267: 第三帝国 :2020/11/18(水) 21:31:36 HOST:58x4x169x209.ap58.ftth.ucom.ne.jp
銀河連合日本×神崎島ネタSS――——――外伝「シレイラ号事件Ⅲ」

ーーーーーーシレイラ号 2等客室エリア


(・・・ああ、死んだな)

シャルリ・サンドゥーラはその時確かに死を覚悟していた。
背後から襲ってきたドーラに防ぐことも逃げることも間に合わない事実を受け入れた。

だが、その事実は第三者の乱入によって覆された。


『伏せるでース!!?』
「っ、フェル!!?」

突然フェルの声が響いた。
ドーラも第三者の乱入に気が付き一度動きを止める。

『っ・・・ナイスだ、フェル!!』

そしてシャルリが伏せてドーラが動きを止めたこの絶好の機会。
これを逃さず柏木がPVMCGで造形されたバレッドM82をぶっぱなす。
狙いは外れることもなく見事ドーラに命中し内部構造がぶちまけれると大爆発を起こした。

「なっ・・・ドーラが一撃で!?
 一体どんな武器なんだありゃ、というか誰だアイツら?」

シャルリが背後を振り返れば鉄屑と化したドーラが転がっていた。
そしてその先にはフェルを筆頭に顔見知りの面々が揃っていたが同時に見たこともない種族が共にいた。

『よし、思った通りだ!
 銃が通用するからこれなら・・・』

『ヒャッハー、硝煙の匂いは最高ダナ!!』

『・・・匂い立つなぁ、えずくじゃないカ!』

『宙は空にあるデスヨ!』

『狩りの時間だ!』

『上位者狩り!上位者狩り!』

『えっ、ちょ?皆さんあの!?』

『意味ガワカラナイデス、ハイ・・・』

シャルリは合流して色々聞こうと思ったが、
ヤルバーン戦闘員はこれまで散々苦杯を飲まされたドーラを一撃で倒せたことに歓喜し、血に酔った狩人のごとく気分が高揚していた。
しかも『あの』フェルも一緒に異質な興奮状態に陥っておりシャルリは思わずドン引きして一歩下がってしまう。

268: 第三帝国 :2020/11/18(水) 21:32:44 HOST:58x4x169x209.ap58.ftth.ucom.ne.jp
「・・・っ、シャルリ!
 間に合ってよかったデス!」

「お、おう。
 なんとかな・・・。
 それよりもフェル、その装備は何だ?
 あと、見たことがない種族が3人いるけど誰だ?」

シャルリを見て正気に戻ったフェルが駆け寄る。
先ほどまで纏っていた異様な空気はないが戸惑いつつもシャルリは質問をあれこれ投げ掛ける。

何せシャルリ視点から見れば異様の一言に尽きていた。
ヤルバーン戦闘員達は着用しているのは見慣れた外骨格ロボットスーツであるが、
手にしているのは粒子ブラスターライフルではない何か別の未知の武器をそれぞれ手にしていた。

しかも傍には未知の種族。
1人は男性で緑を基本色としたまだら模様の戦闘服を着用した平たい顔をした種族。

残る2人は女性というよりも少女。
1人は平たい顔の種族と同じ肌の色であるが、
もう1人は灰色の肌をしている上に両足が義足であるようだ。
服装はどこかの制服らしいが平たい顔をした種族よりも軽装である。
しかし、2人が纏う場の「空気」はこの場にいる誰よりも軍人として完成されている気がした。

「ウフフフ、
 彼が日本国の大使で、
 こちらが神崎島の大使なのデスヨ」

「大使達がわざわざ助けに来てくれたのかい!
 惑星ハルマの種族は度胸があるナー、気に入った!よろしくな!」

ガハハハ!と笑いながら柏木に親愛と敬意を込めて『力一杯』スキンシップしたが、
サイボーグフリュの馬鹿力にただのオッサンである柏木に耐えられるはずもなく「たわば!?」と奇声を上げて吹っ飛び、
吹雪と駆逐棲鬼も巻き込まれて「ひでぶ!?」「アベシ!!」とそれぞれ奇声を上げた。

「何するデスカーーーー!!?このサイボーグフリュ!!」

「ちょ、待って!
 首、首が絞まっているカラ待って!?」

人類60億人を代表する大使を張り倒した獣系サイボーグ女にフェルは激怒する。
しかも1人は将来を約束した未来の旦那様であり当然すぎる反応である。

269: 第三帝国 :2020/11/18(水) 21:33:57 HOST:58x4x169x209.ap58.ftth.ucom.ne.jp
幸い、と言うべきか柏木は目を回しただけで済んでいるようで、
吹雪と駆逐棲鬼、もとい黒雨はパンツ、パンツです!な状態であることを除けばまったく問題なかった。

「フェルフェリア局長、新手デス!」

フェルとサイボーグフリュが争っている最中、ヤルバーン戦闘員のホムスが警報を発する。
この言葉に誰もが一度顔を強張せると無言でじっと動きを止めて感覚を研ぎ澄ませる。

すると、人ではない機械の音と共に銃声を聞き付けたのか、
あるいは獲物が一ヶ所に固まっているのを認識したのか理由は分からないが大量のドーラがわらわらと涌出でて来た。

「来ましたネ!」

フェルが待ってました!とばかりに叫ぶ。
今までならば絶望的な戦いを強いられる展開であったが今日は違う。
この事実をフェルだけでなくヤルバーン戦闘員全員が共有しており、
今までの恨みを晴らしてやるとばかりにやる気満々で各自がそれぞれの得物を構える。

銃撃の時間だ。

「サァ・・・」

フェルがジャコン!ジャコン!と二度重々しい音を立てて自身の銃に初弾を装填する。
その銃は1人で運ぶには重すぎる上に、肩からベルトで吊り下げて腰だめで使うよう代物ではない。

だが、外骨格ロボットスーツを着用するば重さと発射の反動など些細な問題に過ぎない。
加えてPVMCGで再設計して造成してしまえば『押金式』ではなく『引き金式』へと銃を改造することも可能であった。

『この街・・・船を清潔にするデスヨ!!』

フェルが手にするのは20世紀初頭に誕生した偉大なる重機関銃----ブローニングM2重機関銃。
人の胴体に命中すれば肉体が上下に引き裂かれる程の凶悪な威力を誇る代物である。
それを腰だめで問答無用にぶっ放したのを合図にヤルバーン戦闘員は手にした各種銃火器が一斉に火を噴いた。






おわり

270: 名無しさん :2020/11/18(水) 21:42:28 HOST:opt-183-176-151-128.client.pikara.ne.jp
薩意が高いのう

271: 第三帝国 :2020/11/18(水) 21:51:48 HOST:58x4x169x209.ap58.ftth.ucom.ne.jp
以上です。
我らに血の祝福を。
(訳:ネタ投稿皆様感謝乙です)

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最終更新:2020年11月20日 11:01