54: 第三帝国 :2020/11/15(日) 17:52:16 HOST:58x4x169x209.ap58.ftth.ucom.ne.jp
銀河連合日本×神崎島ネタSS――——――外伝「シレイラ号事件Ⅱ」


ーーーーーーデロニカ・クラージェ ブリッジルームにて


「ガーグデーラ」とは何か?

曰く、正体不明な物という意味。
曰く、仮想生命体であり、自律ロボット兵器
曰く、軍用の重力子ブラスターか、重粒子兵器でないと対応は困難であり本船には存在しない。
曰く、ただし近接戦に持ち込んで斧やらハンマーで叩き潰すことは可能であり、これからその方法で対応する・・・。

「・・・近接戦って、まるで大航海時代ですね」
「宇宙で白兵戦とか、銀河戦国群雄〇イかよ・・・」
「マルデ、『ホーンブ〇ワー』デスネ、ハイ・・・」

吹雪、柏木、駆逐棲姫の全員がティラス船長から聞かされたガーグデーラの情報について色んな意味で驚愕していた。
まあ、300万年光年先の宇宙まで来て「宇宙で白兵戦します、それ以外手段はありません(真顔)」と言われて驚かない地球人類は存在しないであろう。

      • 例外があるとすれば某装甲擲弾兵総監だけは歓喜した上で、
これ以上ないほどの満面の笑みを浮かべつつ嬉々とミンチミートを量産していたであろう。

「ハイ、だからとても厄介なのデスヨ。
 デスガ行ってきマス、戦って助けるために」

PVMCGで戦闘服に着替えたフェルが決意を表明する。
間もなく戦場と化したシレイラ号へ転送機で転送される予定だ。


「でしたら・・・私たちも戦います!
 海では助けを求める船が助けに行きました、
 例え星の海でも見捨てるなんてできません!私が、私たちが守るんだから!」

「頭数ハ多イ方ガ良イハズデス、ハイ!」

フェルの決意に対して吹雪と駆逐棲姫、もとい黒雨が加勢を表明する。
いつの間にか2人の手には「艦○れ」で見慣れた物、「軍艦砲塔を模した」物を手にしていた。

55: 第三帝国 :2020/11/15(日) 17:52:56 HOST:58x4x169x209.ap58.ftth.ucom.ne.jp
「本来ならば大使達を巻き込むのは避けるべきですが・・・。
 貴女達の勇気に感謝します、どうか我々の同胞をお願いしマス」

ティラス船長が助太刀を申し出た2人へ最大級の敬意を払った。

(くそ、俺に何か出来ることはないか・・・?)


一方柏木はこのままでは嫁さんのフェルに吹雪と黒雨は戦場へ行き、
自分だけは安全圏に留まることで話が纏まりつつある事に焦りを覚える。
焦りが心理的余裕を削ぎ「自分だけは何もできない」という歯がゆい事実に柏木の精神が削られる。

(いや、待てよ・・・。
 『近接戦に持ち込んで斧やらハンマーで叩き潰している』
 ということは物理的な打撃は効果あるわけで地球の銃火器なら通用するんじゃないか?
 でも、フェル達は地球の銃火器を知らない、知っているのはエネルギー兵器だけだから・・・成る程、相性が悪いな、これは。
そしてこの考えが正しければ・・・)

「フェル、俺も行くわ。
 銃の取り扱いだって出来るし」

「ハイッ!?」

隣のコンビニでも行くような気軽さで戦場に行くことを口にする柏木。
これにはフェルだけでなくブリッジにいた全ての人物が驚く。

「・・・民間人が来ても困りますよ」

吹雪が『威』を含んだ言葉を柏木に投げ掛ける。
宇宙人から見ても幼い外見をした少女から発せられる異質な空気に誰もが息を飲む。

言葉では表現できない威圧感に晒される柏木であるが、
タフネゴシエーターとして積み重ねた今までの人生経験。

そしてヤルバーン来訪から今に至るまで経験してきた出来事が、
『威』に晒されてもなお揺るがない決意と行動力を作り上げていた。

「んー心配してくれてありがとな、吹雪ちゃん。
 でも、俺ってすでに渋谷の件とかこうした厄介ごとには慣れているから大丈夫、大丈夫。
 俺の考えが正しければガーグデーラって地球の銃火器で以外と楽に倒せる相手であるはず。
 それにさ、嫁さんだけ修羅場に送って俺だけ待つ、なんて男の子の意地できに我慢できないし、」

一拍をおいて言葉を綴る。

56: 第三帝国 :2020/11/15(日) 17:53:56 HOST:58x4x169x209.ap58.ftth.ucom.ne.jp
「加えて言うと、これでも俺。
 『艦○れ』の提督だから吹雪ちゃん達だけを戦わせる、なんてできなから」

柏木の思わぬ回答にフェルが呆気にとられる。
黒雨も予想外の返答に「ハイ?」と首を傾げる。

そして、

「ぷ、ぷ、
 あ、はははははは!!
 柏木さんって、面白い人ですね!まるで私たちの提督みたいです!」

吹雪は爆笑した。

「似てるの?
 神崎提督に?マジで?」

「はい、似てます。とても!」

「そりゃ光栄だ」と呟く柏木。
何せリアル艦娘に提督みたいと言われるとは思わず、照れくさそう口笛を吹く。


「では一緒に行きましょう、柏木さん。
 いいえ、司令官!!共に暁の水平線に勝利を刻みましょう!」


吹雪と黒雨が「提督」として敬意を込めて民間人の柏木へ敬礼した。




おわり

57: 第三帝国 :2020/11/15(日) 17:56:11 HOST:58x4x169x209.ap58.ftth.ucom.ne.jp
ここ数日余裕があるお陰で筆が進みます。

では

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最終更新:2020年11月20日 11:01