809: トゥ!ヘァ! :2020/11/08(日) 18:07:22 HOST:FL1-122-133-236-126.kng.mesh.ad.jp
スパロボクロス 融合惑星 γ(パトレイバー)世界の東南アジア事情


ここはγ世界と名付けられたパトレイバーの世界。
ユーラシア大陸ではユージアが欧州にてNATOとロシア相手に熾烈な独立戦争を仕掛け、極東では柘植の躍動により日本がぐだぐだしている最中。

同時期の東南アジアの情勢についてご紹介しよう。



欧州や中東でユージアと現地軍がドンパチしており、日本は警察と自衛隊が睨み合い、南シナ海でユージアのアジア艦隊と米太平洋艦隊が睨み合っている最中。

では陸地の方は銅だったかというと、こちらはユージア側が有利であった。
インドシナ半島ではタイとベトナムが意地を張っていたが、それ以外の国々は全てユージア連邦に参加を表明していた。
マレーシア、シンガポール、ブルネイは未だ中立もしくはアメリカ寄りの姿勢を打ち出していたが、肝心のインドネシアがどうみてもユージア側へ傾いているのは明白だったため、オーストラリアからの援軍は絶望的。

更に南シナ海で米艦隊が足止めされている関係上米側に付いたフィリピンと台湾からの援軍も期待できずタイとベトナムは孤立状態であった。

最も欧州側の戦闘に集中したいユージア連邦上層部はアジアでは戦力を動かさず、精々にら意味合いに終始していたため、大規模な衝突は起きていなかったが。
これはインドや中国の上層部も理解しており、何より彼等も無暗に戦線を増やそうとは考えていなかった。

とは言え状況はタイとベトナムが孤立しているのも事実。既に両国をどう救出するかというよりも、両国がいつまで耐えられるかを予測する事態へと推移していた。


このままいけば日本で柘植の事件が起こり、連合がユージアに詰問状を飛ばす頃にはインドシナ半島は遠からずユージアの手中に入っていたかもしれない。
少なくともインドネシアまでは味方に付けられたはずであった。

だが、ここで予想打にしていないことが起きる。一部の現地中国軍による暴走である。
主に陸軍の南部閥が勝手に行動を開始。ベトナムとタイへと攻め込みだしたのだ。

これに慌てたのが当の中国自身。旧中国政府及び空海軍、また現在欧州に派遣されている陸軍主流派の部隊からは寝耳に水であった。

何故一部が暴走しだしたかと言えば、簡単に言えば点数稼ぎである。
非主流派であった彼等はここで得点を稼いでおけば、ユージア連邦内で主流派に劣らない影響力を確保できると考えたのである。

そんな非主流派こと南部閥の部隊の攻撃はどうなったかというと普通に足止めくらっていた。

元々国境付近に目を光らせていたベトナム軍は猛烈に抵抗していたし、タイを攻撃するためにミャンマーとラオスを“勝ってに”越境した部隊は当のミャンマー及びラオスの陸軍と戦闘状態であった。

当のミャンマーとラオスからすれば、いきなりフル武装の中国軍やってきて、「お前らは今から俺達の指揮下に入れ。そしてタイに攻めこめ」と言い出したのである。
そりゃ反発するし、そんなことに従うこともなかった。

結局現場の指揮官同士が言い争いになり、中国軍側が無理矢理ラオス・ミャンマー側の指揮官を拘束。
これに起こった現地の両国部隊が指揮官を取り戻せと越境してきた中国軍と衝突する事態となった。

この状況に南シナ海封鎖に参加している中国海軍は困惑の色を隠せずにいた。
現地中国陸軍からは支援要請が飛んでいるが、陸軍首脳部及び旧中国上層部、海軍上層部またユージアの連邦政府からも支援するな!現状維持!の命令が打診されていた。

当の艦隊内でも支援するべき、無視するべきで意見が割れるなど混乱が発生し始めていた。

その隙を見逃さなかった米艦隊は読闇に紛れ、海軍と海兵隊特殊部隊をベトナム沿岸に送り届けることに成功。
ベトナムに辿り着いた海軍&海兵隊の特殊部隊は現地ベトナム軍の援護を開始。攻め込んできていた南部閥中国軍の撃退に成功した。

810: トゥ!ヘァ! :2020/11/08(日) 18:07:57 HOST:FL1-122-133-236-126.kng.mesh.ad.jp
同時期ミャンマー及びラオスでは衝突が泥沼化。既にタイやベトナムそっちのけで現地軍と南部閥軍の衝突が続き、侵攻作戦どころではない有様となった。

この状況に業を煮やしたユージア連邦政府は現地の主流派中国軍とインド軍に現地に待機させていた予備部隊の投入を命令。

南部閥軍支配地域及び、ミャンマー、ラオス、ベトナム国境付近で暴れ続ける南部閥軍の鎮圧を開始した。

結果だけ言えば南部軍の兵士の殆どは抵抗らしい抵抗を見せず投降した。
南部閥のお偉いさんはやる気に満ち溢れていても、無理矢理参加させられた一般兵の士気は左程高くなかったためである。

その後は間髪入れず柘植事件の発生と連合の介入による停戦が発生。
インドシナ半島統一はならず、それどころか戦闘の結果を見てインドネシアはユージア寄りから改めて完全な中立を表明。
ユージアにもISAFにもすり寄る面倒な蝙蝠外交を開始するなど、東南アジアにおける戦略が崩れ、ユージア政府は頭を悩ますこととなる。

中国は今回の問題を大きく取り上げられ面子が失墜。ユージア連邦内における影響力を大きく削がれることとなる。

ミャンマーとラオスは改めて中国への不信感を募らせてしまい、現地の連携に陰りが見える始末に。

代わりと言ってはなんだが、ユージア連邦政府こと中央は厄介だった中国閥へ大きな枷を付けることに成功。
特に海軍と空軍においては完全にユージア連邦軍直下へと編入させることに成功している。

更にミャンマーとラオスに関しても中央が直接支援を行ったことにより態度が軟化。強まった中国への不信感とは逆に両国の親ユージア姿勢を強めることに成功した。

全体で見れば東南アジア制圧戦略は崩れたが、中央政府による内部統制を強めることに成功している。

対して米国側はベトナムとおまけにタイ、マレーシアの死守に成功。
ギリギリながらも東南アジアでの面目を保つことに成功した。

インドネシアは先述の通り、ユージア寄りの態度からユージア、ISAF両方に通じる中立へと移行した。
両勢力からの評判は芳しくないが、立地が立地なので大きく批判できずにいるのが現状である。


柘植事件後のことにも話しておこう。

取りあえず半端な形に終わった東南アジア情勢であるが、その後は日本に居座る連合勢のおかげで比較的平穏な時期を過ごすこととなる。

だが中立を表明するインドネシアを中心に旧式のレイバーやASを使った犯罪が増加。
ユージア、ISAFの別なくこれらへの対処に追われることとなる。

ヴォルガーラ戦役時にはそれぞれの陣営が協力して対処することとなったのだが、ユージア、ISAF両陣営から嫌われていたインドネシアは後回しされる羽目となり、無事国土が侵略生物と無人機だらけになったとさ。

なおその後は国土解放だの、侵略生物掃討だの大義名分のもとでインドネシア全土が爆撃されたり、地下の巣が爆破されたり、全国で市街戦や森林戦が繰り広げられたりなどとても酷いことになったそうな。

811: トゥ!ヘァ! :2020/11/08(日) 18:08:32 HOST:FL1-122-133-236-126.kng.mesh.ad.jp
〇説明

アジア情勢一覧

  • 東南アジア

ユージア陣営:ラオス、カンボジア、ミャンマー

ISAF(米露)陣営:タイ、ベトナム、フィリピン、マレーシア、シンガポール、ブルネイ

中立:インドネシア


追記
オセアニアのオーストラリア、ニュージーランド、パプアニューギニアはISAF陣営

南アジアのインド、スリランカ、モルディブ、バングラディシュ、ブータン、ネパール、パキスタンなどはユージア陣営。


  • 東アジア

ユージア陣営:中国、北朝鮮、韓国

ISAF陣営:台湾

特殊:日本は柘植事件以降三分割中。
米軍占領下の西日本政府、ユークトバニア(フルメタソ連)占領下の東日本政府、一応の自治が許されている関東政府の三つ。

一応は西日本政府はISAF加盟国。関東政府は加盟はしていないがISAF寄り。
東日本もISAFへの加盟はしていないが好意的。

将来的に統合日本となった場合はISAFへと加盟予定。




  • 中国
ユージア加盟後はインドと並んで連邦内の大勢力として影響力を確保していたが、今回の一部陸軍暴走によって面子と影響力が大幅に低下してしまった。

空軍と海軍は完全にユージア中央政府に取り込まれてしまい、陸軍に関しても同僚の暴走を止められなかったとして面子が潰れている。

このため独立戦争後の中国陸軍内では大規模な粛清騒ぎが発生している。

最も今回の一件を差し引いてもユージア連邦内の大国という地位は変わっておらず、以前総合的な影響力は強いままである。

なお中国がヘマしたため、相対的にだが、インドの地位が上昇するなどインドからすれば棚ぼたである。

現在のユージアでは戦争で強いリーダーシップと戦闘力を発揮したユージア中央政府をトップに次点失点のなかったインドが続き、第三位に依然強力な中国が続く形となっている。

812: トゥ!ヘァ! :2020/11/08(日) 18:09:04 HOST:FL1-122-133-236-126.kng.mesh.ad.jp
  • インドネシア
ユージア戦争(独立戦争やら建国戦争やら色々な呼ばれ方がある)中にはユージア寄りの中立を表明。
事前の密約ではインドシナ半島の統一がなり次第、インドネシアもユージアへ加盟する予定であった。

しかし一部中国軍の暴走による米特殊部隊のベトナムへの到達やらを見て予定を変更。
ユージアともISAFとも付かず離れずな中立を表明した。

このことに事前の密約を反故にされたユージアは苛立たしく感じたが、実際アジアには未だ中国やインドといった連邦内に強い影響力を持つ派閥が残っているため、下手に情勢を乱すべきではないと理性的に怒りを鎮めている。

対するISAF側では戦時中は散々米艦隊の邪魔をしておいて、戦後になってから突然掌を返してきたため、インドネシアへは強い不信感を抱いている。
最もインドネシアが完全に敵対するとタイとベトナム、マレーシアなどの孤立が深刻化するため、現在は嫌々ながらも中立表明を認めている。


このように両勢力に嫌われながらも立地を生かして絶妙な蝙蝠を行っているインドネシアであるが、それ故にアジア中からならず者が集まっており、旧式のレイバーやASを使った犯罪が問題化している。

これらの犯罪グループはインドネシア国内に拠点を設けながらもインドシナ半島やオセアニア、フィリピンなどでも活動しており、ユージアやISAFの間でも小さくない問題となっている。

しかし連中の根倉はインドネシアにあり、インドネシアへの介入は新たな争いの呼び水になるため中々本格的な捜査ができずいるためユージア、ISAF両陣営で更なる不満がたまることとなる。
当のインドネシアも他人事ではないため、必死に国内の犯罪組織の摘発などを進めているが、インドネシア特有の多民族問題や宗教問題にも飛び火しており、根本的な解決には程遠いのが現状である。


本文にもあったようにヴォルガーラ襲来時は両勢力とも自国のことを優先したため、どこも助けてくれず敢え無く怪物と機械の国となってしまった。
旧インドネシア領を改めて両国が平定した後は国土を適当に分割して両勢力の領土に組み込まれることとなった。

813: トゥ!ヘァ! :2020/11/08(日) 18:09:52 HOST:FL1-122-133-236-126.kng.mesh.ad.jp
投下終了です

前に少し話した東南アジア情勢を。

インドネシア君には丁度いいので色々な意味で犠牲になってもらいました。

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最終更新:2020年11月10日 09:36