284: ナイ神父Mk-2 :2020/10/19(月) 22:00:29 HOST:p12178-ipngn901akita.akita.ocn.ne.jp
憂鬱大陸スパロボ
融合惑星ネタ短編
柘植事件又は幻影の戦争に関して
γ世界現地時間2002年12月ユージア戦争が苛烈を極め、日本海や東シナ海に置いてもユージア太平洋艦隊が第七艦隊をけん制していた頃、日本本土に置いてもベイブリッジを最新型改装を受けたF-16によるベイブリッジ爆破事件が発生した。
そして、その後出現した三沢の航空自衛隊から出たと偽装されたゴーストの存在によって日本国内の混乱は極地に達し、自衛隊を危険視した警察は状況説明に向かうはずだった三沢基地司令を県警の独断で逮捕した他、それによって態度の硬化した各地の自衛隊へ警護と称して、機動隊やレイバー隊を配備しその行動を妨害していた。
しかし、その裏で警察の一部や自衛隊は兼ねてより追っていた元自衛官である柘植行人が、今回のテロの首謀者であると見て独自に捜査を開始してた。
だが、元々陸上自衛隊に所属し、軍人としてのノウハウの有る柘植に対して警察の捜査は難航していた。そ
んな中、警察による警護状態を解除されて市街の警備に当たっていた自衛隊には米国より驚くべき情報が飛び込んできていた。
ユーアジア建国を裏で後押ししかつては先に融合した各世界に置いて戦争規模のテロを引き起こしたテロ組織アマルガムが今回柘植行人に協力しているという情報であった。
また、それを示す様に市街にて柘植を補足した際にはアマルガムが極秘裏に持ち込んでいたと思われるアラストルが周辺の自衛隊の歩兵部隊を襲撃。各地で歩兵部隊が戦闘不可能な状態になっていた。
コレに関しては警察でも応援を呼ばずに独断専行を行った特車二課に対して内部で問題とされ、臨時での査問会が行われているがこの急遽行われた重要会議がその後の警察の運命を大きく変える事となる。
幹部陣の多くが会議に出席した事で、海保の緊急連絡の対応までに時間がかかった事で、地上の封鎖が間に合わず日本海沖にてテロ発生の為、待機してた貨物船から発進した数隻の潜水艇及びUAVが射出された事で状況は一気に悪化。
通信やインフラ網を破壊したヘリを援護する様に近くを飛び回る事で近隣の航空自衛隊をけん制した他、潜水艇で上陸したAS小隊が警戒の為に出動していた陸上自衛隊のレイバー隊を襲撃、自衛隊のレイバー隊も応戦はする物の基礎性能の違いからその多くが無力化されてしまう。自衛隊も戦闘不能となる機体、人員が多数出た事でその対応能力を麻痺させている。
更に事態を悪化させたのは、警察の狙撃部隊が独断で空中を巡回していた電波妨害用の飛行船の内の一隻を狙撃したことであった。
攻撃を受けた飛行船は市街地へと落着して交通網等の損傷を増やしただけでなく船体内部からはガスが発生。コレが自衛隊を更に混乱に拍車を掛け緊急での後退が行われ、レイバー部隊の損害と合わさり混乱や都市その物の損害を拡大させている。
そして、テロ発生日の夜間通信を遮断する妨害電波発生装置を発見した特車二課は、篠原の八王子工場で保管されていた98式イングラムへと武装を施して、柘植逮捕の為に動いていた。
そして、旧特車二課第二小隊の面々は地下に置いて各地で戦闘を行っていたアマルガムのAS…コダールと対峙していた。
285: ナイ神父Mk-2 :2020/10/19(月) 22:01:52 HOST:p12178-ipngn901akita.akita.ocn.ne.jp
『警察か…』
特車二課が来たことを感知して振り向いた一機のコダールは、日本刀で残っていた米軍の迎撃用の半自立型レイバー最後の一機を切り捨てながらそう声を外部へと漏らした。
発した声は機械による補正が掛かっており、年齢は愚か性別すらわからない有様である。
しかし、明らかに柘植が居ると思われる方面から来ていたレイバーを切り捨てたコダールに対して少しでも情報が欲しい南雲は外部スピーカーを入れると振り向いたコダールへと声を掛けた。
「その機体…柘植たちが用意した物だろう?何故、柘植に協力しているお前たちが攻撃している。」
『簡単な事だ。我々は柘植に協力の対価を要求した。だが、柘植はそれを断った。交渉が決裂した以上我らのやる事は一つだ。』
「報復か!?」
南雲への返答に対して二号機に搭乗していた太田が驚きの声を上げるとそれに合わせるかの様にコダールは特車二課の方へと振り返った。
大きさこそレイバーとは大した違いが無い物の、機体全体が細身であり手足の構造は嘗て見られた黒いレイバーなどより余程人らしい物に見える。
まるでレイバーサイズの人間と対峙している様な感覚に陥りながらも敵の機体はゆっくりを下げていた刀を持ちあげ第二小隊へと突きつけて宣言する。
『柘植は我々が始末を付ける。邪魔するようで有れば…』
「テロリスト確保しなければならないのは変わらない。あなたを逮捕する。」
『そうか…』
その言葉を聞くや否や、コダールは地面を蹴る様に走り出し数十mの間合いを一瞬で縮めると、その刀を振り下ろして来た。
とっさにかわす事の出来た南雲の3号機ではあったが、全てをかわし切る事は出来ず右に体を逸らした際に、左腕を切断された他、瞬時に刀を返した二撃目を躱すことは出来ずに機体は腰部から切断されてしまい、下半身を残したまま上半身は通路へと叩き付けられた。
「貴様ぁ!」
その言葉と共に機体を南雲機を切り捨てたコダールに対して太田の乗る二号機がライアットガンをコダールへと発射。内数発は地面へと着弾したが、頭部へと着弾している。
それと共に機体は土煙へと包まれその姿は一時的に隠れているそれに対して撃破した事を確信した太田は敵機に向かって声を上げる。
「見たか!警察を舐めるからだ!」
「馬鹿!太田逃げろ!」
「何だ!?」
通路で一部始終を見ていた篠原の言葉に太田が聞き返そうした瞬間、着弾した煙から抜けて迫ってきたコダールに対して太田は無防備なまま斬撃を受けライアットガンと両肩両膝を切られて崩れ落ちる。
また、それと同時に支援しようと向かってきた一号機を腰部から切断した後、右手だけで尚動こうとしている南雲機に対してコダールは刀を操縦席付近へと向ける。
『今回の任務は死人を出すなとの上からの話だが、これ以上抵抗するようで有れば…』
「くっ…」
外部スピーカーから聞こえる電子音声に対して南雲は思わず唇を噛み何とか打開策を見つけようとするが二号機、一号機共に破壊されており、もう無理かと諦めかけていたがその時コダールは急に刀を下した。
何事かと考えて居る内にコダールは武装をしまうと外へつながる方向へと向けて歩き始める。
「貴様ぁ!逃げるのか!?」
太田からの声も無視して歩いて行くコダールは突然足を止めた。
『時間切れだ。』
286: ナイ神父Mk-2 :2020/10/19(月) 22:03:21 HOST:p12178-ipngn901akita.akita.ocn.ne.jp
その言葉と共に煙幕を機体から噴き出したコダールは同時にその姿を消し、跡には破壊されたレイバーの複数の残骸と何もできずに残された特車二課の面々だけが地下に残されていた。
時間を遡る事特車二課が地下を移動開始する数時間前、その頃の地上では状況が次の段階へと移行していた。
柘植の逃亡時に支援を行い姿を消した歩兵小隊規模のアラストル部隊は分隊規模で各地に潜伏、作戦の第二段階として、戒厳令下で無人となった工事現場に置かれたレイバーへと侵入し、ウィルスプログラムをインストールすることによって嘗てのHOSの如くレイバーを無人稼働させたのである。
それだけでなく、予め各地の海中へと忍ばせて置いたブロッケンを複数市街へと持ち込み、現在の通信妨害下でも使用できる通信機を用いてスレイブ状態にて操作を開始した。
東京市街地にて撃破されてテロの混乱で回収も覚束なかった撃破された自衛隊の機体の武器や工事用の作業パーツ、建設用の鉄骨などで武装した暴走レイバー部隊は沿岸部より一路日本の政府としての重要施設へと進軍を開始した。
此処に至っては日本政府に対応不可能と判断した米軍は、アマルガムに対する対応として横須賀に駐留していた企業の警備部隊と其処が雇ったPMCと共に治安維持による介入を始めた。それと同時にアリューシャン諸島付近にまで来ていたユークトバニア航空艦隊及び潜水艦隊が対応先発隊として航空隊を発進させ、部隊の上陸を開始している。
そして、時を戻した現在、UAVをノーマルが撃破して制空権を確保した関東上空には特徴的な機影を持つ武装ヘリが関東上空を覆い始めていた。
そのヘリからは現在、企業連などで使用される市街戦向けAC、通称VACと呼ばれる機体が次々降下を開始していた。
機種に関しては雑多ではあるものの、有澤重工所属の物が多いのかタンク型の脚部を装備した機体が多くみられるが新生EGF所属の機体も多数混じっており4脚や2脚装備の機体も混じっている。
それらはヘリから切り離されるとともに地上へとスラスターを使用して着陸して展開を開始した。
中でも独特な雰囲気を纏う新生EGF所属のソルジャー1325、ワーカー1477のコンビは国会議事堂の前にて多数の無人兵器と化した武装レイバー部隊と対峙していた。
「さて、偽りの教義を振りまいていたビーハイブは滅びたが、我々を大いなる者が見ている事には変わりない…」
「我らが未だ戦場にいる事とこそその証…」
「「世に平穏の有らんことを」」
287: ナイ神父Mk-2 :2020/10/19(月) 22:04:40 HOST:p12178-ipngn901akita.akita.ocn.ne.jp
その口上を終えると共に、二機は一機に侵攻してきていたブロッケン率いる武装レイバーへと攻撃を開始し、それと時同じくして各所で武装レイバーと治安維持部隊との衝突が開始されている。
そして、その数時間後には武装レイバー部隊の戦力の多くは鎮圧された他、各地で戦闘を行っていたアマルガムのコダールの撃墜と海上の輸送船の撃沈によって、日本へとテロを行っていたアマルガム戦力の壊滅に成功し戦力を失った柘植の逮捕にも成功している。
この事件の結果γ世界の日本に関しては連合、米国、ユークトバニアの3か国による治安維持軍によって治安の回復などを行うことが正式に決定。
東日本をユークトバニア、西日本を米軍、そして関東一円が企業連の治安維持下に置かれる形となり、関東圏は間もなく自治を回復するものの、東京湾含む近海の領有権や地下利権の一部を企業連に譲渡せざるを得ない状況となっている。
また、東日本及び西日本に関しても関東のダメージが大きい事を理由に、独自に行政府を設置して事実上日本は3つの地域へと分断される結果となっている。
更に、今回の件に関してはアマルガムが関わっていた事から同じく建国にアマルガムが協力しているとされたユージア政府は連合の詰問を受ける事となり、その釈明などを行うために独立戦争を停戦せざるを得ない状況へと追い込まれている。
288: ナイ神父Mk-2 :2020/10/19(月) 22:05:38 HOST:p12178-ipngn901akita.akita.ocn.ne.jp
以上ですWIKIへの転載は自由です取り敢えず大体の融合惑星に於ける柘植の事件の状況についてをば…
最終更新:2023年10月10日 22:22