ連れていき行き摂食障害と診断された。
娘に精神疾患になるような原因は考えられずまた食べることのみ執着していたためにカウンセリングなどを受けさせることも出来ず困り果てた。

ある時法事で菩提寺の僧が家を訪れた時のことだ。
娘を見た僧は目を見張り娘には憑き物が取り憑いていると言った。
僧は娘が気が狂う前に山などへ行かなかったと尋ねた。
両親は確かに娘が狂う少し前に趣味の山登りをしたことを思い出した。
やはりかと僧は言い恐らく娘を助けるのは難しいだろうと言った。
両親が聞けば娘に取り憑いたのは恐らくは行逢神ような妖へと零落した神か深い怨念を残し餓鬼となった者であろうと話し、
自分は死者を慰めたり妖を感じることは出来るがこういったものを払う程の力はないとと伝えた。
両親はどうにかならないかと僧に聞き、恐らくは難しいと前置きされながらも高僧や霊能力者を紹介してもらうこととなった。

その後娘を連れいくつもの高僧や霊能力者の元を尋ねたがいずれの者も娘を見ると首を横に振った。
さる神社などでは鳥居を潜る前に家では扱いきれないと追い返される程であった。
両親はそれらに絶望し娘の将来を悲観して心中しようかと考える程であった。
しかし僧からそれでは両親も娘も救われぬばかりか共に娘に取り憑く亡者と同じになってしまうと諭された。
娘が外に災いを出さないよう結界を張った部屋の中に閉じ込めておくしかなく、僧は少しでも慰めになればと娘の側でお経を上げた

881: 635 :2020/10/13(火) 18:52:50 HOST:119-171-231-231.rev.home.ne.jp
そしてある日娘が結界を破り家を飛び出した。
両親と僧は娘が他者に災いを与えてはと追いかけ、娘は直ぐに見つかった。
近くのお堂で地面に座り込み呆然と見事な龍の描かれた着物を着、黒髪を結い上げた頭に鹿の角を生やした美しい女性を見上げていた。
僧は女性を一目見てこの世の者ではないと感じたが同時に化生の類でないとも感じた。纏う気配がまるで霊地と名高い寺社の境内のように澄み渡っているのだ。

女性は両親と僧の方を向くと娘を取り殺そうとしていた化生は追い出し退治したのでもう大丈夫だと語った。
呆然としていた娘は両親の方を向くと涙で顔をくしゃくしゃにして抱きつき、受け止めた両親も娘がもとに戻ったと泣き出した。
僧は女性を神か仏かと思い何者かと尋ねたが微笑んだまま答えず光とともに姿を消した。

やはり神仏かと僧は思った。
女性が姿を消したその場は水神として龍を祀る小さな祠であり、妙高山には神として龍がいるとも関山権現は餓鬼を化益する観音様ともされていたので餓鬼憑きとなった娘を哀れに思った妙高山の(恐らくは仏法の)龍神が娘を助けたのだとすれば腑に落ちると思った。
だから女性は龍の描かれた着物を着て鹿の角が生えていたのだろう。龍の角は鹿のものと聞く。

そして娘を連れ両親と僧が家に帰ると付けっぱなしであったテレビに先程の女性が映っていた。
その女性の名は妙高、艦娘の重巡洋艦妙高であった。
それ以来この地方では妙高を関山権現の或いは妙高山の龍神の化身と奉っているという。




「やはり妙高姉さんは龍神だったか…。」

「初風ー、何見てんの?」

「うん?艦娘がどの神様として崇めれてるかってスレよ。」

「ああ、はた迷惑な話しだよねー。」

「うん、でもね時津風、妙高姉さんが妙高山の龍神として祀られてるのは納得したわ。」

「……。」

「いつも菩薩のように穏やかな妙高姉さんだけどそれは仮の姿なのよ…。」

「(あ!初風の後ろに妙高さんが(汗)。)」

「太平の世を静かに見そなう水の神、でも一度でも逆鱗に触れれば雷と嵐を呼び大地をも砕く荒ぶる龍神、それこそ妙高姉さんの真の姿なのよ!!」

「初風…ちょっと向こうでお話しましょうか…。」

「妙高姉さん!?ちょっ、時津風、助っ!」

バタン

「初風…無茶しやがって…。」

882: 635 :2020/10/13(火) 18:54:40 HOST:119-171-231-231.rev.home.ne.jp
以上になります。

883: 635 :2020/10/13(火) 19:00:15 HOST:119-171-231-231.rev.home.ne.jp
追加部分説明
娘を助けた女性に鹿の角が生えました。
ざっくり言うと鹿角さんの格好(割烹着未装備)である。

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最終更新:2020年10月16日 22:29