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短編ネタ 現代日本大陸化&銀連神崎島クロスSS ある日、日本が『超』大陸と化してしまった件 番外編その10 蘇った島と不思議な石炭


長崎県・端島

かつては「黒いダイヤ」こと石炭の採掘で栄え、一時期は東京を抜いて世界最高の人口密度を誇った同島は、エネルギー革命と海外産の安価の石炭という二つの要因により
1974年に閉山。完全に無人島と化してしまった。その後は産業遺産に指定される等した物の、長い年月の経過により島は荒れ果て、このまま朽ち果てていくだけ・・・・・。
誰もがそう、島の元住民達すらそう思っていた。だが、そうはならなかった。その原因は勿論、日本列島が超大陸化したからである。

さて、超大陸化させる際に「この島をどうするか」という点で、神は頭を悩ませていた・・・。


神「うーん・・・。端島だが、石炭の島そのままというのは少々厳しいな。昔ほどは石炭の需要が無いし、ダイヤの鉱脈を追加したは良いが、此方はバカスカ掘る事も出来ない(市場価格的な意味で)。
      • レアメタルの、タングステン・タンタル・ニッケル・レニウム・インジウムも追加しよう。・・・・・資源依存なのは変わらんな。何より『石炭の島』と言いにくくなる。看板を挿げ替える事無く
この島だけの特色を出すには・・・・・」


ポクポクポクポクポクポクポクポク


\チーン/


神「せや!石炭自体にチートな特色を与える事にしよう!」


妻が「何をお馬鹿な事をやっているのか・・・」と呆れながら見ているが、その事に全く気付いていない神様。まぁその事自体はどうでもよく(ヲイ)、新たに蘇った端島は石炭+αの膨大な地下資源に加え、
元の島(1931年以降)に更にプラスして大きさを増し、巨大な製鉄&特殊鋼・特殊金属の精製工場が建造されたのだ。
今回は「蘇った石炭の島」である端島の様子を、順を追ってみてみよう。


さて、最初に見ていくのはこの島の代名詞ともいうべき石炭。石炭は本来、用途によって適している石炭の種類が違う。例えば、製鉄に使用するコークスは粘結炭(より正確には強粘結炭)といった具合に
である。しかし・・・端島で採掘されるこの石炭(通称・端島炭)、何と全ての種類の石炭の長所を併せ持ち、なおかつ有害・温室効果ガスや煤が全く出ないのだ(しかも何故かお香の香りがする)。
また熱量を調べて見た所、無煙炭の二倍の熱量をを誇る事が確認された。つまり、従来の半分の量で同じ熱量を発生させる事が出来るという訳だ。
もっとも、使用するにはこの石炭に対応した設備に変更する必要が有るが(従来型の石炭発電所に使用すると、事故の恐れがある)。
そしてもう一つ、この石炭を使用して生成された鋼は、何故か普通の石炭で作られた鋼よりも耐久性・耐食性が大きく増している(従来の三割増し)のだ。それでいて、加工のしやすさは従来の物と変わらないのである。
何故そうなるのかを解明しようと、日米にティ連・第三国経由で密輸した共産支那の科学者達は分析してみた物の、はっきりとした理由は分からず、最終的に


「神様によって石炭その物にチートが施されているのだろう」


という結論で落ち着いた。因みに、埋蔵量は50兆トン。当然端島だけでは使い切れない程で、日本各地に燃料や製鉄用に使用される事になり、同島の住民達に莫大な利益を(主に賃金という形で)齎している。
それ以外の上記に挙げたレアメタルも、概ね世界の埋蔵量の100倍(タングステン:7億トン・タンタル:1300万トン・ニッケル:89億トン・レニウム:5500万トン・インジウム:5500万トン)の量が埋蔵
されており、これ等の採掘・精製・加工も同島での重要な産業の一つとなっている。

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そして、元の端島に無かった施設として巨大な製鉄&精製工場がある。新たに増加した土地に建てられていたこの工場、上で挙げた鋼をはじめとする様々な特殊金属や特殊合金の精製を一手に担う巨大工場で
有り、用途別に様々な種類の金属類を日本全国の供給している。
戦車や軍艦に使用されている複合装甲等にもこの端島の鋼を使用されており、軽量化や強度の増加に付与している。まぁ流石にティ連で使用されている装甲材には負けるが。
勿論、端島のみで需要を満たすのは流石に不可能である為、他の各地域も製造を行ってはいるものの、燃料たる端島炭の運搬費の分だけコスト面で不利を強いられている(何せ端島の場合は、掘り出した石炭を
直接運び込むだけで済むのだ)。
一方、ダイヤの埋蔵量だが凡そ156億カラット分の埋蔵量を誇る。特筆すべきはその色で有り、何と虹色に輝いている。その為、「奇跡のレインボー・ダイヤモンド」と呼ばれる事となった。とはいえ、その価値を
考えると大々的に掘る訳にはいかず、細々と、本当に細々とした採掘となり、流通量の余りの少なさ故に極めて高い価値を誇る事となる。

334: 194 :2020/10/30(金) 22:58:35 HOST:ai126250217061.11.tss.access-internet.ne.jp
さて、ここまでは埋蔵資源について語って来たが、次は住環境を見ていこう。超大陸化で人口が激増している事もあり、この狭い島に本来なら首都圏とかで見られる様な超高層マンションが
複数建築されている。
最大の物は、高さ210m・60階もの高さを誇る新1号棟だ。実に1000戸近い部屋数を誇る。他にも150~200mクラスの超高層マンションが複数建っており、
各種鉱山や工場で働く島民達の住居として、洋上にその姿を誇示している。
因みに、無人となっていた端島の旧住居だが、神様の手で無人となった直後の状態に復元されており、現在は当時の生活の様子を展示した施設として活用されている。


そんな端島に、ある老夫婦が向かっていた。高島 卓三・依子(たかしまたくぞう・よりこ)夫妻だ。二人はこの島で生まれた元住民で有り、幼馴染でもあった。
中学の頃に島を離れる事となり、以後は長崎にて過ごしていた。小さい頃に慣れ親しんだ故郷が朽ち果てていく姿を見るのはとても辛かったが、炭鉱が閉山してしまった以上、どうにもならない。
そういう諦観の思いと共に人生を過ごし、このまま終わる物と思っていた・・・・・。
ところが、超大陸化と共にかつての故郷は世界最大級の洋上都市として、この世に蘇ったのだ。
居てもたってもいられず、二人はかつての故郷に戻る事を決意。残された僅かな命を、この島のかつての生活の生き証人として過ごして行こう。そう思いながら、端島への連絡船に乗り込んでいた。

335: 194 :2020/10/30(金) 22:59:07 HOST:ai126250217061.11.tss.access-internet.ne.jp
卓三「あれがかつての故郷・・・・・。あんなに立派になって・・・」

依子「ええ・・・。かつての自宅も綺麗になってると言いますし・・・」

卓三「何もかも神様のおかげだな。もう二度と、この島をあの様な姿に変えない様にしないとな・・・」

??「卓三?卓三か!?」


二人が振り返ると、そこに自分と同じ位の老夫婦の姿が。


卓三「・・・・・まさか、健一か!?」

健一「そうじゃ!お主も、戻ってきおったか!!」


彼等は吉岡 健一・幸恵(よしおかけんいち・さちえ)夫妻。高島夫妻の幼馴染でもある。


卓三「お主も生きておったか!!元気そうで、何よりだ」

健一「お互い様にな。お主も、この島に骨を埋めるつもりで?」

卓三「そうだ。最後は、生まれ故郷で過ごしたいしな」

健一「全くだ。落ち着いたら、皆で飲みに行こう」


かつての友との再会を喜ぶ一行。彼等は思う。生まれ育ったこの地に、残りの人生を費やそう。
この島の光を、二度と絶やさぬ為に・・・と。

336: 194 :2020/10/30(金) 23:00:40 HOST:ai126250217061.11.tss.access-internet.ne.jp
以上です。そんな訳で、超チート化した端島のネタをお送りしました。
埋蔵資源や石炭の性質のネタで幾つかの助言をいただいた結果、レアメタル複数にチートが施された石炭が爆誕しました。
アイデアを下さった皆様に、この場を借りてお礼申し上げます。
そして住居ですが、島の人口を最盛期の5千人の10倍・5万人で想定しています。その結果、洋上にどでかいタワーマンションが複数建つ事に(汗)
まぁ20倍して工場の分だけ更に土地が増えてもなお狭い島ですから、こうならざるを得ないのが。勿論、エレベーターも完備しています。
最後の老夫婦の皆様ですが、勿論架空の人物です(当たり前だ)。この後は、同島にて無人になる前に島の生活を語り継ぐ生き証人として過ごして行く事となります。
島の皆さんが頑張る限り、この島が再び無人島になるなんて事は起きないでしょう。
wiki掲載は、自由です。

PS・総当たりで調べた所、該当するNGワードを見つけたので他の言葉に変えて投稿しました。
ご迷惑をかけて、本当に申し訳有りませんorz

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最終更新:2020年11月01日 10:12