837: 635 :2020/11/12(木) 07:20:54 HOST:119-171-231-231.rev.home.ne.jp
銀河連合日本×神崎島 ネタ ゲートの先は神崎島もヤルバーンも無いようですその五
「すげえ光景だなこりゃ…。」
「あの艦載機、開発が始まる次期戦闘機にそっくりですね…。」
ワイキキのビーチにほど近いホテルの一室に集まった日本の閣僚達の中で財務大臣兼副総理はそう声を漏らした。
彼らが見るテレビの中には重巡に続き七隻の超大型空母(スーパーキャリアー)と護衛部隊が艦隊を組んでゲートを抜けてくるところだ。
防衛大臣は艦載機の一部が次期戦闘機とそっくりと指摘し同規模の機体とすると空母は横須賀のもの(CVN-76)より大きいと指摘する。
スーパーキャリアー(超大型航空母艦)ではなくメガキャリアー(超々大型航空母艦)と言うべきかもしれない。
『つづきまして空母赤城、加賀、翔鶴、瑞鶴に加え深海海月姫、深海鶴棲姫、南太平洋空母棲姫が参ります。』
「一航戦、五航戦に加え姫級三隻とは大ぶるまいですね…。」
ホテルの一部屋に集まった日本国の閣僚と自民党の重鎮達の中で防衛副大臣はぽつりと呟いた。
その言葉に閣僚の一人が反応する。
「その姫級とは一体?」
「深海棲艦という存在には通常のイロハで分けられる多数の同種が存在する個体の他に鬼や姫と呼ばれる上位個体が存在します。
これらは多数の通常型深海棲艦からなる艦隊を複数統括しその海域を支配する存在です。
昆虫における女王と言った方が分かりやすいかもしれません。深海棲艦を生んで増やしたりとかはありませんが…。」
「通常のが多数ということは空母なども?」
「一つの海域に十隻以上存在するのも珍しくありません。あの鳳翔や赤城クラスのがです…。」
なお傍からは分からないが護衛部隊には艦娘の他に軽巡棲鬼やら駆逐古姫やら水雷型の鬼や姫が複数いたりする。
自民党重鎮の一人が恐る恐る口を開く。。
「艦娘と深海棲艦とは何なのでしょうか…?」
「ゲームでは深海棲艦は世界全体に出現し制海権を奪取し、日本の艦娘がそれに対抗し制海権を奪還するといった感じですね。
東南アジアやソロモン諸島、北方アリューシャン列島といった太平洋全域及びマダガスカル、スリランカといったインド洋地域が主な主戦場です。」
「えらい広大ですね…。」
「それだけじゃありません。欧州も戦場となり各国の制海権を喪失、日本から何度も援軍が派遣され制海権を奪還してますが再び奪われることも多いようです。」
「つまりゲームでは日本が
アメリカの代わりに世界の警察をしていると?」
「そのアメリカもハワイを失陥しパナマ運河も奪われてますからね。
まあ深海棲艦と艦娘が一緒にいて米軍や自衛隊と一緒に行動している以上ゲームや小説のようなことはないでしょうが…。」
「ゲームなどでは深海棲艦は基本的に人類に敵対的であり、沿岸の都市を壊滅状態に追いやるばかりか、陸地を海へと変える、深海棲艦の支配する海域には生命が存在できないなど作品により能力に違いがあります。
そして艦娘達は第二次世界大戦の艦船が元であることは間違いありません。
しかしその正体は英霊とも怨霊とも言われていますが断片的な情報しか出てません。
そして彼女たちはその第二次世界大戦を何度も繰り返しているとも…。」
場を沈黙が包む。
この場の最高責任者、日本国総理大臣は資料を視聴していた端末のイヤホンジャックを外した。
音が外に漏れる。
「これもそれが理由ですか…。」
『ナンドモクリカエサレルタタカイ…
トキヲコエ…ウミヲコエ…オモイヲコエ…
ナンドモクリカエサレ…ソノタビニツノッテイクムネン…。』
『キエテシマエオマエモ!ソノタメニオマエハカエッテキタノダロウ!!
ナンドデモナンドデモココヘモドッテキテシズメ!ヒカリナドナイ!ノゾミナドナイ!
コノミナゾコデ!ソウシテ、ダレカラモワスレサラレテ、キエテイケ………!!』
「全部を過去のものにしてた我々には耳の痛い話だな…。」
副総理は苦笑し幾人もの閣僚が苦い顔をする。
しかし総理は決意を込めた瞳で閣僚や党の重鎮たちを見回す。
「例え彼女らが現在に追いついた過去だとしても私達は向こう側の日本、"銀河連合日本"との交渉を成功させなければなりません…。」
「そうりゃそうだ。新型コロナウィルスを収束させ日本を建て直すにはそれが一番良い方法だからな…。」
838: 635 :2020/11/12(木) 07:22:22 HOST:119-171-231-231.rev.home.ne.jp
『シンゾー!向こうの日本との交渉の席を用意出来るからお前も来い!』
合衆国大統領よりその一報が総理の元に入ったのはアメリカが向こう側との通信による交渉を終え、本隊が来る前の事前交渉として向こう側の駆逐艦がこちら側へとやって来てしばらくした時のことだ。
アメリカ合衆国大統領は国民と向こう側の合衆国へのアピールを兼ねて自ら向こう側の駆逐艦へと乗り込んでいった。だが乗り込んだはいいがその後の大統領の動静が不明となった。
向こう側の高官と長時間極秘会談してるだの捕虜になっただの様々な憶測が飛び交ったがホワイトハウス報道官は問題ないの一点張りであった。
まあ二日後には元気な満面の笑みを浮かべ艦から降りてきたので極秘会談が成功したのだろうという推測が大半を占めた。
しかし実際は当日大統領は高熱を発症なんとか乗艦したが訝しんだ向こう側の医師(もしもの為に同行していた神崎島の軍医withPVMCG)の検査によりCOVID-19の感染が判明し、医務室へと放り込まれ一応積み込んでいたティ連医療システムにより治療されたのだった。
なお駆逐艦の乗組員は事前にティ連製ナノマシンを投与されてる為にマスクなしだろうが問題ない。
治療を受け回復した大統領は向こう側の医療技術に感銘を受けCOVID-19に対抗する為の支援を要請、向こう側の国家首脳(日ヤ神米)がゼル会談し合衆国の不安定化は安全保障上看過出来ないとしてこれを受理、合衆国国民全員分のCOVID-19の特効薬及びワクチンの供給を決定した。
また自国での生産も重要とし大統領の生体データ及びCOVID-19のデータから造成された特効薬のサンプル及びトーラルシステムが弾き出したCOVID-19用ワクチンの情報もお土産で渡された。
そして下艦後に大統領は更なる支援を引き出すもとい合衆国安全保障上日本の安定化は不可欠と判断、向こう側の日本に日本との会談を打診した。
これについても仕方なしとされ受理された訳であるが実際はこちら側の日本とも交渉持つべきだが交渉優先権合衆国にあるしどうすんべ?
という話だったので渡りに船であった。
なお向こう側の合衆国は友人と苦労を分かち合えることに大喜びだったそうな。
実際ティ連や神崎島の支援の有無では苦労の度合いが天と地程違う。
そんな経緯を思い出した日本政府であるが特効薬とワクチン供給前提で日本国民全員分艦隊に積み込んでるのを知る由もない。
「おっ、最後みたいだな…。」
副総理の言葉と共に彼女たちが姿を現す。
過去(かつて)ではなく現代(いま)の戦場の女神達。
軍艦(いくさぶね)の代名詞、その名は戦艦。
多くの者達を苦しめて来た深海棲艦水上打撃戦力の中心戦艦棲姫と戦艦水姫。
続くは南方戦艦新棲姫と太平洋深海棲姫、共に海洋生物型の艤装が特徴的な深海棲艦だ。
そして近代化により巨大化したキエフ級航空巡洋艦の様な姿になった航空戦艦扶桑。
全通航空甲板(アングルドデッキ)と戦艦の主砲を併せ持つ異形の戦闘航空母艦伊勢。
度重なる改装により自身を焼いた神の火にも耐えうる防御力を得るに至った戦艦長門。
そして…、
「やはり最後は彼女ですか…。」
総理の言葉にさもありなんと全員が同意する。
日出る国の古名を冠し、国中に知らぬ者はいない軍艦(いくさぶね)。
現世(日本)と常世(神崎島)を繋ぎ、向こう側でティエルクマスカ銀河共和連合を代表する大戦艦。
その心蔵に太陽を宿し、エイブラハム・リンカーン級戦艦をも超える巨体に51センチ三連装主砲を四基搭載、計画倒れのアーセナルシップにすら匹敵するVLS数、
20.3センチ副砲と電磁投射砲に加えレーザー砲、高角砲、機関砲等膨大な数の対空火器、火器の仰角を最大に上げた際はメガロポリスの摩天楼にも例えられるその姿。
こちら側では坊ノ岬沖の海の底で悠久の眠りついているはずの存在。
「アレが向こう側の大和…。」
戦艦大和、彼女がそこにいた。
839: 635 :2020/11/12(木) 07:25:53 HOST:119-171-231-231.rev.home.ne.jp
以上になります。
転載はご自由にどうぞ。
某フリンゼ「ヤマトサンは霧由来のアレ搭載すれば摩天楼じゃなくて蜃気楼なのデスヨ。」(力説)
最終更新:2020年11月15日 14:07